ハク1
「いらっしゃいませ~」「こちらのお席にどうぞ~」
店員の声が飛び交う店内は学校帰りの学生や仕事帰りの女性
読書してたり仕事してるのかパソコンを見てる女性もいる
アオが高校生になってバイトを始めた喫茶店
おしゃれな店内にテーブルも大きく一つ一つの席が広い
店員も若い男の子でイケメンが多く毎日女性客で賑わってる喫茶店
「ありがとうございました、またお待ちしております」
とアオがいつも通り言うと
「なんか良いことあったの?」
横を見るとアオの幼稚園からの同級生ハクがいた
「なにもねーけど?」
無表情でキッチンカウンターに向かうアオの背中を見ながらハクは
「わかりやす・・・」
と呟く
アオとハクはバイト終わりに家の近所の公園で
アオ 「話ってなぁに」
ハク 「昨日何があったの?」
アオ 「なにもねーけど」
ハク 「学校でもバイトでもウキウキしてたじゃん」
アオ 「気のせい」
ハク 「なわけないじゃん何年アオを見てると思うんだよw」
アオ 「・・・」
ハク 「アオちゃん何があったの?」
アオ 「きも・・・」
ハク 「白状するまでアオちゃんね」
とニヤニヤする
アオ 「やっと会えて言った」
ハク 「ん?やっと会えて言ったって誰に何を?」
アオ 「将来の奥さん」
ハク 「は?」
アオは無表情だが薄っすら顔が赤くなってるのをハクは見逃さなかった
ハク 「アオが好きだった女の子?」
アオ 「そう」
ハク 「どこで会えたの?」
アオ 「いつも行く屋台のラーメン屋」
ハク 「あー!あそこのラーメン屋か」
アオ 「ゲーセンで見つけて後つけた」
ハク 「アオちゃん・・・それはストー・・・」
言いかけたハクの口にアオが手で塞いだ
アオ 「家近所なのに10年も俺に気づかないから仕方ねーじゃん」
口を塞がれて話すこと出来ないハクがアオの手を払いのけると
ハク 「俺にも会わせてよ」
アオ 「ぜってーやだ」
ハク 「なんで」
アオ 「誰にも取られたくない」
ハク 「・・・」
今まで見たことない男の顔をしてるアオに
ハクはここまでの顔をさせる女に会いたくなった
なにがなんでも絶対会ってやると心で誓った