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放課後
放課後
今日は部活見学の最終日。
グラウンドや体育館をぶらぶらと見てまわる。
体育館のいちばん奥で、元気な女の子たちの声がする。
チア部か。
ってか、真ん中のいちばん高いとこにいるの、アユミじゃん。どれだけ溶け込むの速いんだよ。
隣のコートでは制服の女子たちが、黄色い歓声をあげている。
バスケ部かな。
髪の長い、綺麗な男子が、鮮やかにゴールを決めた。
その途端、また黄色い歓声。
まるで王子様だな。僕には関係のない世界だ。
体育会系の部活をひととおり見て回り、文化系の部活ゾーンに入る。
美術部、軽音学部、茶道部、写真部、落語研究会…
中学の部活って、こんなにいろいろあるものなのかな…。思ってたのと違う。
・・・
クイズ研究会…
ドアの前で、立ち止まる。また、きちゃった。
昨日の今日で、ヤバいやつって思われないかな?
思い切ってドアを開けようノブに手をかけた瞬間、後ろから声がした。
「コウくん?」
「ひゃぁ…」
やばっ、今、変な声でた。
落ち着け、落ち着け。
ゆっくり息を吐いて、顔を整えてから、ゆっくり振り返る。
「来てくれたんだ。」