準備
「20分て、結構長いよね。」
僕はユリさんに投げかける。
「最初と最後にあいさつしたいし、問題もひとつづつゆっくりやりたいから、5〜6問でいいと思う。予備を入れて、10問が目標だね。」
それくらいなら、なんとかなりそうだ。
僕らはいろんな問題を考えては、出し合って、意見を言い合う。
「テレビのクイズみたいに、問題文が僕らが読むのに合わせて出せたらいいよね。」
「ヒントはひとつずつ、タイミングをみて出したいな。」
「全員に早押しボタンを渡すのは無理だから、挙手制かな。」
だんだん具体的になっていく。
やっぱり、目的があると楽しいな。
「ごぼうクイズもいれるの?」
僕がいちばん最初に作った、ちょっと恥ずかしいやつ。
「私たちの代表作だもん」
と、ユリさん。
いつのまに、そんな位置づけになったの?
ほかにもいくつか、なぞなぞを加えて、なんとか10問の問題が完成した。
ユリさんが司会と進行、僕がパソコン操作と問題の読み上げを担当する。
アニメーションのタイミングに合わせて読んで、
手が上がったら、読むのとアニメーションを止める。
結構難しいぞ、これ。
画面を見ずに、アニメーションに合わせて問題が読めるようになるまで、僕の特訓が始まった。
ユリさんは、最初と最後のあいさつに、頭を悩ませているようだ。