表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛と終着の奏  作者: いなほ
9/23

登校…したくないなぁ…


 事件の次の日、また隈の酷いお医者さんに診察されて全治2ケ月の診断を受けた。

 びっくりしたことに鎖骨にヒビが入ってた。

 転んだ時かな?

 足首はねんざしていた。

 あとあちこちの打ち身と擦り傷。

 茶色っぽい消毒液を塗りたくられ、あちこちガーゼなんか当てられてなんか痛々しい見た目になってた。

 鎖骨のところは場所的に包帯を巻いたりギプスをはめられないところだそうで、湿布を何枚も貼られた。

 うう湿布くさーい。

 服を着替えるのが大変だったよ。そう、痛くって!。


 飯塚秋司刑事が病院にきて、調書?っていうのかな?私の証言とかをとっていったよ。

 私のほかにも何人かが、逃げていく犯人らしい人を見た人がいるって。

 駅に通じる道の途中まで防犯カメラとか車載カメラで足取りはつかめているらしいよ。

 早く捕まらないかなぁ。

 これからもとの生活に戻っていくのに、犯人野放しじゃぁ、不安でしかたない。

 顔を見たからって、狙われたりしないよね??もしそうなったらどうしよう。

 飯塚刑事は、何かあったらずぐ駆けつけるからって言ってくれたけど…。

 四六時中ガードしてくれる訳じゃないだろうし、ちょっと怖いな。


 

 病院から出るとき、入口付近で春斗君らしい子とすれ違った。

 ああ、やっぱりこの病院に通ってるんだ。

 彼は、呼吸器系が弱くて、薬を常飲していたんだっけ。

 まだ学校がある時間のはずだから、やっぱりちょいちょい早退とかしているんだなー。

 ゲームでもそんな関係で、ヒロインとはなかなか出会う機会がなかったんだよね…。


 彼のルートも何とかして死んじゃう運命を変えてあげたいけど、私に何ができるだろう?

ちょっと落ち込んじゃう。

 彼らの運命に干渉するどころか、ストーリーに関係ない空き巣事件に関わっただけでこんなケガしちゃうし。


 はぁ、なんか身体中痛いし、だるいし、嫌になっちゃう。

 私ってば非力だなぁ。



 帰りにママがゼリーを買ってくれた。

 こういう時のゼリーってなぜかおいしいんだよね。

 中身アラサーだけど、12歳の遥の影響かな?むちゃくちゃ嬉しかった。


 家につくと私の部屋のノブに防犯ブザーがかけてあった。

 真也かな?

 真也にも心配かけちゃった。

 ケガが治ったら護身術とか習ってみようかな?

 でも中途半端に抵抗したりすると悪い人から余計にひどい目にあわされるかも?


 いやいや悪い人とまた会うとかってそんな事は非日常だから。

 いやいやフラグじゃないよね?

 …じゃないよね?


 うん。逃げ足だけでも鍛えておこう。

 サンダルじゃなくて「駿足」をこれからはいつも履くようにしようっと。


 それにしても明日から学校っていやだなぁ。

 上靴隠された次の日に休んで、それからケガして登場とかって目立つよね?

いやだなぁ。


 次の日、玄関あけたら幼馴染ズが迎えにきてくれてた。

 え?尊?なんで家に迎えにきてんの?

 目立つからやめてぇぇ


 リコちゃんは私にお礼を言いたかったんだってさ。

 家にあったお金は、リコちゃんがコンクールに出るためのお金だったんだって。

 リコちゃん、ピアノ頑張っているからね。


 交通費に宿泊代とかだって。それにリコちゃんのドレス代!!。おばさん、カード使わないのかな?

 3人と冬哉さんとで(真也は朝錬だって)リコちゃんとは途中まで登校した。

 途中で篠宮さんらしき姿を見かけたけど、ひょっとして毎朝待ち伏せしてるの?

 やってる事ってストーカーって言われちゃう事だよね?

 尊…ご愁傷様。


 冬哉さんと尊って初対面だけど、まぁ表面的にはふつうに接してた。

 尊は冬哉さんのことロリコンみたいに前に言ってたけど、本人に言わなくてよかったよ。


 ちょっとヒヤヒヤしちゃった。

 

 リコちゃんは私にこっそり「恰好いいお兄さんだね。芸能人にいそう」って言ってきたけど、そうだよね!!!

 何たって攻略対象様だもんね。


 みんなでリリーのお見舞いにいく約束をして別れた。

 さぁ、気合をいれなきゃ。

 学校では孤立無援だもの。


 あ、吉田君を除いてね。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ