ヒロインとばったり
汗をかいたので、シャワーを浴びてお気に入りのワンピースに着替えた。
え?パツンパツン?で丈短い?
「ママー」
情けない声が出ちゃった。
どうやら遥にも成長期がきてたようだ。
どうりで毎晩ジンジンと足が痛んだよね。
急にランニングなんかはじめたせいだと思ってた。
「あらあらあら…」
なんかママ嬉しそう?
これは携帯屋さんの後で服屋さんコースか。尊をつき合わせる訳にはいかないなぁ。
「ただいまー」
「ただいま」
そんなタイミングで冬哉さんと真也が帰ってきた。
「お昼は外食しようと思っているのよー。『さわや』がショッピングモールに入ったでしょ?
二人共着替えてきて」
さわや!県民のソウルフードのお店だ!
やったぁ。
喜んでいると玄関のチャイムが鳴った。
「こんにちはー」
「あ、尊君。今日はありがとうね」
「いえ、これ母からです」
「まぁまぁ。ありがとうねー。気を使わなくていいのに。お家の皆さまは元気?」
尊がきちゃった!!…急いで着替えてこなくっちゃ。
結局オーバーオールに半袖のフード付きのトレーナーになっちゃった。
これだと男子ズの間に入っても違和感なさそー。
…そうだよ。モールで篠宮さんとかに偶然出くわす可能性もあるよね。尊がいるから一緒にいるところを見られるとまた面倒なことになるかも?
真也のキャップも拝借して、顔とかわかんないようにしようっと。
着替えて玄関に出ていくと皆がびっくりしてこっちを見てた?
「え?」
「う…ん。遥もそんな服着るんだなぁって。そんな服持ってたかしら?」
ええっと、このオーバーオールは友成叔父さんの奥さんからのおさがりです。
トップスはママがちょっとデザインが若すぎた!って福袋に入ってた奴をずっと箪笥の肥やしにしてたのだし。
まぁ遥(小学生)はほとんどワンピかスカートだったものね。それもかわいい系。
ママのお見立てはガーリーチックなセンスのいいお洋服ばっかりだったし。
だって着るよね?ママの用意してくれる服は大半そっち系だし、前世ではいい大人だったような気がしてあまりそっち系は嗜んでいなかったような。
フリルやレースってやっぱり可愛いから着るのにもそれなりの覚悟がいるというか。
10代のうちに着ておかないと!って思ってた。
そっかー遥ってばもう大人と同じサイズなんだ。
変なところで中学生になるんだなぁと実感した。
これからは自分好みの服とか自分で買いにいくのかな?
大人の遥は清潔感のある服だったら何でも良かったなぁ。あまりこだわりもなかったかも。
でも、子供の遥にはオシャレをして楽しんでもらいたいなぁ。
ママの運転するキャ〇バンで皆でショッピングモールにGO!
「さわや」の予約をパパが取っておいてくれたみたいで、すぐに席に案内されたよ。
私はもちろんハンバーグ定食!男の子達はおっきいサイズをペロリと平らげたよ。
その後、ママと私と尊は携帯ショップへ。
冬哉さんと真也はゲームコーナーへ。
尊ったらもう遥の携帯決めてたみたいで、「これがいいぞ」って言われた。
購入してその場でいろいろ設定して、パスワード忘れないようにしよう!
やっぱり尊の言う通りキャンペーンをしてたみたいで友達紹介のご利益に預かれたのは大きいね!
ついアクセサリーも保護フィルムも一緒に買っちゃったよ。
尊のと色違いなんだけど、まぁいいや。たぶんこの機種を持ってる人って多そうだし。
その場でライン登録会してリコちゃんのも許可もらってたので登録した。(尊が)
尊!ありがとう!!
その後尊はゲームコーナにいる真也達と合流しにいった。
なるほど、こういう時に携帯って便利だね。
「今どこ?」で簡単に合流できちゃうんだもの。
ママと私はお洋服を買いに上の階へ。
ママは真也のと冬哉さんのと尊へのお礼(本当は私が買った方がいいんだろうけどね)を買いに別行動に。
服を選び終わったらママの携帯に電話してお会計してもらう流れになった。
自分で選ばせてもらえるだなんて、ママの信頼が厚いね!!
まぁ中学生なんだからそれ風な服にしないと…て、困る!
こういう時はショップのお姉さんに聞こう…。
試着もちゃんとして決めよう。ちょっと大きめがいいかな?まだまだ身長が伸びそうだし。
「すみませーん。」
ショップのお姉さんだと思って声をかけたら、あれ?見た事あるような人だ。
ってヒロイン!!!




