生まれ変わった魔王様は、前世で自分を殺した勇者と渋々コンビを組みました。~転生先で可愛い我が子が暴れているようですが、こんな時こそお母さんの出番です!~(短編化)
この小説はとびらの様の『あらすじだけ企画』参加作品です。本文にはあらすじしか書いておりませんので、ご注意ください。
前世の記憶を取り戻したラウムリアスは、自分がかつて人々を苦しめ、勇者に討たれた魔王であったと気が付く。だが、その罪は全て濡れ衣だった。
そんな彼女に、同じく転生していた勇者ダイモンが近づいてくる。彼はラウムリアスが冤罪であったと知って、謝罪しに来たのだった。
贖罪のため、ダイモンはラウムリアスと行動を共にすると宣言した。ラウムリアスは彼とは反りが合わないと感じつつも、ある目的に協力させるため、渋々それを了承する。
ラウムリアスは、前世で自分が魔法で創造した生命体のラクテンスたちがまだ生きており、人に危害を加えているのを知って、それを止めたいと考えていたのだ。
ラウムリアスはラクテンスたちと再会した。だが、彼らにラウムリアスの声は届かない。かつては親子として過ごしていたラクテンスの豹変に、ラウムリアスは引っ掛かるものを感じる。
そんな折、ラウムリアスはどこか既視感を覚える青年、ルゼウスと出会う。彼の勧めもあって、ラウムリアスとダイモンは国王であるローレンスお抱えの兵団に入る事となった。
新生活が始まる中、ラウムリアスとダイモンはラクテンスたちの事を調べる。その過程で、ラウムリアスは何度もダイモンに助けられた。
初めは鬱陶しいとしか思っていなかったダイモンに対して少しずつ心を開き始めるラウムリアス。だが、それでも完全に打ち解ける事はできなかった。
ラウムリアスは、かつて弟子のライアンに裏切られ魔王と呼ばれる存在にまで貶められてしまったため、人を心から信じる事に恐怖していたのだ。
そんな苦悩を携えながらもラクテンスの調査を続けた結果、ラウムリアスたちは軍務大臣が何らかの事情を知っているのではないかと結論付けた。
それと時同じくして、ラウムリアスたちはローレンス王に呼び出される。ラウムリアスは彼に大臣の事について進言しようとするが、自己中心的なところのある王に不信感を持っていたダイモンはそれを諫める。
ラウムリアスはダイモンの忠告を無視して一人で王の元へと向かったが、彼の奸計に陥って投獄されてしまった。
ラウムリアスは先に捕らえられていた軍務大臣から、王が兵力としてラクテンスを使い、私欲のために利用していたと教えられる。
現代のラクテンスは、かつてラウムリアスが創造した個体ではなく、王の臣下たちが作り、魔法で操っていた新しい個体だったのだ。
大臣は王の凶行に気が付いてそれを止めようとした挙句に投獄されたらしい。そして、王はラクテンスの調査をしているラウムリアスたちの事も、いずれ真実に辿り着いてしまう危険人物と見なして処分しようと画策したのである。
そんなラウムリアスの元にルゼウスが現れる。彼の発言から、ルゼウスもラクテンスの事情について知っているだけでなく、その正体がライアンの転生体だったとラウムリアスは気が付いた。
一方のダイモンは独自に調査を続け、ラクテンスと関係しているのは実は王だと突き止める。
ダイモンはラウムリアスに知らせようとしたが、すでに彼女は軍務大臣と共に処刑されたと聞かされる。だがルゼウスと会った事で、彼女は彼によって匿われているのだとダイモンは見抜いた。
ダイモンはルゼウスに忘却術を掛けられたラウムリアスを見つけ出し、魔法を解除した。どこまでも自分のために動いてくれるダイモンを見て、ラウムリアスはついに彼を信じ切ると決意した。
そんなラウムリアスに対し、ダイモンは贖罪のためではなく相棒として事件の顛末を見届けようと決めた。
ラウムリアスたちは城へ戻り、王を問い詰める。そして彼を罠に嵌め、民たちの前で自らの行いを白状させる事に成功した。
王の失脚が確実になったのと同時に、二人の前にルゼウスが現れる。
ルゼウスは前世の事を話す。彼はラウムリアスを裏切っていたのではなかった。ただ、謂れのない罪を着せられたラウムリアスを救おうと努力したものの、それが裏目に出て、結果として彼女を追い詰める事になってしまったのだ。その事で、彼は自分が途方もない罪を犯したと感じていた。
罪悪感を抱えて転生した彼は、現代にもラクテンスがいるのを知り、ラウムリアスも生まれ変わったのかもしれないと判断した。これは贖罪の機会だとルゼウスは感じる。だが、彼はやがてラクテンスに纏わる真実を知ってしまった。
その後、王の腹心を装う事で処刑を免れたルゼウスは、ラウムリアスの転生体と出会った。彼女が誰なのかすぐに分かったルゼウスは、今度こそラウムリアスを守ろうと決心した。しかし、現世でも何もできなかったと彼は後悔していた。
話を聞いたラウムリアスは自分の勘違いに気が付き、彼を許す。それを受け、二人のわだかまりは解消された。
事件解決後、操られていたラクテンスは解き放たれた。ラウムリアス、ダイモン、そしてルゼウスは新しい生活を始め、今世では平穏かつ幸せな日々を送る事ができた。