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序章

先生のお宅から遺稿として見つかったものを翻訳していきます。今回は序章となっています。少しでも先生の研究が世に広まりますように。

まず、今回の執筆にあたって、多大なるご支援を頂いた。拙い文章を校正してくれた我が友アルフレッド。筆が進まぬ時は気分転換に誘ってくれた悪友ヘルベルト。何より、いつでも私を支えてくれた愛すべき妻リーシャ。彼彼女たちにこの本を捧ぐ。






私の専門分野は神学研究である。それに関しては拙書「今日の神学にとってのニーチェ」をお読みいただきたい。

さて、今回はエルフ研究についてである。一般的にも知られている通り、エルフと神学というのは非常に密接な関係にある。

そもそもエルフとはなにか。今回はここから始めていきたい。




エルフとはなんなのか。一般的には様々な特徴をもって「エルフ」と判断されるが、実態はかなり曖昧であるといってよい。我々研究者では主に「エルフ基本三特質」を持って判断する場合が多い。

エルフ基本三特質とは、「長寿命・緩老化性」「耳朶形質特異性」「環境調和性」の三つである。順に説明していこう。


まず長寿命・緩老化性とは、寿命が人間に比して長いこと、そして老化速度も人間に比して遅いことを指す。勿論、エルフの種族や生息地、あるいは個体差にもより、これに該当しないからといって一概にエルフでないと断定することは不可能である[参考資料1]。


次に耳朶形質特異性について。これは耳朶(即ち耳)の形が何らかの特徴をもっているということである。一般的には耳が尖っていることを指す。但し、これも種族や個体差があり、必ずしもエルフであるから持ちえる特質とは言い切れない[参考資料1]。


最後は環境調和性。エルフは自然環境豊かな場所に生息する率が極めて高い。因果関係の発端を解明することは現時点では成功していないが、自然を敬愛し、何らかの特殊能力などで自然と繋がる力を持つ場合が多い。これもエルフ研究で欠かせない特質である。勿論この特質も全エルフに該当する訳ではない[参考資料2]。


以上に示したエルフ基本三特質が、エルフ研究を進めるうえでの基本事項だ。但し、例外事例も多い。これはエルフという種族が種の多様性に富んでいること、長い歴史の中で様々な種と混じりあってきたというこを示唆している。


他にもエルフ研究で欠かせない点として、排他的な態度を取られる場合が多いということである。これは実際に実地調査などに赴く際の注意点である。一昔前に比べれば友好的な種族も増え、所謂ハーフエルフの人口も増加傾向にある[参考資料3]。しかし、我々が研究の対象とするような奥地に棲むエルフや、混血を嫌う種族もまだかなりの数が存在している。これらの地域へ赴く際には細心の注意が必要である。


次章からはエルフ文化の実像に迫っていく。












参考文献

1.イーゼルベルク著 エルフ族の寿命比較

2.カレント著 特異なエルフ族の実例

3.ヒサシ ナカジマ著 耳長族の人口推移と展望

次章からは、エルフ文化の実像に迫っていく内容となっています。ドイツ語は難しいので、お時間を頂く可能性が高いです。平にご容赦ください。

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