第33話 三国共有島②
いつもお読み頂きましてありがとうございます!感謝の気持ちを込めて、5月の連休は毎日1話ずつ更新を予定しております(^-^)/どうぞ、よろしくお願いしますm(__)m
モリー船長の爆弾発言から一夜明けーーーー
ゴウと2人頭を抱えて込んでいた。
「こんな大事になるなんてなぁ~・・・。」
「結局船長とカイトさん、ナイトさんが付いてくることになったね・・・。」
「補助船に5人も乗れるもんなのか?」
「まぁ、いざって時に使う船だから大丈夫と思うけど。」
さんざん揉めてライトは残ることになり、船長にはカイトとライトが護衛に付くになった。しかも明日行くことになり、今日はそのための買い出しに誘われている。昼休みに船長、ナイト、ゴウと私で行く予定。
朝の仕事前にゴウと話し合って、無人島に着いたらゴウと私、船長はナイトとカイトで行動してもらおうって決めた。別々で行動をするのを条件提示することになった。
いつも通り午前中の仕事を終え、待ち合わせの市場へ向かった。
「こっちだー!」モリー船長が手を挙げて呼んでいる。
「先に飯にしよう。」
「あれ?ナイトさんは?」
「ちょっと用事頼んでるから後から来る。ゴウ、メイ。おすすめの店に連れていってやる!」
モリー船長の後について行くと市場を抜けて、ちょっと高級そうな店の前に着いた。
「ここだ。入るぞ。」
ゴウと顔を合わせ、”こんな高そうな所いいの?”とお互いに思っているのがわかった。
「いっらしゃいませ。おや、モリー様。お久しぶりでございます。こちらへどうぞ。」
「うん。よろしく頼む。」
品のいい年配の給仕に案内され、半個室の席に座った。
ゴウが耳打ちしてきた。「俺、こんなキレイな所で飯食ったことねぇよ。だ、大丈夫かな?」
「僕もだよ。でも美味しいものが食べられそうだし。ちょっと楽しみじゃない?」
小声で話していると
「安心しろ!お前らでもちゃんと緊張せずに食べられるのを選んでおいたからな。遠慮せずにガンガン食べな。」
女性の給仕がコップに水を入れてくれて、ピッチャーを置いてくれた。お手拭とナプキンが渡され、フィンガーボールも持ってきた。
「俺と同じようにしてみな。」
モリー船長が布ナプキンを首にかけ、お手拭で手を拭いた。
ゴウが緊張して、フィンガーボールの水を飲みかけた。
「あ、それは!」咄嗟に制止し、コップを渡した。
ゴウは水を一気に飲み干し、少し落ち着いたようだった。
「メイ。よく飲むもんじゃないって知ってたな。」
モリー船長がじっとみて聞いてきた。
「あ、あの。母さんに教えてもらったことがあって。昔宿屋にある酒場とかで仕事していたらしくて、色々な人に話を聞いた時の知識を僕に教えてくれてたんです。コップがちゃんとあるし、もしかしたらこっちは飲むものじゃないのかなぁって。」
ヤバッ!こんなテーブルマナーというか知識を庶民の子供が知ってるとか怪しまれた?!
「そうなのか!お前賢いなぁ。俺も昔は間違えて飲んでしまったことがあったからな!これは、手を洗うものだ。これから出てくる料理は手掴みで食べていいぞ。手が汚れるから、洗ったり、拭いたりするんだよ。」
なるほど。手掴みで箸とか使わずに食べるレストランとかあったなぁ。行ったことはないけど。
「お待たせいたしました。」
「「うわぁー!!」」
大きな器に茹でたてのロブスターやカニそっくりの海の幸が山盛り、”海鮮類のオンパレードや~”って有名食レポの声が聞こえてきそうなぐらい豪華な食事がわんさかと出てきた。
香草が入っているのかスパイシーな匂いが堪らなく食欲をそそり、”待て”を言い渡されている飼い犬状態。
「ハハハ!喜んでもらえてよかった!さぁ、食べよう。」
「「いただきまーす!!」」
「熱っっ」「あつあつ!」
「落ち着いて食べろ。火傷するなよ!」
手掴みで我先にと、無我夢中で目の前にある貝やロブスター、イカもどき等々にかぶりついた。
「うまいなぁ!」
「うん!最高に美味しい!」
「ここのは美味しいだろ?見た目は気取った店に見えるが、それだけじゃない。俺も先代に連れてきてもらってからは常連になったんだよ。」
「先代っていうと・・・。船長のお父さんですか?」
「あぁ。俺の所は代々船乗りでな。もとは漁師で地元の魚を捕るだけの小規模なものだったらしい。俺のひいじいさんの代から船にのって遠洋漁業に出るようになってじいさんのときにはけっこう大きな船団になったんだ。父さんの代でもけっこう景気は良かったんだが・・・。」
「急に先代が亡くなったもんだから、なかなか立て直しがきかなくてな。俺が引き継いだ時に残ってくれたのが、あの兄弟達なんだよ。」
「船長はその・・・。今何歳なんですか?」
「俺?20歳だけど。」
「えー!じゃあいくつで船長になったんですか?!」ゴウもようやく話に入ってきた。
「そうだな。2年前だから、18の時だな。」
苦労してんねんなぁ。お?としたらナイトも20歳か。カイト、ライトは何歳なんやろ?
「あの・・・ちなみにカイトさんとライトさんっていくつなんですか?」
「え~~と・・・。あいつら5歳ずつ違うらしいから・・・ナイトが20で、ライトが25だろ?カイトは・・・30だな。」
意外と若いな!
「はいはい!じゃあ、カイトさんやライトさんは彼女いないんですか!」ゴウが攻めの質問をする。
「俺が知る限りじゃあカイトはちょこちょこ女いるっぽいけどな。ライトはなぁ。いい奴だけど、女ウケより男ウケのがいいな!」
それ、どういう意味?!そっち系のお兄さんに?それとも心がお姉さんの人にモテるって事?!いやいや、単に女っ気がなくて男連中とだけつるんでるって線もあるな。
「ナイトさんはどうなんですか!人族では男前な方だと思うんでモテるんじゃないですか?」
ちょっ、ちょっとゴウさん!グイグイいきすぎではー?!
「あ~、ナイトはなぁ。顔はイイらしいけどさ、女が寄ってきても仕事仕事でな。俺が行って来い!って勧めてもなかなか奥手なのか・・・。女と2人で会ってるところを見た事がないな!」
いや、たぶん船長オンリーなんですよ!モリー船長そういう恋愛とかには疎そうやもんなぁ。
これ以上ゴウが暴走してプライベートな質問をする前に本題を話さないと。
「あの、モリー船長。無人島に上陸してからの事なんですけど・・・。ゴウと僕で自由行動させてもらえませんか?」
「ん?2人だけでか?大丈夫なのか?」
「はい。まぁ、危ないかもしれませんが、正直ナイトさんがいたらケンカになったりで楽しめない気がして。モリー船長と行動するのは構わないんですけど、たぶんそれはできないだろうし・・・。だから、カイトさんとナイトさん、船長で行動して下さい。僕らも約束の時間までには戻ってきますので。」
「昔、メイとその家族に俺と妹が旅の途中で助けてもらったことがあるんです。で、俺達ももうすぐ大人になるからその前に、また旅したいなって。それで今回無人島に行く計画を立てたんですけど。」
「そうだったのか。お前らも幼馴染なんだな。よし!2人で行動して思い出を作ってこい。海の男にはいつでも危険はつきものだ。それが陸でも同じ事だしな。過保護にするだけじゃ子供は大きくならないしな!」
「「ありがとうございます!!」」
その後店を出て、ナイトとも合流。買い物を済ませて、宿屋に戻った。カイトやナイトにはモリー船長が説明をして、説得してくれると約束してくれた。