表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/151

第21話 家族旅行①

「よーし。出発するぞ?忘れ物ないなー?」

『「「「はーい!」」」』


「楽しみねー。」「「外みる!!」」

荷台のツインズがはしゃいで、マリーは落ち着かせるのが大変だった。


私とガイルは、交代で馬の運転をするため前に座っていた。

ネイマは、マリーと一緒にツインズのお世話担当。


「ネー、おさかなみえる?」「ひと、いっぱい?」

『お魚も人もいっぱい見れるよー。美味しい食べ物もあるし、楽しみだねー♪』


ツインズは目をキラキラさせて

「「うん!!」」と返事をした。


ジフ山脈の麓やジフ村までは行ったことはあるけど、そこから先は、ツインズにとって未知の世界。


ガイルやマリー、ネイマや私が話をする度に“いってみたい!”と口を揃えていた。


今日は、【ジフ村】で一泊して、翌日【カタ】の街で泊まってから、【ノグ】に行く予定。帰りはこの逆やけど私とネイマは【カタ】で皆と別れてそのまま船に乗ることになってるけど・・・。

結局ツインズ達には何も伝えてないから、別れるときに“お仕事に行く”って説明をする事になっている。


ガイルが毎日仕事に行ってるから、そういう風に伝えたら理解しやすいのではないかとマリー達も了承してくれた。


今回は一週間休暇をもらえたので、マリーの診察のために【ノグ】には二日間滞在するつもりだそうだ。

麓に着き、一旦ジルやオリヴィアに引き継ぎをして、代理の兵士へ伝えてもらう事になった。


「リカによろしくな!」「家族旅行楽しんで来て下さいね~!」

2人に見送られながらジフ村へ向かった。



ーーーーーーーーーーーーーーー


「「トロじー!!」」

ツインズが駆けより、トロ爺の足にしがみつく。


「よう来たなぁ。ゆっくりしていきなさい。」

「いらっしゃい。マリー久しぶりねー。今日くらいはゆっくりしていって。」


トロ爺とタイナが出迎えてくれた。

お昼だったので、食事も用意してくれている。


「世話になる!」ガイルがトロ爺に言うと、

「おお。ガイルもしっかりと日頃の疲れを癒していきなさい。」と娘婿のルカを呼んでくれて、馬の世話をするように伝えてくれた。


『何のご飯かなー?』「おやつも楽しみだよねー。」

皆で宿泊用の民間へ行き、食事を済ませた。



ガイルはツインズにせがまれて外へ行き、マリーはタイナと娘のマレナとで食後のティータイム。

私はマルコとルーベンに秘密基地へとご招待を受け、付き合うことになった。


ネイマは聖霊体でのんびりしたいらしく、どこかへフワッと飛んでいった。


秘密基地までは少し歩くため色々話をした。


マルコとルーベンは年子で、この辺には子供が少ないからいつも一緒にいるので自然と好みも似てるらしい。

将来はルーベンが宿屋を継いで、マルコは外に出ていきたいそうや。


聞いてないけど、リカのことはお互いが成人したら決着をつける(告白する)約束をしていると教えてくれた。

あとミトラスの事を色々聞かれたけど、見たままやし、詳しくはわからないと伝えておいた。


「もうすぐだぜ!」「ここは秘密だからね!」

山道を外れて、草木が生い茂る中進むと少し開けた場所に出た。


大きい岩場があり、洞窟のような穴を形成していて大人も屈めば入れる入口があった。

奥に進むと光が差し込み、昼間なら明かりはなくても道がわかる。

そこを抜けると広い場所に出た。


「こんな所があったんだねー。」

「いいだろ?」「すごいでしょ?!」


マルコとルーベンは自慢げに言うと、「「魔法みせて!」」と同時に私を見た。


「うん。約束だもんね。」

空も青いし、山の中は空気がいいなぁ。


「危ないのはダメだからね。じゃあ飛ぶよー!“ 浮遊(フロス)”」


身体を周りの木の高さまで浮かせてみた。

「「おおー!すげー!!」」


「2人もせっかくだからね。怖がらなくていいよ。いくよー?“浮遊(フロス)”」


同じ高さまでフワッと飛ぶと「「うわっっ!」」と叫んだが、

「すげー!浮いてる!」「と、飛んだ!僕空を飛んでるよー!」と大興奮。


「もう少し高く浮いて、街を見てみようか。」


眼下に広がる山や木々、自分の家やドンの景色を初めて空の上から見て、2人は言葉が出ないようだった。


5分程してマルコが「・・・これって、このまま動けるのか?」と聞くので

「僕が一緒だから大丈夫だよ。」と答えた。


「僕、空の上を散歩したい!」ルーベンもようやく声を出した。

「じゃあ行こうか。あ、でも他の人が見えたら下に降りるよ?」


「「分かった!」」

と2人はふわふわと慣れない空中散歩を楽しんだ。


宿屋の近くで、下に降りて歩いて帰宅。


「おーい!手伝ってくれー。」とルカが手を振っていた。

近付くとバーベキューのコンロが用意されていた。


「あれから、2人に頼まれて“ばーべきゅーのこんろ?”ってやつを造ったんだよ。こんな感じか?」

それからコンロを仕上げた。ルカは手先が器用でめっちゃ立派な焼き場が完成。


食材はタイナ達が準備してくれているので、椅子や机を並べて酒や飲み物を運んだ。

「あとは腹の虫が鳴いたら“ばーべきゅー”開始だ。」


皆が集まって来るのを待ち、暗くなってくるので松明も出してきてくれた。


「俺達もやっと“ばーべきゅー”食べられるな!」ガイルが早々と酒を飲みはじめると

「みんなでできるね!」「パパのやいてあげるね!」ツインズが嬉しいことを言うので、ガイルは思わず抱きしめた。


「パパくるしー!」「おさけやー!」

「悪い、悪い!よし。ルーとリマはパパとママの分頼むぞ!」


「「はーい!」」

マリーも今日はお客さんなので、ガイルと乾杯して料理が運ばれるのを待っていた。


「父さんと母さんはゆっくりしててね!僕らがツインズみておくから。」

『たまにはねー!親孝行しなきゃね。』


いつの間にかネイマも戻り、念願の家族揃ってバーベキューを楽しんだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ