表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/151

第18話  路銀

バイト探しは♪

そろそろ旅の資金を調達しないとあかんな。


自分を鍛えたり、知識を身につけるのに必死やったけど、お金がないとやっぱり厳しい!


ガイルに相談するか、アーロンか・・・それが問題だ。


「ネイマ~。冒険者業でやっていくけど、お金が全く手元にないのは心許ないよね?」

『僕は困らないけど。メイだって狩りできるし、野宿さえ我慢できれば何とかなると思うけどねー。』


野宿は嫌やわ。

そりゃ仕方ないときもあるけどね、危ないよ?


「やっぱり、バイト探さないと!」

『あるかな?アーロンとかに紹介してもらう?』


「短期間で高収入といえば、日本では現場仕事の肉体労働!!」

『メイ、体力自信あるの?』


「まぁ、そこそこ平均並みの14歳男子ですから。大丈夫と思うよ?」

『僕も手伝うね!!』

「頼りにしてます!」


ガイルには帰ってきたら相談するとして、とりあえずジンクス家に行ってみようかな。


転移(マイグレート)


―――――――――――――――


「こんにちはー!いますか?」

扉をノックして入ると、カウンターには誰も居なかった。


『薬草庭園かな?』

「お邪魔しまーす!」


店から自宅への通路を歩きながら、もう一度呼び掛けた。「こんにちはー!メイです!!」


「お?坊主どうしたんだ?」

書斎からアーロンが出てきて、リビングへ案内された。


「おじさん、ちょっと相談があるんだけど。」

「何だ?」


「父さんには、今日帰ってきたら同じ事相談するつもりだけどね。僕、旅の資金を稼ぎたいんだ。」

「うん。そうだなぁ、冒険者ギルドに登録するにも金はかかるからな。」


「それに、いつも野宿や狩りするって訳にもいかないし。今、本当に手元にあるのは駄賃程度だから・・・。」

「どんなのを希望してるんだ?」


「僕の年でも雇ってくれて、短期間で高収入がいいかな。」

「そうだなぁ・・・。坊主の年齢だとなかなかツテがないと難しいな。」


「そこはアーロンおじさんのお力をどうかお貸しください!!」

『“お願いします!”』ネイマもノートに書いて頼んだ。


「ははは!そこまで言われちゃあ、仕方ないな!とりあえずガイルにも話しておいてくれ。いくつか当たってやるよ。」

『「やったー!ありがとうございます♪」』


ネイマとハイタッチ!


「ところでいくらくらいを目標額にしてるんだ?」

「ん~。金貨3枚くらい?正直、どれくらいがいいのかわからないんだけど。」


「そうだなぁ。ネイマと二人だろ?宿代はネイマは要らないから・・・金貨10枚目指して頑張ってみたらどうだ?」

「今から金貨10枚?!」『大変そうだね!』


「半年あれば稼げるさ。その気になればな?」

「うーん。・・・頑張ってみるよ!」


「よし!その意気だ!」

『僕も頑張るー!』


アーロンと別れて、家に戻った。


「「ネー!兄ちゃおかえりー。」」

「ただいまー。母さんは?」


「ママ、畑だよ。」「ちがうよー、お手洗い。」

『ちょっと見てくるよー。』


「二人とも昼ごはん作るの手伝ってくれる?」

「「はーい!」」


『“大変だよ!!ママ倒れてる!納屋の前に来て!”』

ネイマが慌てて念話で伝えてきた。


「二人とも火使わないでね?ここで待ってて!」

「「うん。」」


急いで駆けつけた。

息はしてるし、脈もある。顔色が悪い。外傷は・・・ないな。

「母さん!聞こえる?母さん!」


肩を叩いて反応をみた。

「ん・・・うん・・・。」


「母さん!目を開けて?」

「あ・・・メイ?」


一瞬目が合って、すぐ閉じたけど話はできそう。

「どうしたの?」

「ちょっと気分が悪くなって座り込んだのよ。・・・少し休めば大丈夫よ・・・。」


浮遊(フロス)

ゆっくりと寝室に運んだ。


途中ツインズに見つかり騒がれたけど、ネイマが相手をしてくてたのでマリーを静かに休ませることができた。


脈は落ち着いてるし、呼吸も正常。

顔色もさっきよりは良くなってきてる。


飲みものを取りに台所へ行くと、リビングで食事に手をつけず、しょんぼりしているツインズがいた。


「ルー、リマ。ご飯食べな?」

「ママ、おねつ?」「ママ、くるのまつの。」


「母さん良くなってるよ。目が覚めたら食べれるものを作るつもりだけど、二人がご飯食べてないならお手伝いしてもらえないなぁ。」

「「たべるー!!」」


「急がなくていいよ。兄ちゃんも昼ご飯食べるから。」

『じゃあ僕がママ見てるね。』

「よろしく。」


薬草スープ煮でも作って、無理させないように夕食も作らないとなぁ。


ツインズも一人前に、マリーの事気遣えるようになったんやね。大きくなったわー。


私はもしかしたら病気でなくて、妊娠かと考えていた。

唯でさえ、布袋尊さまの恩恵受けてるからなぁー。


あ!!忘れてたけど、鑑定っぽいことできるやん。

ネイマに触れてもらって、ステータスブックみたらええんちゃうん?!


自分で鑑定できるわけじゃないからすっかり忘れてたわ。


寝室に行きネイマに伝えて、マリーに触れてもらった。

『“(ベントゥス)”』


「ステータスみるよ・・・」


マリーは、っと。

あ、良かった・・・。軽い貧血状態ってなってる。


「貧血だって。たぶん大丈夫だと思う。」

『良かったー!』


貧血も何が原因かが重要やけど、私のステータスブックではそこまで詳しくわからんし。

状態は表示されるけど、はっきりと病名とかまではわからんのよね。


「ん・・・。水・・・。」

マリーが気が付いた。


身体を支えてお越し、水を飲ませた。

「はぁー。ありがとう。」


そのまま横になり、眠ってしまった。

そっと寝室を出て、リビングへ戻ると食事を済ませたツインズがヤル気満々で待っていた。


本当はお昼寝の時間やけど、寝ないよな。


「じゃあ母さんのために作ろうか!」

「「はーい!」」


ーーーーーーーーーーーーーーー


夕方、ツインズは眠ってしまい、マリーは起きて軽く食べた。

さっそく家事をしようとするマリーを説得して、今日はもう寝室で休んでてもらった。


ガイルが帰ってきたので、夕食を食べながら今日のことを話した。


マリーの様子を見に行き、再びリビングに戻ってきて、私のバイトの事について話し合った。


「俺も麓の人とかに何か仕事がないか聞いてやるよ。」

「ありがとう、父さん。頑張って金貨10枚貯めるんだ。」


「金貨10枚かー。かなり働かないと難しいぞ?」

「だよね。ネイマも協力してくれるから心強いけどね。」


「俺も初めて給料もらったときは嬉かったなぁ。アーロンと飲みに行ったよ!」

「へー。アーロンおじさんと昔から仲良いんだね。」


「言ってなかったか?アーロンは幼なじみだ。」

「そうなんだ!それで?それで?」


その日はガイルとアーロンの昔話と、ちょっとだけマリーとの馴初めを聞くことができ、夜が更けていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ