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第16話 勇気をだして

もうすぐバレンタインデーなもんで、恋愛ネタをいれてみました。

オリヴィアは、昨日の事を思い出していた。

かなり酔っていたジルに思いきって好意があることを伝えた事だ。


ガイルが先に酔い潰れてマリーが付き添い寝室に戻り、カノンとアーロンもとりあえず一旦家に戻ってくると居なくなった。


深夜、二人きり。

かろうじてジルはウトウトしながらも夢うつつで、酒を飲んでいる。


「ジ、ジルさん。私の事どう思ってますか?」

ジルが酒を持つ手を握り、聞いてみた。 


「ん?んぁー。そうだなぁ、お前さんはよくやってくれてるよ!」

「そ、そうじゃなくて!私、ジルさんの事・・・好きです。」


一瞬時間の流れが止まったような感覚になり、ジルの腕を更に力強く握りしめた。

「ありがとな。リヴィと一緒に仕事できることには感謝してるよ。」


「お前さんはこの地に長く居すぎたなぁ。こんなおっさんしかいないところにもう5年だ。キツイ任務なのに文句も言わずよくやってくれてるよ。」


「そんなことないです・・・。ジルさんが居たから私・・・。」

「だからこの辺で首都に戻っていい奴・・・。」


その先を言わせないように、唇を塞いだ。

さすがにジルも驚いて何も言えなくなった。


「ジルさん!これはただの宣戦布告です。私だって【ドン】を守って、ジルさんが一緒に居ないと困るって泣いて頼むくらいの相棒になりますから!」

「・・・もうなってるよ。」


「違います。公私ともにって意味です!」

オリヴィアは顔を真っ赤にして、興奮気味に言った。

「なに急にやる気になってんだ。どうかしたのか?」


「どうもしません!出会ってからずっと好きだったから。ただ、今日勇気を出しただけです!」


“ぷっ”、と何故かオリヴィアの意気込んでいる姿を見て笑ってしまった。不覚にも可愛く見えたのだ。


「あー!!笑わないで下さいよー!本気ですから!お酒の勢いとかじゃないですよ!私がお酒強いの知ってるでしょ?!」

「分かった、分かった。気持ちは受け取っておくよ。でも今はそんな気はないからな!」


「ハイ♪覚悟しててください。私、今日から頑張りますからっ!」

オリヴィアは笑顔で言い放ち、ジルのコップを自分の口元に持っていきグィーッと残りの酒を飲み干した。


「全くこれだからザルは・・・。」

「何か言いましたぁ?!さ、ジルさんも飲みましょぉ~。」


それからはあまり記憶がない。

先に潰れたジルを見届けて、勢いで告白したことに今さらながら恥ずかしくなり、ガンガン残りのお酒を一人で飲んでいたように思うが・・・。


多分ここはジンクス家の一室で、きっとカノンさんには迷惑かけたんだろうなぁと猛烈に反省した。


机に水が置いてあり、一口飲んだ。

“ふぁー!美味しい。”


正直、ジルと顔を合わせずに済んでホッとした。


でも気持ちを伝えた事に後悔はしていない。

やっと一人の女性として、ジルに意識してもらえる機会を得たのだから!


“20歳の年の差なんて、私は気にしないわ。”


オリヴィア30歳、ジル50歳。

5年前なら周りにも反対されたかもしれないが、自分も年を重ねたからちょうどいいと思った。


「あとはジルさんを振り向かせるだけね!」


“腹が減っては戦はできぬ。”と思い、さっきから漂う美味しそうな香りのする方へ向かうことにした。

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