第11話 子供だけでバーベキュー!①
バーベキューやりたい。
“春過”は、気候としては暖かいが海の水はまだ冷たい季節。
チビ達が海に入ったり、落ちたりしないように気をつけておかないとあかんな。
ストラ海岸の小屋に来ている。
先に火を起こしたり、ある程度準備したり下見したり。
昨日は夕食後すぐに風呂に入り、そのまま寝た。
早々に就寝したおかげで、かなりスッキリ目覚めた。
朝一番に起きたつもりやったけど、さすがはマリー。
私より先に起きて朝食を食べさてくれて、間食にと色々持たせてくれた。
「夜の準備は私に任せて。」とマリーが言ってくれたので、バーベキューで手一杯の私は、そっちを全てお願いすることにした。
例のサプライズやけど、私の方がちょっと驚かされた。
でもまぁ、ハプニングがあると面白いし、人手はあった方が助かるからいっか!
そろそろ、サプライズの本人達来るはずやねんけど・・・。
小屋の外から大きな声が聴こえた。
“来たな。”『来たねー。』
着いてさっそくやけど、2人にやっといて欲しいことを頼んで私は家に戻った。
一度ロダティーを飲んで休憩。
迎えに行く順番やけど距離遠いし、マルコとルーベン→リカ→ツインズかな。
「「兄ちゃー!行く?!」」
「まだだよー。めっちゃ早起きだね。」
「いい子にしてたから!」「兄ちゃもネーも元気!!」
「まずは朝ごはん食べて、持っていくもの準備してて?順番に連れていくから兄ちゃんも休まないと疲れちゃうからね。」
「わかった!」「ライくる?」
「ミリュと来るよ。楽しみだねー。」
「「うん!!」」
いつもはのんびりしてるのに、さすがのツインズも今日は行動が早い。
「メイ、2人をお願いね?ネイマ、守ってあげてね。」
「お前らもケガするなよ!」
ガイルとマリーも忙しそうに動いている。
『「大丈夫!僕らがツインズを絶対守るから。」』
マリーは畑へ、ガイルも仕事に出掛けて行った。
そろそろ迎えに行こうかな。
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ミリューイは昨日から楽しみであまり眠れなかった。
カノンがルナの実を煎じたお茶を飲ませてくれて、ようやく寝付いた。
「あー!!もう朝になってるんじゃない?!」
慌てて身支度し、リビングへ向かった。
「起こしてよー!もうママったら!」
「ミリュ、慌てなくていいのよ。あなた昨日遅くまで起きてたから、ちょうどいいわよ。」
「おはよう、お姉ちゃん。今日はよろしくおねがいします。」
「おはよう!そ、そうね。ライの面倒みるのは私だからね!落ち着いて行動しないとね。」
「ふふ、さすがお姉ちゃんね。」
ライールを見て、ようやく高ぶった気持ちが落ち着いた。
自分の事より、弟優先で今日は行動しないといけない。
「ママ。持っていくもの用意してくれた?」
「はいはい。大丈夫よ!あとライには回復キャンディとか持たせてるから、魔法使い組には必ず渡して定期的に食べるように伝えてね。」
「ありがとう!了解よ。魔力不足にならないように気をつけておくわ。」
「メイ兄さんやネイマさんにもちゃんと渡しておくから大丈夫だよ。」
「2人とも気をつけてね。」
「「はい!」」
食事が済むとライを連れて、ストラ海岸へ転移魔法で向かった。
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「おーい!ミリュ!ライ!こっちー。」
久しぶりのストラ海岸だったが、転移の位置が正確でミリューイはホッとしていた。
「久しぶりね!メイ。」
「おはようございます。メイ兄さん、ネイマさん。」
『「おはよう!今日は来てくれてありがとう。」』
「あ、これ母さんからです。」
大量の回復キャンディが出てきた。とりあえず、人数分にわけてさっそく1個食べた。
「あら?魔法使えるのって、私達だけじゃないの?」
「実は特別に招待した友達がいるんだよ。」
「へえー。楽しみね!」
「知らない人ですか?」
「多分ミリュには一度紹介したことあるから、知ってると思うけど。」
「さ!行きましょっ。」
小屋に向かいながら、ミリューイにはリカを迎えに行って欲しいと伝えた。
あとマルコとルーベンは到着してるから、ライには小屋で作業を手伝うようにお願いした。
「麓の家よね?ジフ村の方の。」
「そうだよ。ツインズでもいいけど、距離的にはうちの方が近いかぁ。」
「どっちでもいいわよ!私もチビちゃんなら2人連れて行けるわ。大人2人は少しキツイかもしれないけど。」
そう言うと、ミリューイも回復キャンディを食べた。ちゃんと魔力不足にならないように気をつけてるんやなぁと感心した。
「じゃあ、やっぱりツインズの方を頼もうかな。リカとはあんまり面識ないだろうし。」
「わかったわ。ライ、お姉ちゃん居ないけど大丈夫?」
不安そうやったライールも、やっぱり男の子やから
「大丈夫だよ!マルコとルーベンは知ってるし、“ばーべきゅ”のためにお手伝いもできる。」
姉の前なので、頑張りました。
「すっごーい!ライはやっぱりカッコイイわね!頭もいいし、最高の弟よー♪」
姉バカ炸裂。
「すぐ戻るから、心配ないよ。ネイマには残ってもらうからね。」
「ネイマさんありがとう!」
『まっかせてよ!』
ネイマの気配をしっかり感じたのか、ライールから不安な表情は消えていた。
小屋で簡単に自己紹介を済ませて、私とミリューイは残りのメンバーを迎えに行った。