第2章②そりゃとりあえず、やってみた。
まずは鍛えなきゃ旅はできません。
パロット夫妻と暮らして5日目。
なぜ、見ず知らずの私にこんなに良くしてくれるのかが分かった。
3年程前に、魔獣に襲われて、子供を亡くしているようだった。
っつーか、魔獣おるねんな・・・やっぱり・・・
マリーの憔悴はひどく、環境を変えるためにこの辺境の地【ドン】に移り住むことにしたらしい。
住人の数も少なく、お隣同士も離れているため子供を見かけることも少ないようだ。
ガイルが最初に考え込んでいたのは、
私=僕を見て、マリーが動揺するか心配していたのかもしれないなぁ
そんな事を、真っ青な雲ひとつない空を見上げながら考えていた。
「おい。」
「ぎゃっっ!!」
びっくりして、仰け反ってしまった。
ガイルが、大笑いしている。
「なんですかぁ~~もう。」
少し膨れっ面をすると、ガイルが逞しい腕を差し出して“悪い、悪い”と起こしてくれた。
「メイは、剣を扱えるのか?」
そう。
この世界【レイグラム・ドランダス】は、
剣と魔法の世界。
だけど、人間が魔法などを使えるのはかなり希少らしい。
ま、まぁね。
私も試してみましたよ?
魔法ですからねぇ「ファイヤーー」的な感じでね。
全然できひんかったけどー(///∇///)
だから、人間は剣を武器に戦うのが基本。
もし、いつかここの地を出て旅するにしても、
ある程度自衛できることが必須なのです。
「全然できません・・」
ちょっと涙目で答えると、
ガイルはまた笑って
「よし。
俺が基本を教えてやろう!」
と何やら張りきりモードで返事をしたので、
私は嬉しいやら、ちょっと怖い思いがよぎったのだった。