表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/151

第2話 ミリューイの弟

更新マイペースにやってます。読んで下さってありがとうございます♪

ジンクス家にも、【布袋尊さま】の加護が発動したのかどうなのか・・・


ルイとリマローズが生まれてから1年後に『ライール・ジンクス』君が誕生した。


現在3歳。魔力はないため、一切魔法は使えないが、神童と言われている。


ハラ王国語の読み書きはもちろん、最近は共通語も話せている。

カノンの薬草に関する書物を読んだり、アーロンの帳簿をみては計算を勉強しているらしい。


ミリューイは弟のことが可愛くて仕方ないが、ライールは年の離れた姉にどう接していいかわからない様子。

普段は寮にいるミリューイが帰省のたびに構いすぎるため、愛がちょっと重いようです。


―――――――――――――――


「こんにちはー。」、「「こんちはぁ!!」」


今日はカノンに魔法を教えてもらう日。


「いらっしゃい!さぁ入ってー。」

「こんにちは。」


カノンとライールが出迎えてくれた。


週2回、ジンクス家に通って私とツインズの魔法訓練や薬草の勉強をさせてもらっている。

あ、ライールも妊娠中にネイマが干渉していたせいか、見えてはいないけど気配は感じるらしいで。


うちのツインズより流暢に話すし、勉強意欲がすごい。


先にツインズの魔法練習を見てもらうため、その間は私がライールのお相手をする。


「ライは何がしたい?」

「ぼく、“漢字”おぼえたいです!」


共通語である日本語は、基本に“カタカナ”か“ひらがな”で文章は成り立っている。


“漢字”は古代語扱いされていて、学者とか専門家が勉強するレベル。まだ、ちょっと早いんちゃうかな。


「カタカナやひらがなは、書けるようになったの?」


「はい♪」


ならいっか。

ライールは、大人しい系の我が道をいくタイプ。

頭がよくて、一人で静かに本を読んでるのが好きみたい。


ルイとリマローズがちょっかいをかけてもうまくかわして、知らぬ間にどこかにいなくなっている。

あんまり子供っぽくはないけど、ライールも弟みたいに思ってるし、何より慕ってくれているので嬉しい。


「じゃあ数字の漢字から覚えよっか?ノートと鉛筆持ってきてくれる?」


「はい。持ってきます!」


走って取りに行った。

リビングに座って待っていると、ゴミ箱にたくさんの紙クズが捨ててあった。


ちょっと、文字が見えて気になったので見てしまった。


”おねえちゃんへ、ぼくはげんきでやっています。がっこうはたのしいですか?~・・・”


ライールがミリューイに宛てた手紙のようだったようだ。

何枚もある。


「あ!何みてるんですかぁ!」

いつの間にか戻っていたライールが真っ赤になって叫んだ。


「ライ、ミリュに手紙送ってあげなよ。すごく喜ぶよ?」

くしゃくしゃになった紙を伸ばして置いた。


・・・・・


「何を書けばいいかわからないんです・・・。ぼく・・・いつも本読んだりしてるだけだし・・・。」

うつむいて黙ってしまった。


なんやぁ。可愛らしいところもあるやん♪しかし、その気遣い・・・大人っぽいなぁ。


「このままで十分!ミリュはね、ライがどんな本読んだとか、今日はお母さんと何を食べたとか、そういうのが知りたいと思うよ。」


「そうかなぁ。そんな普通のことでいいんですか?」


「うん!家族だからね。特にミリュは離れて暮らしてるから、きっとライやアーロンおじさん、カノンさんの事とか色々知りたいと思ってるよ!」


ライールはめっちゃ笑顔になって

「ありがとうございます!もう一回手紙書いてみます。」

とノートを置いて、手紙を書き始めた。


何かに集中すると周りが見えなくなるタイプやな。


真剣に手紙を書くライールともうすぐ戻ってくるツインズ、カノンのためにロダティーを淹れてあげよう。


そっと椅子から立ち上がって、ネイマと一緒に台所へ向かった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ