第1話 5年後
明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いいたします。
□■少年編■□
旅が終わったあの日から、5年後ーーーーー
私は14歳になっていた。見た目は身長が伸びたくらいで、ムキムキ系にはならなかった。・・・ほっ。
かと言って男前!な容姿ではなく、モブ。そう、良くも悪くもなくモブ顔でした。
まぁ悪目立ちしなくていいねんけどさ。
体型はソフトマッチョ。細身ではあるけど、筋トレはやってるから!
聖霊魔法や剣術はかなり上達した。これはマジで頑張った。
だって私は色々考えて、冒険者になることにしたからだ。
あの旅を終えてからそれを発表したら、15歳までは【ドン】で過ごすように言われた。
でも、ガイルとファブールの森を見回りに行ったり、アーロンの行商に連れて行ってもらったり、カノンの特別授業や、マリーからは料理とか裁縫など本当にありったけの必要な知識を教えて貰えた。
10歳になったら私設の学校にいくか、12歳で【ノグ】の学校へ行くか、ハラ王国の普通の教育からは外れたけど、十分な教養を与えてもらった。
友達だって、各地に行くことが多いからミリューイやリカ、ミトラス、あとゴウやチイも結局毎年【カタ】に来てるからその時に会ってるし。ジュールド共和国へは冒険者になってから行くって決めてるからまだ訪れたことはないけどね。
そうそう!
私の?可愛い兄弟の紹介をしないと始まらん!!
なんと、マリーが産んだ子供は双子ちゃんでした♪
現在4歳で、生意気盛りやけど、カワイイので全て許す。
男の子は『ルイ・パロット』、女の子が『リマローズ・パロット』。
二人ともお腹にいるときから、ネイマの干渉を受けていたせいか、ネイマが視えている。
私とネイマの同化の同調率が上がったこともあり、ネイマが聖霊体のときに身体を通り抜けたり、触れた対象はステータスブックにステータスが表示されるようになった。
ほぼ【鑑定】やん。チート化現在進行形です。
魔法も上位が使えるようになって、しかも無詠唱・・・。
流石にこれはネイマと私だけの秘密やけどね。
普段は、剣術しか使わないようにしてるし、魔獣に遭遇したら 装備使うくらいかな。
基本はソロで動くつもりやから、聖霊魔法を知るのは家族と身内の一部だけやし、バレる心配はない。
今の世は魔王やらドラゴンやら世が乱れる時代ではないので、のんびり世界を周る計画中!
まずは、隣国のジュールド共和国やな。
冒険者ギルドで日銭を稼ぎながら、やっていくつもり。何とかなるなる♪とネイマとゆるーく考えてます。
―――――――――――――
「「兄ちゃ!」」
タンダンの丘で、ネイマと同化し魔法の練習をしていると、ツインズがやって来た。
「二人とも母さんにちゃんと出かけるって言ってきた?」
「「うん!」」
実は二人とも、風の魔法が使える。しかも称号持ち。
剣術も私がやるのを見て練習している。ルーは魔法が得意で、リマは剣術が得意。
バランス良く教えてるけど、得意不得意はあるもんなぁ。
「「あそぼー!」」とこれは、魔法の練習のこと。
「カノンさんに言われたでしょ?大人がいるときでないとダメって。」
「「兄ちゃがいる!ネーもいる!」」
「僕が怒られるんだから。イヤだよ。」
「「おねがいします。」」うるうる上目遣い。
あー・・・いっつもこれやん。パターンやん。
『“メーイ!下位魔法ならいいんじゃない?”』
ネイマもツインズにめろめろやし。
昔の私みたいに魔力を上手くコントロールできてないので、魔力暴走したことがあったから、カノンからキツーく勝手に練習しないように言われている。
「やっぱりやめとこ?あ!家に帰ってお菓子作りする人ー?!」
「「お、おかしー?!」」
「今日は何しようかなぁ。うーん・・・」
「ぷりんー!!」
「じゃあ、かけっこ!よーい、ドン!!」
「「わーい♪」」
この“よーい、ドン”も二人が生まれてから定着させた。ハラ王国では、木の棒を上げて無言で合図するだけとか、魔法で合図したり。
かけ声がないと分かりづらいので、わが家ではこうしている。
走りながら考えた。
こうやってツインズと一緒にいるのもあと一年。
今のうちにたっぷり愛情を伝えておこうってね!冒険から帰ってきたときに忘れられないように。