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第12章①サプライズ計画-前編-

ジンクス家での強化合宿から、3ヶ月が経った。


季節は 秋居(シュウイ)(私は分かりやすいから8月と思ってるけど、季節は秋やで?)、とても過ごしやすくて木々の紅葉も始まっていい感じ。


来月の 秋過(シュウカ)の上旬には、ミリューイが久しぶりに帰省するらしい。

やっと罰則が解かれ、外出・外泊の許可が下りるとカノンが嬉しそうに話していた。


カノンはというと合宿後、週2回くらいのペースでパロット家に遊びに来て、マリーとお茶会を開いている。


それと、私の聖霊魔法の特訓に付き合ってくれていた。


ガイルとの剣術も、 装着(エンチャント)で強化した短剣で行っている。ネイマもかなり上達し、一緒に狩りに行ったり、最近は弓矢も習得中だ。


――――――――――


今日はマリーとカノンの例のお茶会の日。

「もうすぐミリュの誕生日なのよ。」

「あら。お誕生日なら祝ってあげたいわね~。」


「そうなの!で、学院に交渉して数時間だけ面会の時間取り付けたのよ♪」

「良かったわね~。」


「でね、考えたんだけど一緒に行かない?!ミリュもメイ君が来てるって知ったら驚くわよー。」

「そうね~。そろそろネイマのお墓参りにも行くつもりだったからいいかもしれないわ。ネイマやメイ君にも大きい街とか色々見せてあげたいわね~。”それに・・・”」


「じゃあ決まりね!」


そんな計画が進められているとは露知らず、風属性以外の魔法を練習中。

レベルがちょこっとあがってステータスブックの記載内容はこんな感じ。


メイ 9歳 男性 人族(異世界人)Lv.10


生命力 1000 体力 800 魔力 500 知力 2000 俊敏性 1000 器用さ 500

幸運 2000


加護:恵比寿天、弁財天、布袋尊


ユニークスキル:笑顔Lv.2 交渉Lv.2 通訳Lv.2


称号:霊体との媒体者


数値おかしない?!と非難を受けそうやけど、これは【同化】の影響と地道な努力、異世界へ選ばれし者への神さまからの恩恵ってことで!


でもほんまに【同化】が相互に与える影響は未知数で、現にネイマも風魔法の使える種類が増えた。

【異世界の知識を持つ精霊】っていう変な称号も付いてたし。

ちなみにステータスブックでは、ネイマのステータスが見れるようになっていた。


他は前と同じで、私が知っている情報だけがどんどん追記されていく。開くたびに自動更新してるみたい。


魔力値が上がった事と 魔力(エナ)の扱い方が理解できたおかげで、少ない魔力でもネイマなしで魔法を使えるようになっていた。ただし、上位魔法は無理やけどね。


例えば、 “ 火の玉(ファイヤ)”は出来るようになった。それと“ 転移(マイグレート)”、“ 感知(ディテクト)”も範囲は500m~1㎞くらい。そのときの魔力量に左右される。


――――――――――


その日の夕食は、ジンクス夫妻も一緒だった。

わざわざアーロンを転移魔法で迎えに行ったようだった。


食べ始めようとすると

「皆さんちょっと注目ー!」とカノンが嬉しそうに話す。


「明後日から【ノグ】へ旅行へ行くことになりました♪」


『「え!楽しそうー!!」』ネイマと私は同時に叫んだ。


「おいおい、急に言われても休みとれないぞ?」

「俺はまぁ、いいけど。ガイルは申請しないと無理だろ?」


「ふふふ。今日申請してきて了解をもらってきたわよ!」


「どうやってだよ?」ガイルが怪訝な顔で聞くと、

「そりゃコネと裏ワザでね♪」とカノンができる女アピールをした。


「急だったけど、さすがはカノンね~。」

「有り難いけど、警備兵の代わり見つけるの急には無理だろ?」


「そこも安心していいわよ!私の元部下に転移魔法で来るよう頼んどいたからね。」

「マシュウ君か・・・。」

「あいつまだカノンにこき使われてるのか・・・。」


「師弟の絆よ!キ・ズ・ナ!」


「はぁ、後でお礼しとくよ。」

「悪いな、アーロン。マシュウに ここ()使っていいって言っといてくれよ。」


「10日間予定してるわ。滞在は3日間くらい。1日は余裕あるから、何かあったら延ばしてもいいわよ。」

「そうだな。往復で6日間くらいは要るな。あと、マシュウとの引継ぎも1日あればいいからそれでいいと思う。マリーやメイとネイマが居るからゆっくり行こう。」


「どうせ観光も兼ねてるだろうし、俺は商売しながらお供するか。」


「じゃあ決まりね!さぁ食べましょうかー♪」


突然のサプライズにネイマと大喜びしながらご飯を食べた。


「でもお前、大丈夫か?最近少し体調良くないんだろ?」

「ええ。食欲が少し落ちてるけど、元気よ?ゆっくりの旅だし、ずっとネイマのお墓が気になっていたから行きたいわ。」


マリー調子悪いんかな?

心配そうに見ていると、ネイマも気になったのかノートに『“しんぱい”』と書いてみせていた。


「大丈夫よ~。そんな大げさにする事じやないのよ。さぁ、食べましょ?」そう言って食べ始めた。


ガイルは、ネイマのお墓のことを出されると何も言えなくなってしまった。それに今のところは少し食欲が落ちた気がするだけで、他に熱など症状はないので、様子を見ることにした。


明後日、一先ずジンクス家に集合し、馬車で首都【ノグ】に向かう事となった。


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