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第6章③まさかの展開-前編-

3話続けてUPしまっす!

「そろそろ帰るぞー。」


ガイルがメイとミリューイに近づいてきた。


「私、今謹慎中であと少しはここにいるから。メイ、また近いうちに必ず遊びに来てよね!?」


と急に顔を近付けて迫ってきた。

良く見ると、カノンさんの子どもだけあってめっちゃかわいい・・・フランス人形みたいや。


じーっと私が見ていると、ミリューイは顔を真っ赤にして


「わ、わかったの!?メイ聞いてる?約束よっ!!」と勢いよくおでこをぶつけてきた。


「「痛ーーーーー!!!」」


二人ともひっくり返って、おでこを押さえていると


「何やってんだ。」とガイルが起こしてくれた。


石頭!!めっちゃ固いやんっ

照れて恥ずかしいのはわかるけど、衝撃が強すぎて本気で痛かった・・・


「わかった。また来るね。」と一応返事はしといた。

ただ、一人ではなかなかここまで来させてもらえないやろうし、マリーやガイルにも相談しないとね。


「カノンに挨拶して帰るか。」


カノンとミリューイに見送られ、家路を急いだ。

けっこうのんびり過ごしてたから、到着する頃には真っ暗になっているだろう。

またマリーが外で待っていたら危ないしね。


「ミリュと何してたんだ?」


「魔法を教えてもらってた。でも、僕は適性がないみたい。言葉に魔力をのせるって全然わからなかったよ。」


「はは!俺もそうだったなー。ま、人間の中で魔力を持って生まれるのは稀なんだ。

そういえばネイマは、風の魔力があったかもしれないと、カノンが昔教えてくれてたな。」


「そうなの!?でもガイルもマリーも魔法は使えないんだよね?」


「まぁな。でも突然そういう子が生まれる例はあるんだ。俺が子供の時に比べたら、このハラ王国も魔力持ちの子供が増えたように感じるがな。」


【ハラ王国】は、人間=人族の国やけど、獣人やエルフ、ハーフの子はけっこう居るらしい。都市部にいけば見かけるがこの【ドン】では人口が少ないから、人間というか村人?住人と会うことも滅多にないしなぁ。


「そういえば、アーロンおじさんは居なかったね?」


「あぁ。【ノグ】に商売しに行ってるんじゃねぇか?カノンに転移魔法で送ってもらって、帰りは馬車とかで何日もかけて戻ってくるんだ。けっこう大変でな。【ジフ山脈】を越えたり、【カタ】や【トゥ】の街も通ってほとんど1か月、商売しながらだと2ヶ月とかもあるな。」


「えー!じゃあ食料品とか買えない時もあるの?」


「そうだな。でもうちにもマリーが野菜を作ってるだろ?それにいつもある程度は蓄えてある。

辺境の地ではめずらしいことじゃないんだよ。」


転移魔法とかあっても、そこまでの技術じゃないんか~

移動が大変やねんな・・・


「まぁ裏ワザ使って、カノンがアーロンの手伝いしてるみたいだし、心配しなくても大丈夫だ!」


裏ワザが気になるけど、聞いても教えてくれへんやろうし

「そっかー。帰ってきたら話聞かせてもらおっと!」

とそのあとも、休憩しつつ、ミリューイと剣術の練習したことなどを話しながら歩き続けた。



―――――――――――


「「ただいまー。」」


玄関先でマリーを見つけて、駆け足で近づいた。


「おかえりなさい~。どうだった?大丈夫だった?」


「うん!カノンさんのお墨付きで完治したって。ミリュとも剣術の練習した。」


「もう~さっそく動き回っていたのね?さぁさぁお腹空いたでしょ?

ご飯にしましょう。」


テーブルにはガッツリ系の食事が並べられおり、一気に食欲が増した。


「いただきまーす♪」さっそく食べ始めると

「先に食べててくれ。」とガイルがマリーを奥の部屋(二人の寝室)に連れて行った。


お腹が満たされるまで夢中で食べていたので、二人がテーブルに戻ってきていたが、どれくらい経ったのかわからなかった。


ガイルとマリーも食べ始め、食後に温かいお茶を飲んでいると

「メイ、ちょっといいか?」といつになく真剣な顔のガイル。



「マリーとも相談したんだが、このままうちの子にならないか?」



えー!マジ??

ちょっとお茶をこぼしてしまった。



「メイ君がね、もし記憶を取り戻して本当のお父さんやお母さんがいたことがわかったら、その時はメイ君の思うようにしたらいいの。でも、今はうちの子でいてくれたら私もガイルも本当に嬉しいのよ。」


「お前も不安なんだろ?記憶がはっきりしないし、妙に大人ぶったところもあるから早くここを出て行かないといけないとか思ってないか?」


・・・・・・

言葉に詰まった。


「遠慮しなくていいんだ。メイが居てくれたから、俺たちも変わっていく決意ができたんだ。」


「ネイマのことね・・・本当に辛くて、忘れたいけど忘れたくなくて・・・あの子にもっと何かしてあげられたんじゃないかとずっと考えていて・・・私もあの時一緒に行けばよかったとか、自分を責めたり、悪い方にしか考えられなくなってた・・・。」


「だけど、メイ君が変わるきっかけをくれたのよ。ネイマとの穏やかだった日々を想いだせた・・・。」

マリーは泣いていた。

そっと私を抱きしめて「ありがとう・・・」と。


ガイルは「今決めなくてもいい。明日でも、もっと時間がかかってもいい。ただ、ここにずっと居ていいんだ。ここがお前の帰る家と思ってくれていいんだ・・・。」


とマリーと私を包み込むように抱きしめた。


私も涙があふれて、しばらく時間が止まったように感じた。



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