第5章①はじめての戦い-後編-
ポイント評価をして下さった方がいましたー!ありがとうございますm(__)m嬉しいです。
"絶体絶命のピンチ"ってこのことやな・・・
心の中では"もうあかん"という自分と"まだ何かできる"という自分で、グルグル思考している。
いつ突進されてもおかしくない緊迫した状況で、ふと少女に目をやると
「>@?;@__^|{~」
何やらブツブツ言っている。
錯乱してるんかな?
と思った瞬間
「どきなさい!!!」
と突き飛ばされて
「"火炎放射"!!!」
と叫んだと同時に
物凄い熱量の火、いや炎が目の前のでかいイノシシを包み込み
文字通りイノシシ?を丸焼きにした。
驚きで目が点のまま動けないでいると、
ドサッと少女が倒れ込み意識を失ったようだ。
息をしていたのでとりあえずは問題ないやろ。
・・・・・
「っっはぁ~~~」
私もその場にへたり込んだ。
まだ心臓がバクバクしてる。
ほんまにヤバかった。
本気で死ぬ可能性あったな・・・
あ!でも
あれが魔法かー♪
"フルファイヤ"とかこの子言ってたから、上位の火系魔法やんな!!
さっき死にかけてたのに、アドレナリンが出まくっているせいか
脅威が去ればあとは初めての戦闘、魔法を思い出しかなり興奮していた。
「あ~疲れたぁ」
私も横になり、今にも崩れそうな天井を見上げる。
ドクドクッ
まだ心臓が高鳴っている。
ゆっくり目を閉じると急に眠気が襲ってきた――
――――――――――――――
「"ダメだ・・・返事がない"」
「゛おーい!おーい!"」
ピチョン・・・
冷たっ!
「・・・イー!
メーイ!!
頼むから返事してくれー!」
ガイル!?
「ここ・・・(なんか声出にくい)
ここだ・・・
ここだよ。
ガイルーー!!」
灯りがぼやけてみえた。
ガイルが来てくれたからもう大丈夫・・・
少女のことを気にかける余裕もなく、安心したからかまた深い眠りに落ちていった。
―――――――
ん?
目を開けると見慣れた天井があった。
"よかった・・・
やっぱりガイルが来てくれたんや。"
起きようとすると身体中に鈍い痛みが走った。
「痛っった~」
筋肉痛のような感覚と、あれだ。手術後の傷痕のような痛み。
前に盲腸で外科的処置をした経験があった。
傷口が疼くんよねー
「アタタ・・・」
と痛みに耐えながら起きようとするとガイルが支えてくれた。
「ガイル・・・」
そっと水を飲ませてくれた。
がっしりした力強いけど、優しく包み込まれているような安心感でまた涙が止まらなくなった。
「よく頑張ったな。」
怒られると思ったんやけどな。
しばらく無言のままガイルにもたれかかっていた。
そういえば、あの少女はどうなったんやろ?
それにマリーの姿を見ていないのも気になるな・・・
ガイルが珍しく、私の様子を察したのか
「あの女の子は大丈夫だ。
人の心配より今は自分の身体を労ることに集中しろ。」
うん。
ベッドにまた横になり、あ。
マリーはどうしているか聞かなくちゃと思ったが、ガイルはすでに部屋を出ようとしていたので止めた。
きっとまた沢山料理を作ってくれているのかもな・・・
思うより先に瞼が重くなってきて、"まずは身体を治さんとあかんわ"
とそのまま再び眠りについた。