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第88話 ようやく・・・。

一先ず区切りがつきました。なかなか更新出来なくて申し訳ないです(´д`|||)冒険者編も書きたいとは思ってますが、次回更新は未定です。

翌日はギルドで情報を集めてから、2チームに分かれてコロコロの実を探したので半日で依頼を達成出来た。


依頼主はあまりに早く依頼が完了したので、報酬とは別にお礼だと手作りの御守をくれた。


「2人ともご苦労様。この御守は消臭材が入ってるから冒険者にも好評なんだよ。これからも頑張りなさい。」


「ありがとう。」「ありがとうございます。」


リカは順調に冒険者としてのスタートを切った。ジルも心配していたけど、この話をすると「怪我には気を付けろよ。」と一言だけ、それからはいつもと変わらない態度だったとリカが教えてくれた。


私は時間があればミトラス達とも行動を共にした。見習いとして付いていく形ではあるけど、実際に依頼をすると知識や経験が身に付いていく。ミトラスやクラークとも仲良くなれるしね。


ツインズ達とマリーの手伝いをしたり、ガイルの仕事に連れていってもらったり、目まぐるしく日々はあっという間に過ぎていき、ついに15歳の誕生日を迎えた。


――――――――――――――――

「じゃあ行ってきます。」


「とうとう冒険者か。」

「無理にしないようにね。」

「お兄ちゃんがんばって!」「兄ちゃんにまけないようしゅぎょーする!」


「またすぐ帰ってくるんだし、大袈裟だなぁ。」


ようやく今日、ギルドに登録する。待ちに待ったこの日!ミトラス、クラーク、リカはすでにDランクになり、個々で依頼をこなしていた。3人とも臨時パーティーのクエストにも参加しているらしい。ソロ同士が集まって依頼を受け完了したら解散するものだ。


【ジザ】のギルドはいつものように賑わっていた。食堂と併設しているからここは人が多い。受付に声をかけると2階で魔力(エナ)測定するらしく案内してくれた。


「来たか。儂が見てやるからここに手を触れてみるといい。」


白い珠に触ると青と緑色になり、渦のように光だした。


「ふむ。やはり聖霊の力が影響しているな。予想通り、風と水属性が出たわ。」

「これで終わりですか?」


「こちらの用紙に記入をお願いします。あと、見習いの認識板をご返却下さい。」

フラムから用紙を受取り、認識板を渡した。


「所属する冒険者への補償のためにな、わりと詳しく書いてもらう。もちろん、書かなくてもいいが虚偽の申告をした場合には罰を与えるんじゃ。訳ありも多いから嘘を書かなければ良い。名前だけの奴もいるぞ。」

「福利厚生のしっかりしたギルドだなぁ。」


「なんじゃ?そのフクリ何とかとやらは?」

「あ、いえ!補償がきちんと書面で約束されているのって珍しいというか、凄いなぁと思って。」


「ふはは!冒険者は家族も同じ、大事な仲間だからの。」

「ここに所属出来て良かったです。」


「認識板は少し時間がかかる。下のクエストボードでも見てくるといいぞ。」


Eランクのクエストボードにはこの1年で顔見知りになった人達の依頼もあった。定期的に必要な材料や友人、知人に手紙を出す等、内容もわかっているのでそれらから一気に受けていく事にした。


受付のお兄さん達とも仲良くなったので手続きも早い。


『いつもと変わらないねー』

“そんなことないよ。僕達だけで依頼を受けれるんだから”


『採取する依頼は私達に任せてよ!』

“テテは薬草とか花の生息地に詳しくなったもんね。ハラ王国内ならかなり詳しいんじゃない?”


『そうでもないわ。夜にだけ咲くとか、珍しいものに関してはまだまだよ。』

“た、頼もしい”


「メイ君!お待たせしました。認識板をお渡しします。」


受付のお兄さんに呼ばれて思わず走って取りに行った。ちょっと感動。父さんと母さんからプレゼントしてもらったネックレスのチェーンに通して身に付ける。


“さぁ行くよ!”

『『おー!』』


冒険者生活1日目は、見習いの時に培った経験で難なく終わった。家に帰ると家族が祝ってくれて、疲れも感じなかった。


その後も3~4日に1日休みをとりながら仕事をした。たまにリカと依頼を受けたり、臨時パーティークエストにも参加した。


パーティークエストって、内容によってはEランクが参加できるって知らなかった。ミトラス達が教えてくれたんやけど、最低3人以上の1年以上経験のあるDランク冒険者に付き、1人だけ雑用係としてEランク冒険者の同行ができるルールだ。ただし、探索系や採取系依頼に限られる。護衛や討伐系には参加できない。


だから国内での臨時パーティーであればたまに依頼があって、稀にだけどEランクの募集があるから参加する機会もあった。運よく人柄もいいメンバーだったので、たくさん話も聞けたし、他のギルドや他国について最新の情報も入手出来た。


子供だと茶化すような人はおらず、新人を育てようと厳しくも時に優しく指導してくれて学ぶ事が多かった。


半年後――――――。


「あ、メイ君。おめでとうございます!Dランクに昇格ですよ。」


受付のお兄さんから報酬のお金を受取り、そう伝えられた。


「え!なんか、いきなりだなぁ。」

「くすっ。そんなものです。すぐに認識板を変更しましょう。」


「ありがとうございます。」


これでとうとうパーティーで動ける!皆にも報告しないとね。


――――――――――――――――

数日後、暁の星メンバーが私のDランク昇格祝いをしてくれた。


「では!メイがDランクになり、暁の星もいよいよ始動する。おめでとう!乾杯ー!!」

「「おめでとう!」」


ミトラスの浮かれようといったら、親友の結婚式に来たかのようなテンションで、クラークも珍しく顔が笑っている。リカも今日は女子モードで色気が凄い。


「メイはまだ酒はダメだぞ!」

「分かってるよ。果実のジュースや朝露ハーブ水でも十分美味しいよ!」


「俺達もちょうどDランクになって1年くらいだからな。そろそろ上にいくために護衛や討伐依頼を受けようと考えてた。」

「ギルドマスターが喜んでたわよ。私達全員、半年くらいでDランクになったから、早くもっと上のランクを目指せって。」


「望むところだ!明日皆でパーティー申請しに行こうぜ。そのまま何か依頼があれば受けようと思うが、どうだっ?!」

「いいんじゃない?」

「俺も。メイは、家族とか大丈夫なのか?」


「うん。半年あったし、Dランクになったら他国に行くかもしれないことは家族も分かってくれてるから。」


「よし!!決まりだな!」


昼間だけどお酒を飲んで騒いで、全員が暁の星として活動できることを喜んだ。それから夜は家族とも話した。母さんは少し涙目になっていたけど、定期的に手紙を出す事と、半年に1回は家に帰ると約束した。


部屋で横になり、これからの事を想像したら楽しみで眠れなかった。早く明日が来ないかな。


他国でお世話になった人、知り合った人達にも会いたい。皆、元気にしているだろうか?


目を閉じると忘れかけていた思い出が次々と浮かんでくる。そうしているうちに夢の中へと落ちていった。

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