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第78話 海防団の宴

更新なかなかできずすみません!臥せってました・・・。本当に年取ると回復力もない・・・。

シュバルツはマーブルの部屋に興味津々な様子やけど、同時に緊張しているようにも見えた。


「温かいのでいい?」

「え?あ、あぁ。何でも。」


人のものやけど、ちょっと拝借。適当に2つコップを用意して急いで持っていった。


沈黙を破ったのはシュバルツだった。


「お前・・・。メイ、でいいか?あと、俺の事もシュバルツでいい。」

「あ、うん。いいよ。」


「・・・クロウさんと同じ聖霊使いって本当か?」


迷ったけど、イエスの意味で頷くとそこから急に好意的に、興奮ぎみに話始めた。


どうも海防団内部には、私が水の聖霊使いだとそこそこ広まっているらしい。さすがに軍の機密扱いやから表立っては聞けないため、噂に尾ヒレがついてしまっているようだった。


シュバルツは憧れのマーブルと仲が良いと聞いて嫉妬していたが、それよりも水の聖霊使いという存在が珍しく、好奇心の方が勝ったようだ。


訓練生にとって海防団の遊撃部隊は花形で、まして孤児で後ろ楯のないマーブルやレドは平民や孤児の憧れで目標とする存在らしい。


シュバルツは平民やけど成金やねんて。親が名誉や肩書きにこだわるから、プレッシャーが凄いって愚痴ってた。


「メイは海防団に入らないのか?」

「僕は冒険者になるって決めてるから。」


あ、今ホッとした顔したな?


「今日は最後の夜だろ?俺も夕食一緒していいか?」

「うん。食堂で食べるから誰が来てもいいんじゃない?」


「やったー!ありがとな!!」

「でも何時からとかわかんないよ?」


「大丈夫!ここの事は俺の方が知ってるからな!」

「そっか。じゃあまた夜にね。」


シュバルツを見送り、少し横になることにした。


―――――――――――――――


テテュスがそろそろ起きたら、と言う声で目が覚めた。けっこう眠っていたのか、窓を見ると日が沈みかけていた。


「お腹すいたな。まだ早いけど食堂に行こうか。」

コヨチールもいないので、テテュスと2人廊下を歩いていると、シュバルツが立っていた。


「あ!まだ早いぞ?!食堂開いてないからな。」

「えー。いつでも入れるんじゃないの?お腹すいたよ。」


「はぁ?ん~・・・ちょっと待ってろ?!」

そういうと走ってどこかへ行ってしまった。


“あれって絶対に夕食の準備してるから、見張りにシュバルツが立ってたんだよね?”

『ふふふ。きっとマーブルやコーちゃん達が何か用意してくれてるのかもね~。』


ヒソヒソしていると、走って戻ってきたシュバルツから、パンを2つ渡された。


「も、もうちょっと待ってろ?はぁ、はぁ。美味しい料理を、作ってくれてるからな!」


「なんかごめんね。ありがとう!部屋で待ってるよ。」

「おう!迎えに行くから、それまでは部屋にいてくれ。」


待つこと1時間くらい?パンのおかげで少し空腹は落ち着いたけど、そろそろかな?


またウトウト、机に顔を埋めようとした時、シュバルツが大声で迎えに来てくれた。


―――――――――――――――


食堂内は人がごった返しており、見たことのない顔ぶれも多かった。


「クロウさんは少人数でひっそりやるつもりだったらしいけど、聞きつけた人が声をかけまくって宴のような規模になったらしいぞ。」

「まぁ楽しければいいよね。それより、皆どこにいるのかな?」


シュバルツの案内でマーブルやレド達とも合流。周りは騒がしかったけど、内輪で集まっていい夜を過ごせた。


栄誉選人(えいよせんじん)ということでスピーチもやらされたけど、こんなに歓迎してくれて楽しい時間を過ごせたおかげで、誘拐事件で大変だった記憶もいい思い出になったな。


マーブルやレドとは定期的に手紙で連絡を取り合う約束をした。転移魔法の事はしばらくは秘密にすることにした。ネイマのことも含めて・・・。


―――――――――――――――


マーブルとは聖霊ネットワークを広げる約束をした。グレさんからの依頼の話もしたので、色々と協力してくれることになった。


いつかはきちんとネイマの事を話さないとね。


その日は夜遅くまで、たくさん話をした。犬猿の仲のレドに気を遣ったのか、夕食の時はあまり話をしなかったけど、部屋に戻るとマーブルは滅茶苦茶かまってくれた。


「さて、寝るか。また絶対に遊びに来いよ。あ、俺も休みとってハラ王国に行くからな!」

「うん。待ってる!兄貴、色々ありがとう。じゃあおやすみ。」


「あぁ、おやすみ。」


―――――――――――――――


出発の朝。マーブルやレド、サクもなぜか一緒に朝食を摂り、それから船に乗り込んだ。


「冒険者辞めたくなったら、いつでも海防団にいらっしゃいね!」サクが手を振っている。


「お前らー!俺の弟を頼んだぞー!!レド!ちゃんと送り届けてくれよ?!」マーブルが大声で喝を入れた。


実はレドが同船している。事件関係者で、栄誉選人ということで、ナナミ副団長の独断で特別待遇での帰国となった。小さい偵察用の船に乗せてもらえることになり、スピードはかなり早く性能も良いらしい。


レドを含む3人の護衛と、私とテテュス。ネイマは割りと近くにいるらしい。


あと人質だったジグザ達は、別ルートでそれぞれの国へ送ってもらえるねんて。陸ルートもあって、マーブル達の天敵、陸衛団(りくえいだん)も関わってくるとか。揉めなきゃいいけど・・・。


船が出港して、しばらくするとレドが話かけてきた。


「酔ってないか?大丈夫か?」

「はい。大丈夫です!けど、けっこう揺れるんですね。」


「偵察船だからな。小型で小回りもきくし、速い分反動は仕方ない。」

「操縦も大変ですね。」


「魔力も多少いるから、俺以外の2人が交代で頑張ってくれている。」

「え!後でお礼言わなきゃですね!」


「気にしなくていい。俺達は任務だからな。」

「そんな。いくら仕事でも僕を送り届けるために体張ってくれてるんだから、感謝してますよ!」


「そうか。伝えておこう。」

「ありがとうございます!僕もまた直接言います。」


夜はスピードを落として進み、レドも操縦すると言う。途中、少し停泊し船のメンテナンスもするので早くて3日、遅くて4日後には帰国できると教えてくれた。


そうや、釣りして何か美味しい魚食べてもらおう。あの釣り人スキル、ほんまに効果あるのか試すにもいいわ。


レドに釣具を借りて、停泊した時にやることにした。


――――――――――――――


さぁ!何が釣れるか。


最初はワカメとか小魚一匹。さすがにトユトユのような高級魚は無理やった。


でもそのうちに珍しい魚やネックレスとか、小さい箱のような、明らかに釣具で釣れるのおかしいやろ!ってのが、いくつか釣り上げられた。


「?メイ、その釣竿に魔法でもかけたのか?」とレドも頭を傾げていた。


他の船員も交代で釣りをしたけど、あまり魚は引っ掛からなかった。なのに私が釣りをすると、面白いように魚やそれ以外もどんどん釣り上げられるので、『釣り名人』というアダ名が付いた。


特にトラブルもなく3日目の朝、ようやくハラ王国へ到着した。

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