閑話⑧ 聖霊使いの集い
しばらくは、月2回更新出来そうです!正月に海防団編一気に書き溜めました笑
「お、メイー。こっちだ。」
「お待たせしました。どうぞ。あれ?ナナ様は・・・。」
「あー、今は声掛けない方がいい。ってか、きっと動かねぇよ。副だ、じゃないナナ様は作戦立てる時あんな感じだから、放っておいたらいい。」
「と、ところで!俺はマーブル・クロウだ。ここではマー坊っていわれてるけど、この作戦が終わったら普通にマーブルでいいからな!改めてよろしくー。」
「はい。えっと、僕はメイ・パロットです。メイでいいです、よろしくお願いします。」
マーブルはお腹が空いてるからめっちゃ食べながら、でも話もしたいみたいで時々ムセながら自分のことを語り始めた。
コヨチールの水魔法は①大波、②凪、③水膜が使えるらしい。
聖霊還術は水で同じだった。水膜の使い方が限定的だったので驚いた。火の魔法から身を守る時だけしか使わないらしい。
「アクアベールで食べ物の保存とか、魔力の持続効果にもよりますけど、水中で呼吸して泳げたりしますよ。」
「えー!そうなのか?!コヨチール、今度やってみような!!」
『ハイハイ、兄ちゃん。声が大きいから静かにしてね。』
『マーブルったら、嬉しそうね。』
『うん。いつか同じ聖霊使いと出会えたらって思ってたみたい。』
『そう、いい友人になれるといいわね。』
「あ~、それから今後は丁寧に話さなくていいぞ!な、仲間だしな!」急にマーブルが顔を真っ赤にして言い出した。
「え、でも年上ですし・・・。」
「お前、コヨチールが見えてるんだよな?」
「はい。僕より少し年下の男の子ですよね?テテと話してる。」
「それ!めっちゃ嬉しいんだよ!!俺の家族が見えてるってわからないかもだが、俺にとっては嬉しいんだ。」
「いえ、わかりますよ。僕も色々ありましたから・・・。」
それからは一気に打ち解けた。今度グレさんに連絡してフラムも紹介しようかな。
こうやって聖霊使いネットワークが広がって、聖霊辞典にも貢献できたらいいな、とか考えているとマーブルから提案があった。
「今度さ、海防団の本部に遊びに来いよ。」
「え?でも、気軽に行ける所じゃないんでしょ?」
「俺の身内って言ったら来れる!俺は捨て子だったからさ、今まで面会とかもなかったし、寮に遊びに来る奴はいなかったんだ。来てくれよ!」
「うん、そういう事なら遠慮なくお邪魔するよ。親友のレドさんにも会ってみたいしね。」
「は?!あいつは親友じゃねぇ!!ラ、ライバルだよ。負けられねぇ奴だ。背も高くて頭もいいしよー。あんな冷めた面のクセにやたらと女にもてるんだよな!」
「そうなんだ。マーブルもなかなかイケてると思うけどなぁ。」
「いけ?何だって?」
「イケてる!えっと面がいい、顔が整ってるというのかな。見た目が綺麗とかカッコイイ人の事を言うんだよ。」
「ふーん。ハラ王国語か?そういえば共通語も流暢なんだな。」
「うん。仲のいい商人のおじさんに鍛えられたからね!」
「そっか。お前と話してると聖霊使いって共通点も嬉しいけど、コヨチールの他に弟分が出来たみたいでなんかいいな!」
「弟か~。僕も嬉しい!ずっと兄弟で一番年上だったから、お兄ちゃんって存在は憧れだったなぁ。」
「そうか!じゃあ『兄貴』ってこれからは呼んでいいぞ♪」
「本当?!じゃあ・・・兄貴!」
「ははっなんか、ドキドキすんなっ!よし、兄貴なんだから俺にとってメイはもう身内同然だな!何でも頼ってこい。」
「ふふ、ありがとう兄貴。僕も頼りないかもだけど、何か出来ることあれば言ってね。」
「・・・。あ、ありがとな。」
顔をそっぽ向いて、こっそり涙を拭きとったマーブルを見て可愛いとか思ってしまった・・・。あ、無性に頭をなでなでしたい気分。
まぁでも今やったら兄貴のプライドもあるしな。本当に人のぬくもりを必要としている時に要検討しよう。うん!