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第68話 ライバル?!

第67話で、ネイマとテテュスの書き間違えがあり修正しました。すみません~!

見た目ワイルド系のおじ様と若くてチャラそうな男、15歳くらいの女の子は、とりあえずそれぞれ木の陰に身を隠した。


テテュスが念話にて

『ネイマ!今、海防団を見つけたわ。でも、あなたは姿を現さないで。3人いるけど、水の聖霊とその契約者もいるの。切り札として、ギリギリまでネイマの存在はバラさない方がいいと思う。』


『わかったー。メイを起こして事情をはなしておくね!そっちは道案内よろしくー。』

『任せて!』


「うぉ~~!感動!!マジでコヨチール以外に聖霊っているんだな!!」小声なのにリアクションがデカイ。


「黙れ。おい、マー坊本当にいるのか?聖霊。」

「いますよー!います!!かわいい女の子っす。君、名前は?」


『テテュスです。テテでいいですよ。さっそくですけど、内密シークレットウィスパーの受け取りをした方は?』


「あー、こちらのナナ様っす。ナナ様、あれ見せて下さいよ。」

「これだ。」


左手の腕輪がかなり硬くなっている。


『テテ、君の契約者は何て言うの?』

コヨチールが聞いてきた。見た目は同じかちょっと年上くらいの男だ。

『メイ、よ。14歳の男の子。』


「メイ君ね!ナナ様、テテちゃんの契約者は『メイ』って言う14の男らしいです。」

「わかった。道案内頼めるか?」


『わかってる。付いてきて。』


歩きながら、ナナとマー坊が上司と部下なのは確かだけど、なんか偽名っぽい。メイの名前も偽るべきだった?など色々とテテュスは考えていた。


宿屋の近くで待機してもらった。宿の中も安心はできないため、メイを連れ出すことにした。


念話で『メイ起きてる?転移魔法で出て来れる?』

“うん、大丈夫だよ。タイミングはテテが決めて”


『あの、ちょっと呼んでくるわね。』テテュスはマー坊に伝えた。

『僕も付いていこうか?』コヨチールが気遣ってくれるが、『大丈夫よ。ありがとう。』と3人から離れて宿屋に向かうフリをする。


『メイ、いいわよ。』

“了解!転移(マイグレート)


ーーーーーーーーーーーーーー


「どんな奴だろうな?!コヨチール、楽しみだな!」

『兄ちゃん、興奮しすぎだよ。落ち着いてー。』

「お前、興奮して大声出すな?ぶっ飛ばすぞ。」


「すみません~。だって、俺以外にも聖霊使いがいるなんて初めてなんですもん!高ぶりますってー。」

「ったく。油断すんなよ?まだ相手の素性もわからねぇんだからな。」ナナ様からの鋭い視線を感じた。


「りょ、了解っす!」

『まぁ兄ちゃんには僕がいるから大丈夫!』


ガサガサ、と足音が近づいてきて暗闇から1人出てきた。


「こ、こんばんは。」


「・・・お前がメイか?」


「はい。」右手の腕輪を見せた。ゼリーみたいにプニプニだったのに、今は鉄みたいに硬い。


「合言葉、アイツから聞いてるな?”波の音は”?」「ララバイ。」


「正解だ。じゃあ、最後”海の男は”?」

「・・・オ、オラ、オラ、オラ。」ほんまに何なん、この合言葉。


「合格だ!お前、カイトの弟子か?」

「違います。あえていうなら部下、だと思います。」


とりあえず、更に人気のない場所へ移動。内容を全て話した。


―――――――――――――――


「・・・んだよ、それ・・・。許せねぇ・・・。」マー坊は拳を握りしめ、必死に怒りを堪えている。

「そうか・・・。よく知らせてくれた、感謝する。」ナナ様は冷静に、状況を分析しているように見えた。


「僕、ジズルに必ず助けるって約束したんです。だから、できる事は何でも協力します。船も降りてきたんで、不退転の決意です。」


「ふ、ふたー?何だそりゃ?」

「お前、よく知ってるなぁ。古代語だろ?俺もあんまり詳しくはないが、それは知ってる。」


「古代語ー?!メ、メイ君?君、14歳だよな。」

「あ!いや、知り合いにそういうの詳しい人がいて。とにかく、僕も何かお手伝いさせて下さい。囮でもなんでもやります。」


・・・ナナ様は黙って考え込んでいる。


その間にマー坊が近づいてきて「な、なぁ。ふ、ふなんとかってどういう意味だ?」と聞いてきた。


小声で「” 不退転の決意(ふたいてんのけつい)”は、ひとたび心に決めた志を絶対に曲げることなく、何があっても屈しないことです。 強固な意志で、何としても成し遂げるという思いを表明する時に”不退転の決意で”という言葉を使うらしいです。」


「フタイ、テンノ、ケツイ、だな!」その後もマー坊はぶつぶつと呪文のようにこの言葉を頭にインプットしていた。


「メイ、でいいか?お前、聖霊使いなんだよな?具体的に何かできるのか?」とナナ様が真剣な顔で聞いてきた。

「水の聖霊魔法が使えます。あと、火とかの魔法を少し。剣も短剣ですけど、ある程度の自衛はできます。」


「・・・実践経験は?」

「人を殺したことはありません。でも魔獣と闘ったことはあります。」


「聖霊使いの中でも稀に、武器や防具に装着(エンチャント)できる者がいるというが・・・。お前にそれができるなら、今回の作戦に加えてもいい。」

「それって、かなり条件厳しいっすよ!俺だって、最近ようやく数分できるようになってきたばかりですよ?!」


『メイ、どうするの?装着(エンチャント)できるって話す?同化はやめた方がよさそうだけどね。』

”だね・・・。装着(エンチャント)も短い時間だけって事にして言うよ。じゃないと参加させてもらえないみたいだし”

コソコソ念話で相談。


「どうした?やっぱり出来ないだろ?お前みたいに正義感の強いやつは嫌いじゃねぇ。けどな、己の力量を常に把握しておくことは必要だ。まだまだ若いお前を、旧友の大事な部下を死地へ送るわけには行かないからな。」


やば・・・。言い出しにくい状況になった。テテュスが『早く言いなさいよ~!』と目で合図を送ってくる。


『兄ちゃん。まだ、メイからちゃんと返事は聞いてないよ?』コヨチールがテテュスを見て何かを察する。

「え?・・・おいメイ、どうなんだ?できる、のか?」マー坊が疑いの眼差しを向ける。


「・・・はい。短い時間ですけど、装着(エンチャント)できます。」


「本当か?!見せてみろ。」ナナ様の顔つきが変わった。


”テテ、お願い”『了解~。』


聖霊体になり、武器へ装着(エンチャント)。短剣が濃いブルーの光に輝いて、明らかに魔力を帯びているのが皆にわかった。


「マジか・・・。あははは!!お前やるなぁ!よし、いいぞ。これから作戦に加われ。あ、俺は”アツ・ナナミ”だ!海防団の副団長をやっている。まぁ、ここではナナ様と呼べよ。いいな?」

「は、はい!」


『ありゃ~、副団長に気に入られたね。兄ちゃん、またライバルが増えちゃったね。』

「はぁ?!なんであいつがライバルなんだよ。レドじゃあるまいし、あんなガキと一緒にされちゃ困る!!」


「さて、どうするか・・・。」またナナ様は考え始めたのか、目を瞑って黙り込んでしまった。


「あの、マー坊さん。お腹、空いてませんか?」

「え?!あぁ、そういえば、昼から何も食べてねぇな。思い出したら急に腹減ってきた・・・。」


「僕、宿から食べ物とかお持ちしますね。少し待ってて下さい。」

「おう。助かるよ。」


メイが茂みの中へ消えていき、テテュスもあとを追いかけた。


『僕の勘だと、メイはまだ何かある感じがするな。兄ちゃん、あいつ強いぞ。』コヨチールがニヤッと笑った。

「なんだよ。聖霊使いとしては負けてないぞ!たぶん・・・。」


『まぁいいじゃない。レドさん以外で競える相手が増えたんだから。精霊使い自体、数が減ってきているからここで知り合いになるのは悪くないと思うよ。』

「まぁな!色々話はしてみてーよ。実際、聖霊魔法とかって感覚でやってるし、他の奴がどんなのを使うのかは興味あるしな!」


捨て子だったマーブルは、コヨチールと出会ってから家族が出来たみたいで嬉しかった。ただ他の人には見えないため、気味悪がられたり、時に苛められて周りからずっと冷たい仕打ちを受けてきた。現在は団長と副団長が海防団に導いてくれたおかげで、聖霊使いとして普通の生活が送れている。


だから2人にはすごく感謝をしていたが、やはり聖霊が見える人との出会いを、ほんの少し心の奥底では願っていた。


「ライバルというより、同志?ん?仲間?ははは、なんかやっぱ嬉しいもんだな!」

『良かったね、兄ちゃん。』


メイが戻ってきたら、自分の本当の名前を教えよう。それから、聖霊についてもっと話したいとマーブルは思った。

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