第65話 闇ギルド
更新2日目です♪リアルでは年末30日から本日まで仕事でした(´д`|||)明日からようやく休みだぁ!!
「うわっ!」真っ暗な所に移動したので、思わず声が出た。慌てて口を押えて”遮蔽”と心で唱え、闇魔法で姿を暗闇に隠した。
少しずつ、周りに大量の樽が見えてきた。この魔法、目が慣れるまでに少し時間がかかるんよなぁ。
”ネイマー?居る?”
『ここだよー。』実体化したネイマの姿がわかった。
樽の数は20個あり、全ての中に人がいるらしい。この部屋は1階の一番奥やけど、外に通じる出口があり、見張りがいる。男は5人いて、女が3人。見張り1名以外は2階と1階でそれぞれ過ごしていると教えてくれた。
『2人ともここにいたのね。!・・・こんなにたくさん人が・・・。』テテュスが到着。
『絶対全員を助けましょ!』『うん!でも人数が多いね。』
”皆をどうやってここから出したらいいんだろ・・・”
考える時間が必要だった。ネイマにはもう一度偵察に行ってもらい、こっちに来たら知らせるように頼んだ。テテュスにはとりあえず水薬20本作るようにお願いした。
ステータスブックを見ると男女の子供と女性が、種族バラバラで捕まっていた。
やっぱり自分達だけで何とかするのには限界があるな・・・。
一旦戻って、モリー船長達に相談してみよう。でもその前に、衰弱してる人もいるから水薬を飲ませてからここを出ないと・・・。
一番近くの樽は女性のハーフエルフだったので、小さい声で話しかけてみた。
「大声を出さないで下さい。このまま黙って僕の話を聞いて欲しい。必ず助けます。わかったらこの樽をコツンと1回小さく叩いて下さい。ダメなら2回お願いします。」
コツン・・・。
「1回。ありがとうございます。今からあなたの樽を開けます。でも、今あなたを逃がしてあげることはできません。他の人も助けたいから・・・。お願いできますか?」
少し間があったが、コツン、と1回返事があった。
信じるしかない。いきなり大声で助けを呼ばれたり、逃げようとしたら可哀想やけどもう一度無理にでも樽に入ってもらおう。私も気付かれる前に転移魔法でここを出ないと・・・。
緊張しながら蓋をゆっくり開けた。目隠しと猿ぐつわをされている。目と口の布を外した。
ぽろぽろと涙を流したその女性をゆっくりと抱きしめた。
耳元で「僕はメイ。必ず助けます。食事はもらってるんですか?あとここには何日いるんですか?」と尋ねた。
「わだっ、私は、ジズル。食事は日に1回だけ、と思う・・・。水とパンを少し・・・。日にちはわから、ないけどっ。うっ・・・。2回食事を、食べたわ。」声を噛みしめて、泣きたいのを我慢して教えてくれた。
「ありがとう。ジズルさん、これをゆっくり飲んで下さい。回復薬です。でも弱ったフリを演じてて下さいね。」
水薬を渡すとゆっくりと飲み干した。
「あ・・・あれ。すごい。体が苦しくない。お腹も空いてない!」
「しー!」慌てて口を押えた。
「これ、すごい回復薬ね。魔力が漲ってる。これなら火魔法をあいつらにぶっ放してやれるわ。」
「まぁまぁ、それは脱出の時にでも。皆、手は縛られてるけど、回復薬を渡したら飲めるかな?」
「たぶん・・・。食事も蓋を開けて中に放り込まれるの。飲み物は口を開けろって無理やり上から注がれる・・・。必死で飲んだわよ。鼻に入ったり、ムセたり大変な思いをしたけど生きるためだしね。」
「わかった。今縄を解くから、他の子に回復薬を飲ませるのを手伝って。ただし、いつものように”口を開けろ”て声をかけてゆっくりあげてね。」
「皆には教えてあげないの?」
「子供もいるみたいだから、全員が理解できるかはわからない。パニックを起こして見張りの人が来たら大変だからね。」
「わかった・・・。」
それから全員に水薬を飲ませて、ジズルをもう一度縛って樽に戻した。ジズルの縄には細工をしてすぐに解けるようにはしておいたけどね。
それから一度宿屋へ戻った。
ーーーーーーーーーーーーーーー
部屋でひとまず休息をとった。ベッドに横になって船長になんて言おうか考える・・・。
偶然見つけた、ってのはちょっと苦しいよな。怪しい男をみかけて、後をつけたって事にしようか?この前お金を盗まれたこともあるし正義感で動いたって感じで話をもっていこう!
宿屋を出て、モリー船長を探した。夕方なのでもしかしたら食事に行ってるのかな。
早く伝えないと、いつ他の場所に連れて行かれるかわからないし・・・。
『いたよー!キララ兄弟も。』ネイマが見つけたのは、先ほどのアジトだった。
”ここって!あの子達が捕えられてる家だよね?”
『な、なんでこんな所にいるのよ?』テテュスも困惑していた。
正面にライトが立っていた。カイトとナイトはモリー船長と中にいるとネイマが念話してくれた。
「お!」私に気付いたライトが駆け寄ってきた。
「お前。何でここに居るんだ?」いつもバカデカい声のライトが小声で話す。
「実は・・・。」
散歩している時に怪しい男を見つけて付けて行ったら、人が樽の中に捕らわれているのを見てしまった。モリー船長に相談しようと思って探していたと取って付けたような内容の話を伝えた。
「・・・・・。こっちにこい。」ライトに少し離れた所へ連れて行かれた。
「お前は義兄弟の契りがあるから話すが・・・。ここは闇ギルドだ。まぁ、船長がどうこうするわけじゃねぇ。このフ島の島主が闇ギルドの頭なんだよ。ここいら海域は海賊が出る。船を襲われないようにここの奴らに通行料を払わなきゃいけねぇ。船長も苦渋の決断なんだ。だから、変に厄介事に首を突っ込むわけにはいかねぇんだよ。」
「でも!人が攫われてるのを見て見ぬフリなんてできないですよ!!」涙目で訴えかけた。
「・・・うぅ。俺だって胸糞悪ぃんだ。・・・よし。とりあえず兄貴に話す。くれぐれもモリー船長は巻き込むな。いいな?!」ライトがいつになく真剣に言うので頷くしかなかった。
これは当てが外れたかも?最悪自分でなんとかする方法も今晩中に考えないとあかんかもしれんな・・・。
一先ず、宿に戻ることにした。