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第58話 お忍び散策②

アルファポリスのファンタジー大賞の5万文字達成ならず・・・無念ですが、おかげで制作が進みました(笑)今月から通常モードに戻ります。たぶん月1更新です。気まぐれに更新するかもですが気長におつきあい頂けると嬉しいです!

街に到着。馬車は宿屋から少し離れた所に停めてくれた。

フレッドもリョウも宿屋に付いて行くと聞かないので、一緒に部屋へ向かった。


『あー!おかえりメイ♪』『待ってたのよ♪』ネイマとテテュスが部屋にいた。念話でおおまかに今日の事を伝えておいた。


「これが宿屋・・・。狭いけど個室なのね。」リョウはめずらしそうにあちこち見ている。

「相部屋のところもあるよ。その分安くなるから助かるんだ。」


「お泊り会を思い出すな。誰かと共に一晩過ごすのは楽しかったな。」フレッドがほわんとした顔になった。

「まぁ気楽に過ごすなら1人部屋のが僕はいいけどね。」


「ちょっと着替えるから外で待っててくれる?」


私は普段着に着替えた。

「お待たせー。」


「あー!メイ、どこ行くんだ?」ゴウが部屋から出てきた。

「これから昼ご飯行くんだ。」


「ん?この人達誰だ?」

「あ、紹介するね。フレッドとリョウだよ。友達になったんだ。」


「えー!あのフレッド?俺はゴウ。よろしくな!」


フレッドにはコソッと耳元で、王子だという事をゴウに教えたと話した。


「よ、よろしくな!フレッドと呼んでくれ。」少し緊張しているフレッド。

「俺はリョウだ!よろしく頼む。」こっちは普段通り、というより役を楽しんでいる感じやなぁ。


「そうだ。せっかくだから、一緒に昼ご飯食べに行く?」

「いいのか?!すぐに用意してくる!!」ゴウは走って自室へ戻って行った。


「フレッド、リョウも急にごめんね。ゴウは信用できる友達だから安心だよ。みんなでワイワイした方が楽しいかと思ってさ。」


「そうだな!」リョウは男言葉で自然に話せている。


「今日は王子ではなく、フレッドとして楽しむつもりだ。だから気にしないでほしい。」


「よかった!あ、そうだ。昨日は渡せなかったけどこれもらって。」

成人の儀のお祝いとして、例のものをプレゼントした。


「これは?」けっこう重みのある箱を持ったフレッドは少しよろめいた。


「水薬だよ!家族の分もあるよ。これから生まれてくるフレッドの兄弟のもね。いつか必要なときに使ってもらえたら嬉しいな。」


「いいのか?ありがとう!」

「重いでしょ?サキシタさんに渡してきたらどうかな?」


先に姉弟2人で馬車に行ってもらいゴウを待った。フレッド達と合流する前に今日までの経緯をゴウに説明しておいた。


「この国で俺達もたくさん思い出ができたな!俺、人族の友達が増えてうれしい。」ゴウの尻尾はブンブン回っている。

「そうだね。長い間滞在したから、ちょっと愛着もあるかなぁ。」


それからは4人で屋台を回った。リョウはデザート系、フレッドは肉や魚、ゴウは肉オンリーな感じでそれぞれ食べたいものを好きなだけお腹一杯食べた。


「ちょ、ちょっとどこかで休みたい。」お腹を押さえながらフレッドがふらついている。


「腹一杯・・・。もう入らねぇ。」ゴウはかなり苦しそう。


「そうだね。座って休憩しながら晩ご飯どうするか考えよー。」と私が言うと「今は無理・・・。」とリョウは口元を押さえていた。


何となく、船が停まっている港の辺りに向かった。船が見える近くの岩場に座ることにした。


「あ!あれがメイ達の船か?」フレッドの目が輝いている。

「うん、そうだよー。」


「見学できない?」

「どうだろうな?船長かカイトさんでもいれば頼めるんだけどなー。」ゴウが辺りを見回した。


『船に誰かいないか見てきてあげる!』、『僕も!』ネイマとテテュスが走っていった。


船の近くにある岩場に腰を下ろし海を眺めていたら、急に聞き覚えのある声に呼ばれた。「ゴウー!メイー!お前らーそこで何してるんだーー?!」


「あ、ライトさんだ。」

「ライトさーん!そっちに行っていいですかー?!」


「おーう!来い来い!!」


「良かったね!見学していいか聞いてみよう。」


『メイ~船長もナイトもいたよー。』『ジーナ達もね!』と聖霊組が念話で報告してくれた。


“そうなの?勢揃いだね~”


「「「「こんにちは!」」」」


船に乗ると「おや、知らない顔もいるね?友達かい?」ジーナがさっそく食いついた。


「あの、友達のフレッドとリョウです。2人に船の見学をさせてあげてもいいですか?」モリー船長にお願いをしてみる。


何か口に含みながら「ん?いいへど。」ゴクッと飲み込んで「わかってると思うが、荷物は触るなよ。あと船長室とかに入らないならいいぞ!」


モリー船長からのお許しを頂きました!


「「ありがとうございます!」」ゴウと声が揃った。

「「ありがとうございます。」」フレッドとリョウも会釈し、その場を離れて船内を案内した。


船長達は船で食事会をしていたようだった。最後の晩餐やな。フレッドとリョウは王族専用の船もあるみたいやけど、こういう遠洋漁業船は珍しいのか真剣に話を聞いてくれていた。


船首で海を見つめながら、これまでの旅の話をした。フレッドもリョウも興味津々で、いつか必ず自分達もハラ王国へ遊びに行くと約束してくれた。


「おい、楽しそうだなー?お前達もこっちで食べないか?」モリー船長はそうとう酔っていて、グラス片手にふらつきながらも上機嫌だった。


「有り難いんですが、さっき屋台でお腹一杯になっちゃって。」

「すみません!すごく食べたいんですけど、もう限界です!!」ゴウと2人して丁重にお断りした。


「そうかぁ。ふぅー・・・。明日からまた航海だな。」

モリー船長が海に視線を向けた。


辺りをそっと見渡すと、荷物の積まれた後ろにナイトっぽい影を発見!


「ん?あなた・・・いや、お前。もしかしておん・・。」リョウがモリー船長を見て話しかけようとしたので、それを遮るように「あー!!リョウ!ちょっとこっち来て!」と大声を出し腕を引っ張り隅へ移動する。


「何するんだ?!いきなり無礼な!」

「あ~・・・今、思ってること口に出さないでほしい。」


「え?」

「モリー船長について思ってることだよ。公ではないからさ。リョウと同じ、なんだよ。」


「同じ?・・・あぁ、やはりな。わかった。」

リョウの表情が少しニヤッとしたように見えた。


「あの者は我国の出身か?」

「うーん・・・。たぶん?今はハラ王国を拠点に仕事してるみたいだけど。親戚とかはここの人達だよ。」


「ならまたここに来ることもあるな。・・・うん!楽しみができた♪」


船長に後でリョウの正体教えてあげようかな。歳も近いし、友達になれると思うんやけど。


「2人でコソコソ何の話だー?!」モリー船長はケラケラ笑いながら近くに来て、リョウをじっと見つめた。


「ん?・・・お前・・・。」

「なぁ、船長。後でゆっくり話さないか?」リョウもモリー船長をじっと見返した。


「・・・まぁ、時間があればな。」モリー船長も何か気付いたようだ。


ガタンッ

男装女子2人は無言で見つめあっている、様に見える。


私は音のする方をチラッと目の端で確認すると、ナイトが鋭い視線をリョウに送っていた。てか、頭が見えてるねん!


もうそんなに気になるんなら、こっちに来ればいいのに。


「あれ?ナイトさーん!お疲れ様です!」呼びに来たゴウがナイトに気付いて空気を読まずに叫んだ。目がいいから、荷物から思いっきりはみ出たナイトが目に付いたのだ。


「おまっ!!お前ら・・・。」

仕方なく姿を現し、モリー船長の近くに来た。そしてリョウを凝視している。


「なんだ?お前。」リョウもナイトを値踏みするかのように見ていた。しかもすっかり男性言葉が身に付いていらっしゃる。大丈夫かな?


「お前こそなんだ?船長に馴れ馴れしくするなよ!」

「ふっ。嫉妬か?幼いな。」


「な、なんだ?!し、嫉妬なんかじゃねぇ!!俺は護衛だ!世話係りなんだよ!」

「そうか。なら、出過ぎたマネをするな。(船長)に言われるまで控えていろ。」


「はー?!お前にとやかく言われる筋合いはねぇな!」

「ナイト!熱くなりすぎるな。さぁあっちで呑み直すぞ。」モリー船長は踵を返し、ナイトも後を追いかけた。


「なかなか面白い2人だな。船長は気が合いそうだ。あの2人は付き合っているのか?」

「それについてはご本人からお聞きください。僕の口からは申し上げられません!」


「そうか!ますます興味が出てきたぞ。直接話してみたいなぁ。」


最後はバーベキューとか考えてたけど、場所も物も揃えるのは大変やし。このまま夕食を船で一緒させてもらうのもいいかも!


「ちょっと待ってて!」

私はこのミッションを成功させるためにある人の元へ向かった。

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