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第52話 フレッド、運命の日

『アルファポリス』というサイトで、第12回 ファンタジー小説大賞にエントリーしました。ミリオンボーナス狙いで8~9月中に5万文字更新に挑戦中です!応援して頂けたら励みになります(笑)よろしくお願いします。

御披露目当日。

実際に王族が姿を現すのは、お昼の一番日が高い時なんやって。これがこの国の王家の象徴らしい。


由来は初代の国王が国を興す前の海賊時代、財宝の中にあった古代のアイテムがきっかけなんだとか。


宝石のひとつにたまたま陽のひかりが当たって、岩場に文字が写し出された。そこには『太陽が大地を照らし、希望の光生まれる。水育みし、新たな王が誕生す。』という古代文字が見えた。


初代国王はすぐに古代文字、つまり日本語やけど読めたわけではなかったから、手下に書き写させて後に解読に成功。


新たな王は自分のことや!って思い込んでこの国を造ったのだとフレッドに教えてもらった。


太陽が一番高い位置に昇ったときが一番明るいから、全ての国民に希望の光が届くように願いを込め、王家の誇りを忘れないようにって事らしい。


ウンチクはさておき、チケット代をケチった私は入場ができないわけやけど。闇魔法でコッソリ陰ながら見守ろうかとも思ってたのですが・・・。


ゴウとかきちんとお金を払った人に失礼なのでやめました!


『僕なんか緊張してきた~。』ネイマが私にしがみつく。

『メイもそんな義理立てせずにちょこっと観にいきましょうよ!』と、テテュスは腕を引っ張った。


宿屋の自室で朝食をとりながら、フレッドの事を話していた。


“行きたいけど、仕事もあるしなぁ。2人が僕の代わりにしっかり見届けてきてよ”


『んもー!意地っ張り。』

『わかったー。任せてよ!』


丁度食べ終えた頃、ドアの隙間に封筒が挟まっているのを見つけた。


“あれ?さっきはなかったのに・・・?”


『手紙が届いてました。』とメモが添えられていた。中を開けると、コロッセオのチケットが入っていた。


“これ!?”

『きっとフレッドよ!この国の王子なんだからメイの身元くらい調べてるんじゃない?』

『よかったね♪仕事早く終わらせて急いで来れば間に合うよ。』


“そうだね・・・昼からだし!出来るだけ早く向かうようにするよ”


『じゃあ僕達は先に行ってるね~。』

『午前は屋台や色々と催物があるらしいから、お先に!』


“いいの、いいの!2人には色々協力してもらってるし、楽しんできてよ。”


『『ありがとー!』』

聖霊体になってネイマとテテュスは先に出掛けた。


「さぁ。そろそろ仕事に行こうかな。」

ドアを開けるとゴウとロゼに会った。


「おはようー。」


「おはよう!」

「お、メイ。今日は仕事か?」


「はい。これからコロッセオに行くんですか?楽しんで来て下さいね!」


「へへ!じゃあ行ってくる!」

「じゃあな。仕事頑張れよ!」


「はい。いってらっしゃいー。」

2人を見送り、私も宿屋を出た。


―――――――――――――――


「フレデリック様。そろそろお目覚めになられませんと。」


執事のサキシタが、渋おじイケボで優しく声をかけた。


「ん・・・。おはよう。」

「おはようございます。よくお眠りになられていましたね。」


「うん。スッキリしているよ。緊張しているのに、不思議と身体は軽いんだ。」

「安心致しました。本日はフレデリック様にとって大切な日でございます。逞しく成長されたお姿を王様に早くご覧になって頂きたいものです。」


「・・・期待に応えられるといいんだけどね。」


いつものように朝食が用意されたテーブルを横切り、身支度を整える。


フレッドは幼い頃から、このサキシタが全て身の回りの世話をしてくれているので、叔父のような存在に思っていた。


サキシタにだけ、『メイ』という友人ができた事を教えた。コロッセオのチケットを用意したのもこのサキシタだ。


王子や王女には一人ずつ専属の執事やメイドが付いており、教育係りも担っている。王子や王女それぞれの立場が、そのまま専属の執事やメイドにも影響する。


王位継承権のない王女や継承順位の低い王子付きは、軽んじられることが多い。


けれどもこのサキシタはかなりの人格者で、他の執事からも一目置かれる存在であった。サキシタが専属執事になったのは、フレッドとって幸運な事であった。


食事後、王と王妃達に朝の挨拶をするのが習わしのため、急いで席に着いた。


“早めにご挨拶して、特訓の復習をしよう”と御披露目の時間までやるべきことを色々考えていた。


「メイは来てくれるだろうか。」ふと口に運んでいた手を止める。


「チケットは確かにお届け致しました。きっとご友人もお仕事を終えられたら、フレデリック様の応援に駆けつけて下さいますよ。」


「・・・そうだといいな。」


食べ終えてすぐ、王の住まう本殿へと向かった。


―――――――――――――――


「兄様。フレデリックは大丈夫でしょうか?」

「そうだな。ギリギリまで訓練していたようだが、フレッドは剣より魔法が得意だしな。」


「何故父上は成人の儀をここまで厳しくされるのか・・・。」

「まぁ単純に剣技がお好きなような気がするが。」


「兄様!フレッドに手心を加えてやることは出来ませんか?腹違いとはいえ幼い弟が、このまま王家を追い出されるかもしれないのは不憫なのです!」


「・・・ウィンデルよ。我らも同じように乗り越えたではないか。見守るしかできなかったが、フレデリックなりに修練を積んでいたようだぞ。」


「ウィルソン兄様・・・。」

「手加減すれば必ず父上に見透かされるだろう。そうなれば我らとて罰を免れない。フレデリックを信じるしかないのさ。」


ウィルソンは試合で使う剣をとり、空を斬った。

「ウィルソン!少し手合わせ願う。お前にも負ける訳にはいかぬからな!」


「はい・・・。」

ウィンデルは、剣を手に取ると一瞬願いを込めた。深いため息をひとつ吐き、中庭へ行く兄の後を追った。


―――――――――――――――


船上で荷を運び整理していると、モリー船長が近付いてきた。


「お疲れさん!今日は午後空いてるか?」

「お疲れ様です!あの、ちょっと予定があります。」


「なんだよ?あ、もしかして逢い引きか?」ニヤニヤとからかってくる。

「違いますよー。実はコロッセオのチケットが手に入ったので観に行こうかと思って。」


「そうか!じゃあ後で一緒に行くか!」

「え?船長も観に行くんですか?」


「カイトとライトの分も買ったのに、あいつら急に用ができたっていけなくなったんだ。チケット余ってるから適当に暇なヤツ誘おうと思ってな!」


それ・・・ナイトと船長を二人きりにさせようっていう兄2人の作戦ちゃうん?!


「あ~!忘れてたんですけど、ゴウと待ち合わせしてて、すみません!席も確保してくれてると思うんで・・・。」

「そっか。まぁナイトは行くから、あと2人誰か誘ってみるわ。会場でな!!」


ナイトがモリー船長のこと好きって全船員が周知のことやから、他の人も察して断るやろうけど。

それから黙々と仕事を片付けた。いつもより少し早かったが、昼前に船長命令で本日の仕事が強制終了!


私はモリー船長やナイトと鉢合わせないようにコソコソと急ぎコロッセオへ向かった。

5万文字更新に挑戦中のため、基本週末更新ですがペースが速くなるやもしれません。燃え尽きる可能性もあります・・・が、頑張りたいと思います!

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