第50話 成人の儀
月1更新になりそうです・・・。それも怪しいくらいリアルが今忙しくて・・・すみません!!ご容赦下さい~~(><)
昨日約束していた時間になり、洞窟に来ていた。程なくしてコツコツ、と遠くから足音が近付いてきたと思ったら、フレッドが姿を現した。
「すまない。待たせた?」
「全然。ちょっと早く着いただけだよ。」
1時間程、剣の練習をして休憩。フレッドは、神妙な面持ちで話し始めた。
「メイ・・・驚かないで聞いて欲しい。実は私は・・・この国の王子なんだ。」
「・・・うん。」
「え?!驚かないのか?」
「いや、驚くなって言ってたし。・・・って、本当はびっくりしてるよ!王子様だったんだねー。」
「本当に驚いてるか・・・?」
「んー。剣技のお披露目の事が公になった時に、こんな洞窟でこっそり男の子が剣の練習してるし。兄弟も居るって言ってたし。もしかしたら~・・・なんてね。まさか本当に、王族だったとはって感じかな。」
「・・・メイって不思議な奴だな。そう言われないか?」
「言われる!」
ぷっ!アハハハ!!
大きい声で同時に笑ってしまった。
「はぁー。こんなに大きい声出したのは初めてだ。」
「そうなの?大声出すとスッキリするよ!」
「そうだな。あ、話を戻すが明後日のお披露目なんだが、あれは王家の成人の儀なんだ。」
「ふーん。大人って認められるワケだね。」
「あぁ。12歳から王位継承が認められるから、大事な儀式だ。といっても、私は王位継承権は3番目だから気持ちは楽なんだが。」
「お兄ちゃんがいるんだよね。2人?あ、お姉ちゃんも2人いるんだっけ?」
「そうなんだ。でも3人は母親が違う。私は第2子で第1王女のフローリア姉様と兄弟だ。」
フレッドによると、国王には2人王妃がいて第1王妃『リオニー』、その子供が第1子にして第1王子の『ウィルソン』18歳、第3子第2王子『ウィンデル』15歳、第4子第2王女『レーア』14歳。
第2王妃『ファイエット』がフレッドの母親で、その子供が第2子第1王女『フローリア』17歳、第5子第3王子『フレデリック』12歳だそうです。
しかも現在ファイエット王妃はご懐妊中らしく、まだ兄弟が増える予定らしい。スゲェな!!王様。
「母様の家系は剣より魔法が強くて、私もどちらかというと魔法が得意なんだ。でも、このマレ・リベロ国は剣技に優れた者が優遇される。だから、成人の儀では王族から選出された成人と勝負して、とにかく相手から1本とらないと認められない決まりなんだ。」
「厳しいね。子供が大人にいきなり勝てるわけないと思うけど。」
「本来は形式的なものなんだが、国王がなんというか・・・ウィルソン兄様の時から本当に剣の勝負をさせるようになって、それが慣例化しつつある。」
「えー!お父さん、無茶するなぁ。」
「リオニー様の家系は剣技に優れていて、兄様達も強いんだ・・・。」
「なるほどね。フレッドにはちょっと不利なんだ。」
「いや!私の鍛練が足りないんだろう。・・・あと才能がないのかもしれない。」
「もし勝てなかったらどうなるの?」
「わからない・・・。城を追放されるかもしれないな・・・。」
「えー!それはないでしょ?」
「・・・父様ならありえるんだ・・・。」
『ちょっとひどいよねー!王様!』
『そうね!まだ子供なのに・・・。』
「相手は決まってるの?」
「ウィルソン兄様とウィンデル兄様。」
「手加減してもらうようにお願いできないの?」
「ウィンデル兄様はしてくれると思うけど、すぐにバレると思う。」
「何で?」
「一番強いから。」
次男最強なんか!うわー。長男の性格がわからんけど、複雑な感じやな。男のプライドとかさぁ。
「どうやったら勝てるか作戦立てよう!」
「え?」
「だってとりあえず、1本でも勝てばいいんだから。お兄ちゃん達の性格とか、手合わせしたことあるならクセとかさ!完璧な人はいないよ。それにきっと油断してるだろうしね。」
「魔法はダメだよ?」
「肉体強化系魔法は?使えるの?」
「相手には禁止だけど、自分に使うのはいいかわからない。あと、私は強化系魔法は使えないよ。」
純粋に剣技だけとなると、勝ち目は殆どない。必殺技的な隠し玉がないと厳しいな。
なんか漫画とかで読んだ技にヒントないかなー・・・。思い出せー!私の記憶ー!!
・・・
・・・・
・・・・・。
あ!斬釘截鉄!!
なんやっけ~。や・・・柳生新陰流兵法剣術!
『釘を斬り、鉄を截つ』!斬り込んでくる相手の太刀を半身でかわしながら小手をきってカウンターするとか書いてたような・・・?
兎に角、凡人が短期間で勝率あげるならカウンター技しかないやん?!
「ねぇ!カウンター技は教えてもらってないの?」
「うわ!急にどうしたんだ。かうん?技?」
「えと、相手の攻撃をかわしつつ、それを逆手に反撃するんだよ!そういう技はある?」
「い、いや。避ける練習はしているが、攻撃に結びつけるような剣技は知らないな・・・。」
「じゃあ、あと2日は徹底的にその練習をしよう!」
「だが・・・あと2日でどうにかできるのか?」
「どうにかするの!!やるしかないんだよ。万が一にも勝てる見込みがあるとすれば、今はこれしかないよ!」
「・・・そうだな。そのカウタ技とやらに賭けてみよう。少しでも勝機があるのなら・・・。」
「でもこれはフレッドの必殺技でもあるからね!使いどころが大事だよ!」
「そうか。・・・よし!よろしく頼む!」
こうしてカウンターの必殺技特訓が始まった。
言いだしっぺの私がいうのもなんやけど素人の思いつきやし、果たして技を完成できるんかな・・・。ふ、不安や・・・。