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第49話 新しい友達②

そろそろミトラスやクラークネタ降りてこないかな・・・。

マレ・リベロ国に滞在して1週間。午前だけの仕事やから、身体も楽やし時間もあって行動しやすい。


こういう働き方っていいよなぁ~。看護師の時は2交代勤務で夜勤も入ってたから、夜勤明けはほとんど寝てたし。有給も使う事なんて滅多にできなかったから、休みの日は溜めてた洗濯とか掃除とか家事に追われてたし。


まったり、ほどほどの給料でのんびりその日暮らし。・・・これ、最高の働き方やん!!


なんて浮かれモードで歩いていたら、人だかりを見つけた。

「何かあるんですか?」隣の人に声をかけた。


「うん?あぁ、この国の王子様達が剣技のお披露目をするんだ。3日後らしい。」

「へぇ~。それって誰でも見れるんですか?」


「運が良ければかな?コロッセオは入れる人数が限られているからね。」

「どうやったら入れるんだろ。」


「そりゃ、コネか金だよ!」


・・・・・ですよね。


人だかりの先には、一般人用のチケットみたいなのを売っている人が居た。値段は・・・金貨1枚。高っっ!!


『ねーねー買わないの?』『見に行ってみたい~!』

”いやいや、高すぎでしょ?たかだか剣技のお披露目にお金とるとか、ないよー。”


”どうしても見たいなら聖霊体になって行ったら?”

『そっか!』『それいいわね!』


あと1週間は滞在するだろうから見に行けると思うけど。私はどうしよっかなー。ネイマやテテュスがいないとなると、久々に1人っきりタイム?!


ちょっと自由かも。なんていうか、そういう時間って必要やん!

でも急に1人っていうてもなー。何したいとかは今のところ思い浮かばんわ。



ーーーーーーーーーー


翌日船内でも、お披露目剣技の事は話題になっていた。コロッセオでは定期的に試合やら競技があるらしい。


今回の王族が行う行事は数年に一度くらいのレア度。オリンピック的な感じ?


マレ・リベロ国には3人の王子、2人の王女がおるらしくて今回は末の王子のお披露目がメインなんやって。


ゴウが尻尾をブンブン回して駆け寄ってきた。

「メイ!お前入場券買ったのか?!」

「買ってない。高いからやめたよ。」


「おい!なかなか見られないんだぞ!!一緒に行こうぜっ。」

「今回はいいよ。ロゼさんと行くんでしょ?親子で楽しんできて。あ、お土産話期待してるよ!」


「・・・わかったよ。話いっぱいしてやるからな!」

「うん!楽しみにしてるね。」


ゴウは兄弟が多いから、父親と二人きりで出掛けることは小さい頃からほどんどなかったんやって。だから、今回の遠洋漁業では独り占めできて嬉しいやろうなぁ。

いつも以上に仕事を張り切っているゴウを見ると微笑ましいわ。


―――――――――――


午後は、もう一度洞窟か古代遺跡に行く予定だった。


古代遺跡はかなり気になるから、先にそちらへ向かったけど今日は先客が多いみたい。何かあったら騒ぎになるから洞窟へと行き先を変更した。


『前に進まなかった分かれ道のところから行く?』

『じゃあ、そこまで転移魔法で行きましょ♪』


“了解!転移(マイグレート)。”


『あれ?』『ちょっとー。位置間違えた?』


思ってた場所と違うところに転移していた。

“うーん・・・暗いからイメージがいまいちだったのかな?”


やいのやいのと念話していると、少し離れた所で声が聞こえた。


「やー!!ふっ!ふっ!やー!!」


・・・・・。


『あ!あれ前に会った子だ!』

『また練習してるのねー。』


近付いて岩影から覗いてみると、えーと・・・フなんとか君やな!

“必死に練習してるね。”


『声かける?』

“そっとしておこうよ。”『じゃあ、行きましょ♪』


背を向けた瞬間、「痛っ!!」と言う声と剣が地面に落ちた音が響き渡った。

反射的に「大丈夫?!」と声が出てしまった。


「誰だっ?!!」

「あー、えっと僕だよ。メイ!覚えてるかな?」


ゆっくり姿を見せた。

ポタポタと血が滴り落ちており、押さえながら身構えていた。


「あぁ・・・君か。痛っ・・・。」

「えーっと、フ・・・?」『『フレッド!』』

「フレッドだったよね?それ、大丈夫?」


「切ってしまった。悪いが、その布袋から薬をとってもらえないか?すまない・・・。」


この瓶かな?これ、回復薬やん。しかも高いやつ。フレッドって金持ちの子?

手渡すと一気に飲み干した。


血は止まったみたいやけど、傷は治っていない。浅いから大丈夫そうやけど。

「はぁー・・・助かった。ありがとう。」


「すごい汗だね。ずっと一人で剣の練習してるの?」

「あぁ。あと少しで何か掴めそうなんだけど、しっくりこなくて・・・。」


「誰かと練習したらいいと思う。」

「君は剣を使うのか?」


「少しだけどね。僕の父さんは国境警備の兵士だからさ!色々教えてもらったんだ。」

「いいな。私のところは実力主義で、ある程度自分で力をつけないと相手にしてもらえないから。」


「厳しいねー。フレッドはいくつ?」

「12の年になる。」


「僕は14歳。兄弟はいるの?」

「居るが、少し複雑かな。仲が悪いわけではないよ。」


「そっかー。僕はあと一週間くらいこの国にいるから、よかったら剣の稽古付き合うよ?」

「え?!い、いいのか?」


「うん。1人でやるより絶対感覚が掴めると思うから。」

「助かる!メイ、じゃあ今からいいか?」


切った所は痛そうやったけど、よっぽど嬉しいのかそれから休みなく続けて2時間くらい練習した。


「ハァハァ・・・。」「あー!疲れたぁ!」

『お疲れ!』『メイの飲み水、水薬にしといたから飲んでね♪』


“ありがとうー!”


「フレッド、飲み水どうぞ。」「助かる。」ゴクッゴクッ


しばらくすると「あれ?手の痛みが・・・。うわ?!傷が治ってる!!」

「僕も身体が楽になったぁ。」


「メイ・・・。これ回復薬なのか?」

「わかんない。涌き水入れただけだよ?おいしかったね。」ごまかせるかな?


「・・・なんで、私の稽古に付き合ってくれたんだ?」

「え、だって友達だし?」


「え?友達?」

「え?違うの?!」


「いや!そうか。友人か・・・。あの、明日も朝から昼まで頼めるか?」

「あー。午前中は仕事なんだ。船乗り見習いなんだよ、僕。」


「そうか・・・。だったら、昼少しだけ会えないか?」

「昼からなら大丈夫だよ!」


「良かった!では、ここでまた会おう。」

「うん。また明日ね!」


一先ず、フレッドを見送り私達も外へ出た。


『結局探検はできなかっけど、新しい友達できてよかったね!』

『実はね~、精霊体でフレッドに触ったんだぁ。』


“どれどれ・・・。”ステータスブックを開いた。


『フレデリック・マレ・リベロ』12歳、男性。マレ・リベロ国 第5子、第3王子。


“うわぁ、この国の王子様だよ・・・。あ、剣技お披露目ってフレッドのじゃない?”

『だから頑張ってたんだねー。』『民衆の前でなんて大変ね!』


“本当にプレッシャーだろうね。お披露目まで時間ないけど、できる事は協力しよう!”

『『おー!』』


かくして、フレッド応援団を結成した。


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