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怒り

「なんで、あの人は怒りやすいんだ。」

「どうしたんだ。一体。」


少し落ち込んだように。

なんか疲れているみたいに。

容量が悪いこと。この上ない男。

佐江内人生が嘆いている。


そんなに悩んでどうするのだろうか。

悩んだだけ時間の無駄だと気づかないのだろうか。

あまり物事を気にしない。

悩みなど無縁な男。


そう私は多人無関心である。


「まあ、気にするなよ。考えるだけ無駄だよ。あの人は空気を吸うごとく、怒るのだから」


そうあの人こと年中怒りまくっている。沸点が低い男。

地獄心中。

あれだけ沸点が低いなら、なんて経済的なんだろう。

だが、標高が高い山と一緒で人は住みにくいのだろう。

そう空気が薄いのだ。

一緒にいて息がつまる。


「佐江内くん、一体、何があったんだ。」

「それはですね。頼まれた仕事をしてる時、わからないことがあったので聞いたんです。そしたら、自分で考えろって言うんです。わからないんだから、考えようがないじゃないですか。」


まあ、わかる。地獄の態度も良くわかる。

佐江内に何か教えようとしてもまるで響かないのだ。教えるのが嫌になること、この上ない。

私は、この話をスルーすることに決めた。


「まあ、それは置いといて、地獄がなぜ怒りっぽいのか。教えてあげよう。

それは奴が病気だからだ。普通、あの年齢になったら、まあ、この場合は、いい大人ということだが。

普通は、怒らないよね。多少教えにくいとしても怒ったってしょうがないでしょ。エネルギーの無駄だ。

それなのに奴は怒るわけだ。地球に優しくない。時代がエコ。省エネの時代なのに。

奴の所属しているのが省エネ課というのは、なんとも皮肉だね。

だからね。佐江内くん。この場合、奴が常時、怒っているように。君も嘆いている場合ではないんだよ。

あんな精神年齢が低い。人間レベルの低い男にいちいち反応しているなんて無駄だと思わないか。

君だって幼稚園児に何言っても無駄だと思うだろう。

というか。幼稚園児が怒って、駄々を起こしてもしょうがないなと思うだろう。子供なんだから、しょうがないと。だから、奴。地獄は年齢を重ねるも全く成長していない。子供のままだということだ。

いい加減わかりたまえ。僕は常々思っているんだ。地獄という男は人間ではない。チンケな虫だ。

そこらへんにいる蟻と変わらないね。奴を人間と思うから、君は余計な感情に振り回される。

意味のないことだ。」

「虫ってひどくないですか。」

「だから、君はダメなのだ。奴を人間扱いする常識人ではダメなのだよ。奴は非常識なのだから。こちらも同じように常識ではなく、非常識で物事を考えないといけない。郷に入って郷に従えだ。君もいい人間なんてやめてしまえ。あんな奴にいい人で付き合うときみの心が汚染されるぞ。レベルE。非常事態だ。まあ、地獄はすでに畜生道に生きながらに落ちているがな。そんな人ではない存在を気にしてどうなるのだ。この世界にはどうしようもない人がたまにいるがあれはなんでか、知っているかい。佐江内くん。」

「わかりません。」

「思って通りの答えだね。多少物事を考えた方がいいが、まあ、答えを言うとそう言う人は転生1回目だからだ。」

「え!転生。仏教ですか。」

「仏教も何も関係ないが人間的成長がない人は1回目。これは覚えた方がいい。例えば、電車の中で、周りを気にせず、大声で電話をしている迷惑なおっさんがいるだろう。そう奴も1回目だ。転生輪廻を繰り返した人ほど、心が神に近づいている。生きながら、極楽にいるのだよ。きみもたまに感謝することがあるだろう。そういう時に人は極楽にいる。まあ、地獄の場合、名前からしていつも地獄にいるのだ。だからこそいつも怒っているのだよ。そのことに奴は気づいていないだろう。怒りという感情を捨てれば、生きながら極楽に行けることを知らない。常に怒っているより、常に感謝している方が人生を豊かにしてくれる。だから、奴は病気にもなるのだがな。病気とは気の病。つまり、エネルギーが正常でなくなるのだ。この場合のエネルギーとは生命エネルギーだ。奴の怒りはどこから来るか。

それは、地獄から来るのだが、その負のエネルギーを体を通して発していれば、肉体が異常になるのはわかるだろう。じゃあ、仮にいつも感謝しているとしよう。すると肉体にはどういう作用が起こるかというと感謝という正のエネルギーが体を通して発している。肉体はどうなるか。病気など無縁な元気な魅力的なエネルギーに満ち溢れた存在になるというわけだ。ところで、佐江内くん。きみのようにいつも嘆いているとどうなるか。わかるかな。」

「んー!わかりません。」

「相変わらずの不動の答えだね。人間は考える存在だから、神に近い存在なのだよ。まあ、それは置いといて。

次はきみの番だ。佐江内くん。きみのようにいつも周りの影響を受けて悩み嘆き人生とは絶望だと思っているとどうなるか。地獄よりはマシだろうが、同じように体を心を精神をきみの無駄な悩みで蝕むのだよ。きみはいつも悩む。悩むということ自体、意味がないと思わないかい。悩んで悩んでとことん悩む。それで答えは出て来るのだろうか。答えは出ない。はっきり言おう。この世界に悩むことなどないのだよ。悩む暇があるなら、まずは動け。動くこと。行動することできみの中の悩みは消えるのだ。なんで、地獄が怒っているか悩んでいたよね。その答えは、きみがこの世界を知れば、わかるのだよ。体験という教育で。如何にこの世界の現象を素直に見るか。悩むという無駄な行動できみは世界をちゃんと真正面に見ることができていない。悩むことで部屋に閉じこもる。何もやる気が起きない。どうやればいいんだと嘆く。そんな時は音楽をかけてダンスを踊る。外に出て、散歩しながら、自然というものに触れる。佐江内くん。きみは花を見て綺麗だと思うかね。」

「思います。」

「いやいや、ここは定番のわかりませんじゃないのかい。お笑いの基本は天丼だよ。繰り返し繰り返ししないとパターンはできないよ。まあ、冗談はさておき。ここで佐江内くん。わかりません以外の答えを言ったね。いい答えだ。そう、花を見て綺麗だと思う。ここに感受性がある。さあ、ここで地獄くん登場。彼は花を見てどう思うだろうか。」

「わかりません。」

「わからないのかい。佐江内くん。地獄。奴は花を見ても綺麗とは思わない。怒りで心にフィルターがかかり、何を見ても何をやろうが、心に響かない。つまらない人生だ。この世界よくよく見れば、人を楽しませる工夫がいたるところにある。星空を見て感動し、富士山を見て感動し、涙を流し、心を洗い流す。さあ、ここまで理解したと思うが、きみの悩みの正体。これは神のプレゼントなのだよ。きみが悩むことは私から見れば、試練というものになる。私の場合、これを乗り越えるとさらに自分が成長するのがわかるから悩むことなどしない。むしろ、ワクワクドキドキしてこの試練というご褒美を楽しむのだよ。これがきみが見えていないもの。地獄は怒りで物事が見えず、佐江内くん。きみは嘆きで物事が見えない。今こそ心眼するときかもね。開眼しなよ。世界が違って見えるよ。」


この後、佐江内くんがどうなったか。それは佐江内くんだけが知っている。

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