後日譚〜理都×文香に憑いていた悪霊
怪異事件の解決から翌日。
「おかえり〜☆」
手をひらひらと振る少女、理都。
「おかえり〜☆じゃないわよ!回復までかなり時間くったじゃない!」
理都にキレるは、文香に憑いていた悪霊。
「で、冥界土産は?」
「ないわよ」
「で、冥界土産は?」
「だからないってば」
「で、冥界土産は?」
「わかった!渡す、渡すからぁ〜
悪霊退散だけは止めてーっ!
はい……冥界わらび餅よ」
「やったー!」
これは本当に敵対している、和解出来ていない者達のやり取りだろうか。
「あんた、口調とか前と全然違うわね
二重人格か何かじゃないの?」
「嗚呼、気にするな☆」
「いや、気になるわ」
「だって、この口調の方が親しみやすいでせう?」
「……あんたの親友が可哀想に思えてきたわ
あんた相当腹に抱え込んでいるわね
まあ、私が更に増やすことになるんだろうけど」
学校の屋上で二人は会話する。
「そうだね……だってお前さん達は」
私の身体と魂を欲しているのだから。
そう言った理都は、ニヒルな笑みを浮かべながら悪霊を見やる。
「………………っ」
悪霊は恐怖の中に悲しみを混ぜ合わせたような表情になる。
「あたしは、あの御方にも周りの奴らにもかなわない
だけど、あんたにはどいつも劣るわ
あんたが解決しようとすれば、和解しようと思えば出来るはずなのに……」
「無理だよ
和解とか云々以前の問題だから
奴らの願いの達成には、私の身体と魂が必須なのだから
私を手に入れるまで、終わらない
そして、私は奴らの願い達成の為に消滅しなければならない
私は、来るべき時に備えて存在しなくてはならないの」
「…………あたしはあの御方に救われた
だから裏切りたくない
だけど……っ!」
「それ以上は言ってはいけないよ
奴らはお前さんを大事にしている
だから、その続きの言葉は奴らを傷付けてしまうよ?
お前さんだって、奴らが好きなのでしょう?」
「……うん
ありがと」
「そろそろ、帰っておやり」
「そだね……またね!
あんたのことも好きだから!
酷いことしちゃったけど、一緒に遊んでみたかっただけなの!!
ごめんね
ばいばい!」
顔を真っ赤にしながら言った悪霊は去っていった。
理都はそんな悪霊を、困ったような表情で笑いながら見送った。
「ごめんね」
そっと呟かれた言葉は、風に消えていった。




