六十一〜長かったwwww(理都視点)
あれから事情聴取を受けた私達は、再び校内へ戻った。由紀ちゃんとゆーちゃんを捜す為だ……と言っても、居場所は分かっている。
ゆーちゃんが死んだ階段の上に二人は居た。何かを話している様だ。
「由紀ちゃん、ありがとうね
今までや、今日だって……」
「こちらこそ、ありがとう
夕香が居たから自分は笑えるようになれた
あの頃みたいに、また笑えるとは思ってなかったよ」
「そうだね……だけど、もうお別れだよ
由紀ちゃんのお陰で私は、幸せで居られたし、最後まで誰も恨まずに居られた
だから、あれから私達の中で止まった時を動かそう?
やり直そう?」
「そうだね……やり直そう、あの時を」
そう言って、目を閉じた二人。
二人はまるで何かの儀式をするかのように、何処か幻想的な雰囲気を漂わせる。
二人が目を開く。
そして、ゆーちゃんが階段から落ちる。そして、ゆーちゃんを助けるように由紀ちゃんも落ちてゆく。
由紀ちゃんがゆーちゃんの頭を抱えるように抱き締めると、そのまま落下する。
「今度は、守れたよ」
泣きながら由紀ちゃんは言う。
「助けてくれて、ありがとう」
泣きながら微笑むゆーちゃん。
ゆーちゃんの姿は段々と色を無くしてゆく。そんな透け行く身体を由紀ちゃんは力強く抱き締め続ける。
そして、ゆーちゃんが消える瞬間……
「「ありがとう」」
ゆーちゃんの魂は、死神が運んでいった。
「綺麗だったね、二人
私達も、あんな風に綺麗な友情なのかな……」
楓は二人が居た所を見たまま言った。
「……………………」
ごめんね、楓。
でかかった言葉を飲み込んで私は、変わりに言う。
「またね、ゆーちゃん」
「ばいばい、夕香さん」
私達は、ゆーちゃんに別れを告げた。