四十〜楓の見たものは…(楓視点)
少し遡って、私が十朱さんや文香ちゃんとはぐれたときのこと…
「・す・て・・・」
保健室にいるときそんな声が聞こえた。
十朱さんと文香ちゃんが先に部屋から出た。
「た・けて・・・」
それを追って私も出ようとした時、そんな掠れた声がまた聞こえた。
その声が聞こえた瞬間、なんだか意識が重くなった気がした。
私は何を思ったのか…
その声のする方を見て、向かっていった。
鏡の前にたどり着くと、鏡の中に一人の少女が浮かび上がってきた。
「助けてあげて」
文香ちゃんに似た少女はそういったのだ。
「助ける…?誰を…?」
なんとかそういった。
だが…
「助けてあげて」
「……」
「助けt…「もういいよ!!」……」
私の数少ないツッコミスキルが発揮された瞬間だった。
さっきから同じことしか言わないのか…
いや、突っ込んだら黙ったけど…
今度は黙ったままか…
と思ったら鏡の中の少女がおもむろに手を伸ばしてきた。
でも、ホラーでよくある鏡から出てくるとかそういうのじゃなくて…
鏡からこちら側には出てこれないらしい。
「手を重ねて…」
「手を重ねてって…」
私もおもむろに鏡に映る手に自分の手を重ねる。
すると、水に水滴が落ちたかのように波が広がっていき鏡の中にある場所が映った。
「図書室?」
そう、図書室が映った。
しかもその中に、高木先生が映っていたのだ。
「高木先生…?」
先生は机を見てから、図書室から出て行った。
そんな映像が終わると、鏡に戻り少女も映らなくなった。
私は十朱さんたちを探すのではなく図書室に向かった。
その間も意識がぼんやりするような、まるで操られているような感覚だった。
そんな時、ピアノの音が聞こえてきた。
あぁ、これ理都がたまに弾いてたやつだ。
それを聞いてると何かに…誰かに守られているような感じだった。
そのあとは高木先生に会うこともなく図書室に難なく着いた。
高木先生が見た机の前に立ち、少しすると…
「助けてあげて…」
「またか…」
今度は少女が、近くの窓ガラスに映った。
「誰を助けてほしいの?」
「助けてあげて」
「……それだけじゃわからないよ…」
「助けt…「誰だっ!」」
突然、声と共に別れたはずの十朱さんたちが中に入ってきた。




