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再開と勇者

 その生徒達が入ってきた瞬間理解した。あぁ、集団失踪の原因はこれか、と。そして同時に唯の従姉妹も見つかる。そう思った。


 「あの、あなた達はもしかして……」


 定石通りイケメンが問う。すると同じくイケメンが前に出て手を差し出してくる。どの学校にもイケメンという人種はいるものだ。


 「やぁ、初めましてだね。僕の名前は白銀(しろがね) 勇樹(ゆうき)。勇樹って呼んでくれ。職業は勇者で、君達と同じ転移者だ、これからよろしくね」


 あ、この人あれだイケメン……だと区別つかないから、呼び捨てでいいな。光輝とは違うタイプのイケメンだ。光輝は少し残念なところもあるがこいつは違う。完璧超人タイプだ。それに馴れ馴れし……ではなく、フレンドリー。こういうやつは腹の中真っ黒の一番相手にしたくない部類であることが多い。


 「こちらこそ初めまして。星野 光輝です。よろしく」


 そう言って握手をし合う。なんだこれ? 絵になるっちゃあ絵になるけど、そこらへんは腐った方におまかせしましょうか。


 「じゃあ、僕達は報告にいかなきゃいけないからまた後で」


 「ああ、またな勇樹」


 む、馴染んでいらっしゃる。流石イケメン。コミュ力高いな。後は従姉妹探しだ、どんな容姿か聞いてないから探しようがないけど。


 「なぁ、唯。従姉妹ってどんな感じのやつだ? 一緒に探してやるよ」


 「えーと、髪は黒くて長いストレートロングで、キリッとした凛々しい感じの目で、胸の大きい女の子なんだけど、ちょうど白銀君の近くにいるような……あ! 」


 お、見つけたのか、どれどれ長い黒髪の凛々しい目付きで巨乳それでいて白銀の近く、っと。……は?


 「は? 」


 向こうもこっち、正確には唯を見つけたらしく少し驚いた様子で小さく手を振る。そして視線を俺に向けて……固まる。


 「? 刀夜? どうしたの? 」


 その一言で我に反り直ぐに視線を唯に合わせる。向こうも目を反らしたようだった。


 「いや、ちょっとな」


 危ないところだった、声を掛けられなければどっちかが叫びそうになっていた。まさか、アイツが唯の従姉妹だったとは、世界は広いようで案外狭い。


 「あとで紹介するね」


 「ああ、頼む」


 もろもろの事情も含めて、ね。とりあえず代表? 同士の挨拶が終わったところで話が進む。どうやらこの後職業適正やステータスを調べるらしい。……職業適正ってあれだよなさっき白銀が言ってた『勇者』ってやつ。もしかしてずっとああやって名乗るのか、恥ずかしいな。


 「じゃあ、報告を受けなきゃいけないから、これから先は騎士団団長のフリードにやってもらうよ。」


 ああ、王様。いたな。空気だったな。


 「騎士団団長のフリードだ。まずは今からこの銀のプレートと針を配る。配られたら針で指などを傷つけ、血を一滴プレートに垂らしてほしい。そうすればステータスや職業が浮かび上がって来るはずだ。身分証にもなるから無くさずにな」


 そう言って配られたプレートに血を垂らす。


 「……は? 」


 そこに浮かび上がったのは、思いがけないものだった。




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