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異世界召喚

 目を開けるとそこは、中世ヨーロッパを想像させるようなドーム型の白い石造りの建物の中だった。壁には天井まで届く巨大な壁画が描かれていて、足元を見ると教室で見たのとまったく同じ魔方陣があった。その魔方陣の上には気絶しているのか倒れている生徒と、目を覚まし他の生徒を起こす生徒が見える。


 「おい、唯。起きろ」


 「んっ、とうやぁ? ……えへっ、とうやぁ」


 唯は寝ぼけているのか目尻はトロンと下がり頬が緩みきっている、それに呂律が微妙に回っていない。とりあえず目を覚ますために目の前で手を叩く。


 「ひゃんっ、へ? 刀夜? 何? どういうこと? 」


 「そういうのはあいつらが教えてくれると思うぞ? 」


 そう、この場には俺達以外にも人がいる。正確に言うと俺達を取り囲むように一様に白い修道服のようなものを着込みフードのようなものを目深に被っている者達だ。


 そしてその中で一人だけ白いドレス姿の女性が近づいてくる。長く美しい銀髪に蒼い瞳、身長は唯と同じくらいで、年齢もおそらく俺達とあまり変わらないように見える。一部除いて。一歩歩く毎に揺れるそれはまさに俺達のロマ……っ! 鋭い殺気をすぐ隣に感じる。俺の本能がヤバイと警告してくるが、恐る恐るそっちを向く。


 「な、なんだ? 唯? 」


 「別に、知ってたし」


 あきらかに怒っている唯は……とりあえず置いておくとして女性の方に目を向けるとちょうど深呼吸を終え、何かを話そうとしているようだった。


 「私たちの世界へようこそいらっしゃいました、勇者様方! 」


 ふむ勇者様方それに私たちの世界ときたか、とりあえずそこらへんも話してくれるんだろうが、その前になんだあの声。引き込まれるような美しいすぎるソプラノ。クラスのやつらほとんど全員が惚けているじゃないか。危うく俺も聞き惚れそうになりやがった。


 「あ、あの勇者様とは? それにここはいったい……? 」


 おお、すごいぞ。いち早く我に返ったあいつは……学校一格好いいとか言われてるやつだな、名前はたしか星野(ほしの) 光輝(こうき)だ。イケメンだから美女、美少女耐性でもあるのか? まぁいいよく言った。


 「その話は移動してからでもよろしいですか? 」


 周りをみわたして


 「彼らも疲れてしまっているようですから」


 確かに他の修道服を着た者達は肩で息をしている。


 「わかりました、どこへ行くのですか? 」


 「ひとまず王城に来て頂きます、それからは国王様が説明をして下さいます。皆様こちらへ」


 そう言って歩きだす。それに付いていく奴らがほとんどだ、一部には警戒をして歩きださない奴もいるが背後を見ると全身鎧を着た騎士がいる。今のところ付いていくのがいいだろう。まぁあの騎士程度なら隠行を使えば撒けると思うが、唯もいるし土地感もないからな。


 「唯、行くぞ」


 「あ、ちょっと待ってよ」


 さて、どうなるか楽しみだね。まったく。



 







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