表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
New Life Offline  作者: モナカ
The closed β test.
2/23

第一話

男は閉じられていた目蓋を開け、PC画面に映る文字を見た。

「始まる、第二の人生」

“戻ってこれた”事を、状況を把握した男は興奮冷めやらぬ様子でPCのクロック倍率、電圧を下げる。

脳に流し込まれたイメージは、現実を彩る四季彩を全て再現していた。


VR体験を実現するハードに問題があったからだ。

超高速通信で大量のデータが忙しなく頭の中とヘルメット型のデバイス“VRメット”とを通り合うのだが、

発売されてからある事故が起きて生産中止。

会社は開発に費やした金の責任を最高技術責任者に被せ、VR事業を凍結。


元最高技術責任者《CTO》赤井紅葉、彼は会社をクビにされたのちにVRに関する技術を社外に持ち出し、会社を興した。

有限会社ニューライフ、そこで信頼のおける部下とVR技術の開発をしていた。

容れ物であるハードはすぐに完成した。完成品は前の会社でできていた。あとは僅かな修正を入れるのみ。

防水、防塵性に関しての問題があった。長時間の着用による蒸れは勿論、発汗によって接続が不安定になり、利用者の脳の信号が“VRメット”に届かず、意識が電子ダイブしたまま肉体に向かってしまい体が動くなど、他の用途ならともかく瞬間の判断が重要なシビアなゲームに今後使っていくなら致命的であった。


業界を揺るがした事件はコストダウンのために使用している素材を変更したVRメットに、何者かの手によってすり替えられた事から起きた。

一見すると問題はなく安価な部品で赤井のメットと同品質の性能を実現した夢のメット。

しかし、熱伝導効率が下がり、VRメットに搭載されているMPUが高熱により回路が焼け切られる問題が発生した。

VRメットによって脳に異常、死亡する事件が起きた。

これまで科学者として輝かしい人生を送ってきた彼は死んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ