詩 テストが返ってきた
「げ」
テストが返ってきて、がっかりする俺。
まずい、赤点だ。
誰にも見れれないように、そっと机の上にひっくり返す。
彼女はどうだっただろうか?
気になってみれば、嬉しそうに拳を握りしめている。
いい点だったようだと知り、かなり落ち込む。
かっこいい俺を見せたいのに。
良いところを見せたいのに。
失意は放課後まで続き、彼女が声をかけてくる。
「どうしたの?」
「…うん、別に」
さり気なく流したつもりだが、少しおどおどしてしまった。
彼女が不審そうに首を傾げ、目を細める。
「本当に、何もないって」
「おい、嘘つくなよ」
友達が割って入り、口出しする。
「こいつ、赤点とったみたい。勉強、教えてやってくれ」
「おい!!」
俺は怒って椅子から立ち上がったが、友達は素早く逃げていく。
後を追おうとしたが、彼女がブレザーを引っ張ってくる。
「教えてあげようか?」
「え…? でも」
恥ずかしくてもじもじしていると、彼女が机と机を合わせ、向かい側に座る。
「ほら、一緒にやろう?」
「…うん」
大人しく座ると、言ってみる。
「恥ずかしくないのかよ? 馬鹿な彼氏で」
「どこが?」
少し怒ったような口調。
リスみたいに頬を膨らませる。
可愛いなあ、俺の彼女。
誰にも渡すものか。
そう決意し、テストをそっと出すのだった。
「これは…」
彼女の反応は悪くなく、真剣にテストを見てくれる。
俺は喉の渇きを覚えながら、沈黙する。
長い、長い、時間。
彼女は顔をあげると、
「大丈夫。惜しい点があるから、頑張ろう」
「…おう。よろしくお願いします」
「はい」
彼女の笑顔は爽やかなもので、俺は安心してテストと向き合うのだった。




