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遠江へ

おじいさんのありがた~い おはなし。

 源頼義は父の頼信の居所にいた。

「父上、私は急ぎ遠江までいかねばなりません。」

「それは直方殿と関係があるのか。」

「はい。」 

「さすが父上ですね。とりあえず、直方殿に帰還命令を渡すのはお待ちください。」

「しばらく、泳がせておくということだな。」

「ええ、それからあの明懐って僧は偽物です。本物は私が保護しています。」

「わかった。気取られないように監視しておく。」


 京にいる教通と連絡を取るため、クマラは一旦京に戻ることになった。そして十兵衛が軍務が気になる頼義に、遠江に行くことを決意させた。

「ここで、頼義殿が救えるかどうかで、歴史が変わります。」

 十兵衛はそこまでいうと、どうしても同行すると主張する明懐とともに三人で遠江に向かった。


 クマラは保昌邸に着くと、保昌に事情を説明した。保昌は即座に平直方邸に向かい、その行方を調べにかかった。わかったことは、直方の妻子が使用人の一人と共に姿を消していること。直方家の牛車が、河原に放置されていたということ、また、京内の能信の屋敷のそばにあった元従者の住み家付近で盗賊団と思われる一団が姿を消していることであった。保昌は、教通が、いつものように小式部の様子を見に来るまでには、全ての情報を整理していた。


「あの寺は霊視ができないと見ることができないんです。」

「では、教通殿にはわからないのですか?」

「あの時は晴明殿からもらった護身札があったから……。ん、あと一枚残っていました。」

「おっ、では」

「行きましょう。」

「でも、政務は?」

「残る二柱の悪霊退治が最優先ですよ。」



「父上、僕が行きますよ。」

「静!」

 突然、静円が前鬼に乗って庭に下り立った。

「ただいま戻りました。」

 教通と保昌は静円を抱きしめると、にっこり笑ってうなずいた。

「おかえり。」

「急ぎましょう。」

 前鬼が教通と静円、後鬼が保昌を乗せて飛び立とうとすると

「静!」

 臨月に入った小式部が縁に出てきた。

「気を付けてね。」

「はい、行ってきます。」

 静円は、母をしっかりと見つめ、努めて明るく返事をした。


 初めて空を飛んだ保昌と教通であったが、真からも聞かされていたので、内心びくびくしながらもそれぞれ前鬼後鬼にしがみついていた。

「父上、まだ空歩が遅いので、狭くてごめんなさい。」

「いや、普通の人は空を歩くなんてできないよ。」

 静のまだ子供らしい話に教通の緊張は解けたようであった。



 あちらこちら飛び回ってへとへとになっているクマラは、最後に東から遠江に向かって進んでいる十兵衛たちを運ぶため鞍馬山の天狗たちと共に東へ向かった。

「クマラ、へたってない?」

「なんだよ、姉ちゃん。」

「あなたここで待ってなさい。」

 遠江の上空を通り過ぎようとしたところで、ヴィーナスが現れた。

「あっ、これ持って行ってね。」

 ヴィーナスはクマラに携帯扇風機状のものを渡すと、東の空に飛び去って行った。



 十兵衛、頼義、明懐の三人は箱根の峠道を馬で登っていた。

「十兵衛殿もう馬が限界です。」

「私も限界です。」

「だから、明懐さんは残ってって言ったのに」

 

「待たせたわね。美と正義の……」

 峠道の樹上に突然、ヴィーナスが現れた。

「なんでこんなところに?」

「応援に来たわ。」

「運んでくれるのか?」

「私はか弱い女子ですよ。なんでたくましい男三人を……ちょっといいかも」

といいながら、携帯型扇風機状の転移装置を十兵衛たちに向けた。

「わああ」

「おおお」

「ひえー」

と、三人は次々とクマラが待つ場所まで転送されていった。



【ごきょうくん】

おじいさんとのやくそくだよ。

女子はいろんな小道具を持ってるものなんじゃ。 

いよいよ集結

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