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歴史のキーパーソン

おじいさんのありがた~い おはなし。

 そこにぶたさんを下げた金さんがやってきた。

「江戸城は無くなったままだけど、大阪城が巨大になってるって、町には前と同じように明、高麗の奴らもいるが、色の黒いアユタヤやルソンの人たちも住んでるぜ。」

「ちょっと、誰か説明してよ。」


「どうも秀吉さんの時代に明国を滅ぼしちゃったみたい。」

 ヴィーナスが頭に手を当てて変更された記憶を整理している。

「え?」

「その後は戦国大名がどんどん侵攻していって東亜細亜はほぼ制圧して南下してるわ。」

「滅びちゃいないけど、これじゃ日本が元になっちゃったっていうわけ?」

「どうしてこうなったのだ。」

「強くなり過ぎたみたい。元寇で二回とも上陸もさせずに撃破した日本は、対馬で略奪の限りを尽くした高麗に攻め入ったの、攻められるだけだと恩賞が出せないしね。高麗王を捕え元との境で元軍と激突、戦線が硬直し講和したわ。」

「それって文禄慶長の役と似た展開だな。」

「それでその後、疲弊した元は、漢民族の明に滅ぼされ、日本も疲弊して、恩賞が不足して幕府の権威は衰えて、この後の流れはほぼ同じね。ただ違うのは、半島と北の島も確保して大陸に出る道を確保したってことかな。」

「最初から半島を抑えていたら、明国出兵も容易だったということかな。」

「いいえ、それだけじゃなくって、北の満州族の力も借りたみたい。」

「それが清か。」

「ええ、秀吉さんが死んでからも豊臣政権は続いているけど、明の領土だった地域の北側は清が統治しているわ。」


「それでは、私や御老公たちは存在しないことになるな。」

 金ぴか将軍が頭を抱え、金さんもどうしたものかと考え込んでいる。

「これはやり過ぎですね。」

「一度、改変された歴史は簡単には戻らないんだなぁ。」


「ね。また煙が出ているよ。」

「今度はどうしたんだ。」

「ん~、今は織田政権ね。」

「信長か?」

「本能寺の変が起こらなかったみたいなの。」

「ということは、明智光秀は?」

「明智家は織田政権の有力家老として健在よ。」


「また煙が増えたわ。」

「今度は何が起こったんだ。」

「ん~、本願寺が国を動かしてるわ。」


「今度は?」

「ん~、平家政権が続いているわ。」


「今度は?」

「ん~、国が東西に分断しているわ。」


「一体何が起こっているのだ。」

「ぶたさん」を手に御老公一行が入ってきた。 

「六白年前に歴史が激しく変化しておるのじゃ。戦で命を失った人物の本来生まれるはずの子孫が、歴史に影響しておるのじゃろう。」

「ということは、修復不能ということ?」

「歴史には修正力があるはずなんじゃが、鍵となる人物を死なせないこととが肝心じゃ。」

「その鍵となる人物が歴史にない戦で命を落としたということですか?」

「または、今変化している六百年前に命を落とす可能性が高いということじゃな。」

「豊臣、織田、本願寺、平家………。」

マーキュリーが時空データベースに取り込んだ「大日本史」を検索している。

「史実は、源、足利、徳川。戦国は今川、武田……、わかった!」

「マーキュリー、わかったの?」

「ええ、鍵は源氏よ。」

 マーキュリーは源氏の家系図を表示した。

「元をたどれば、全ては源義家につながるわ。そしてこの義家は、頼義さんの子。」

「そういえば、平忠常の乱の発生が早まったのじゃったの。」

「大江山騒動で、都に攻め上ったところを撃退したのよね。」

「史実では、関東で起こった反乱を源頼信、頼義親子が鎮圧した。」

「何かを見落としているんだわ。」


「平忠常の乱」1028-1031 房総三カ国(上総国、下総国、安房国)で1028年に起きた反乱。平将門の叔父平良文の子孫に当たる平忠常が乱を起こす。朝廷は平直方を総大将として追討軍を送るが鎮圧できず、源頼信を起用することで忠常は降伏した。


「ねえ、この平直方って、源義家のお爺さんよ。」

「うむ。この乱の後に、源頼義と婚約しておるな。ということは、乱がおこらなかったのだから、婚儀がなくなった可能性もあるな。」

「じゃあ、源頼義と、平直方の娘を結婚させればいいのね。」

「ムーン、それは難しいかも、だって発生が四年以上早くなったのよ。この時点ではまだ平直方の娘は子供よ。」

「これが、原因じゃな。」


源義家の誕生は1039年、この時点で頼義は50歳を越えている。 


【ごきょうくん】

おじいさんとのやくそくだよ。

一つの婚姻が歴史を変えることになるんじゃ。

源氏の英雄の誕生が鍵

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