算数教室
おじいさんのありがた~い おはなし。
稲荷山のアジトでは今日も、ど〇きつねたちが優雅なティータイムという名のおやつタイムを取っていた。今日のおやつは「魔華崙」という南蛮渡来のお菓子だった。
「最近、流行ってるのよね。」
「まあ、葡萄牙が阿蘭陀に追い出されてから入ってきたって」
「これは仏蘭西という国のものらしいですわ。」
九州がポルトガルの植民地になっていたのをオランダ、イギリスが追い出したのが今の歴史であった。明国はヨーロッパの侵略に屈していた。清に中国本土を追放された混乱の中でどさくさ紛れに奪われたのだが、現在九州はイギリスとオランダが分割していた。
「でさ、今日のお茶は何飲む?」
「それはもちろんカフェオーレでしょ。」
「ちょっと、ムーン」
「何? カフェオーレーがどうしたの。あっオーレーじゃなくってオーレね。」
「おい、ムーン!」
「ああ? オーレじゃなくってオレ?オレー?」
「私にも分けてもらおうかな。」
将軍様がにっこりとわらってテーブルに近づいてきた。
「え?何で将軍様………。」
「だから、何回このパターンやってんだよ。」
「本当に学習しない方々ですわね。」
「…………。」
ウラヌスたちが研究室からマーキュリーと出てきた。マーキュリーが疲れた顔をしている。ここ数日夜遅くまで研究していたらしい。
「出来たわよ。」
「ご苦労様、すぐティーカップを出すわ。」
ムーンは棚から人数分のティーカップを出して並べ始めた。研究室組がテーブルに着いたが、カフェオレは出て来ない。
「ねえ。マーキュリー、カフェオレは?」
「何で、私が?」
「さっき、出来たって言ってたでしょ。」
「出来たのは、異界に帰す装置!」
「え? ホント? 出来たの?」
数日前、稲荷山アジトのデータベースから古い設計図が出てきた。これによると稲荷神社そのものが、異界のものを異界に帰す巨大な装置であった。そこで、山に散在する社が八角形を複数組み合わせた一種の魔法陣となるのだが、まだ1/3程しか出来てなかった。そこで残りの社を立てる必要があるのだが、今の時代勝手に社を建てることなどできない。それは600年まえの世界でも同じであろう。月のうさぎたちの話では400年前に二基設置したのが最後だったらしい。600年前に設置するのなら、全体の3/4の〇〇基用意することになる。
「それではムーン、異界に帰すために必要な装置は全部で何個でしょう?〇の中に当てはまる数字を入れなさい。」
「私算数苦手なんだ。」
「ふーん、そんなにいるんだ。」
「え?ジュピターわかったの?」
「私、計算は得意なんだ。」
「売掛の計算、しょっちゅうやってるもんな。よく誤魔化されてるし」
マーズがからかっているが答えはわかっていないようだ。
「ふん、600年前の世界に戻って、十兵衛に十〇基もの社を建てさせるのは無理があるな。」
「しーっ、将軍様、答え言ってる。」
「まあいいわ、そこで作ったのがこれ、社の中に設置された装置の小型版、これなら、本来結界の社を建てる予定の場所に建てられた鳥居にも隠せるわ。」
「うむ。これなら十兵衛に○○基全部運んでもらえそうだな。」
「でも、十兵衛さんなかなか戻ってきませんね。」
「ヴィーナスに呼び出してもらえばいいじゃん。あっ私答えわかったよ。」
「だから、答えはいくつなの? 誰か教えてよ。」
「待たせたわね。必要なのは二十基よ。」
ヴィーナスがいつものように遅れて現れた。
「残念、ハズレです。」
「いえ、二十基よ。壊れていたものがあったわ。」
「ぶたさん」から細い煙が上がっている。
「何か変化があったみたいだな。」
転移装置からぶーが出てきた。
「酒呑童寺と銅像が戻りました。」
「おー!十兵衛たち上手くやったのか。」
「そうなんですが……。やっぱり小式部さんの像はなくって、酒呑童寺のステージには巨大な金ぴかの太閤秀吉の像が」
「豊臣秀吉か?」
「それで、最初の答えはいくつなの?」
ムーンが一人叫んでいた。
【ごきょうくん】
おじいさんとのやくそくだよ。
算数の勉強ちゃんとしないと騙されるぞ。
さて、最初の答えは何でしょう。
小学校の算数の問題ですね。




