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改変されたもの?

おじいさんのありがた~い おはなし。

「十兵衛さん、正しい歴史ではわが藤原氏はどうなるのですか。」

「今後50年は頼通さんの時代だな。」

「安泰なのですね。」

「いや、奥州の反乱だけでなく、地方で反乱が始まる。それで武装した武士団の力に頼ることになり……。」

「武家の世の中になるのですね。やはり、藤原一門の荘園支配が問題なのでしょうか。」

「不満の原因はそうだったらしいが、藤原と縁のない上皇が出てな。上皇まで自分の荘園、自分を警護する武士団を集めはじめたのだ。ところが皇族の血を引く武士団が力を持ってその武士団が荘園を支配する…。」

「やはり『荘園整理令』を徹底すべきなんですね。」

 教通は公地公民が建前の朝廷に、膨大な私有地を認める荘園に疑問を感じていた。もちろん兄の頼通も気づいているだろうが、だれも自分の損になる改革など提案しない。

「少なくとも俺の読んだ『大日本史』では教通さんの代でやっと整理が始まったって」

「私ですか?」

「だから、藤原摂関家の力をおとした張本人らしいぜ。」

「私が力を持つまで、整理できないのですね。」

「でも、その間に他の氏族からの恨みを買い、反乱が多発する。」

「民衆の不満や恨みは悪霊が利用しやすくなるな。平忠常もそれで動いたらしいな。」


「で、だ。600年後のみんなが出した結論が、奥州に関わる悪霊と、朝廷に関わる悪霊の排除を優先させる方がいいということだ。」

「先ほど藤原と縁のない上皇と言いましたね。父が四后がならなかったとも聞きました。兄の娘にこのまま男子が生まれないのでしょうか。」

「細かいところは書いていないけど、確か天皇の外戚になれなかったとあるぞ。」

「うちの長女の生子を入内させろとうるさいわけか。」

「そんな事可哀そうよ。まだ11歳よ。ね。上東門院様に相談してみたら」

「上東門院?」

「ええ、私たち女官が仕える、亡くなった一条天皇の中宮だった彰子様よ。」

「姉上か。」

「きっと、道長様がいなくなったら、頼通様を止められるのは上東門院さまだけだわ。」

「ね。ママ、私も彰子様の元に仕えていい?」

 下の妹たちの世話をしていた真が、突然、部屋に入ってきた。

「どうしたの。とつぜん?」

「晴明様が、傍にいるようにって」

「なるほど、そこを狙ってくると晴明殿も考えているのか。」

「姉上は確かに帝の三后を一人で務めた方。今後の朝廷、藤原家の重鎮になるな。」

「年が開けると十歳になるから、そこから一緒に参りましょう。」

 お腹のかなり大きくなった小式部は、真の頭を優しくなでた。


「それで、朝廷は教通様と女官組で守るとして、藤原氏の荘園支配に対する不満はどうする。これが奥州政権につながるんだろう。」

「これについては、クマラ殿から聞いた面白い話がありましてな。」

 保昌が大江山を守り切ったクマラと話した時の話を切り出した。

「この後、平忠常の所領であった関東と、それに加わった武士団の領地を平直方という武将が接収に行くことになるが、失敗して源頼信、頼義親子が派遣されることになる。」

「それは『大日本史』の平忠常の乱の記述に似てきたぞ。」

「それに成功して、源氏は関東の武士たちの頭領となり、英雄の誕生を迎えることになるということです。」

「なるほど、この時期から関東に影響力を持ってないと英雄義家も、将軍頼朝も誕生しないわけだ。」

「ではこれを陰ながら支援すればいいのかな。」 

「いえ、歴史の強制力で戦いの方は元の形に戻るって、だからそれを妨害しようとするものを阻止しなさいって。」

「小式部よ、それは誰が?」

「天神様よ。八幡様がついているから負けることはないっていってるわ。」


「悪霊の残りが蘇我親子と道鏡だとすると、朝廷、関東、奥州に分散しているのか。」

 保昌は十兵衛の話から広げた地図を見ながら考えている。

「貢租が治められてないからと遠い奥州に、しかも俘囚相手に戦う余裕は今の朝廷にはありません。」

 教通も行成が体調を崩して以来、朝廷の財政を一人で支えている立場としても事の重大さとかかる負担、その負担に対する更なる不満が集まる恐れ、と様々なことが頭の中を駆け巡っていた。

「うん、そうね。さすが田村麻呂様だわ。」

「ん、どうした。」

「阿弖流為を連れて田村麻呂様が安倍氏に従っている蝦夷の民を説得するって」

「説得する?」

「海の向こうの広大な島を蝦夷の土地として移住を進めるって」

「なるほど、切り離しを図るということかな。」

「600年後も蝦夷地と呼ばれている大きな島だ。」

「そうすれば、奥州の兵力もそこまで増えないということか。」

「いやいや、みなさん。その陸奥の奥地までどうやって霊を運ぶのですか。阿弖流為は頼義様と、田村麻呂様は小式部と一緒です。頼義殿は関東に攻め込みますよね。小式部はこの通りでとても旅はできません。」

「それは、クマラたちと相談だろうな。」

 十兵衛が、そういったところで、誰かが訪ねてきた気配がした。そして和泉式部が慌てた様子で部屋に入ってきた。

「あの、清少納言さんが……」


【ごきょうくん】

おじいさんとのやくそくだよ。

蝦夷はアイヌ民族の始まりだそうだ、

樺太や千島、それから大陸の一部にもいたそうだ。

これまで空気だった清少納言に何が?

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