ホストクラブ「GENJI」
おじいさんのありがた~い おはなし。
「異界のものの魂は、どうやって異界に帰せばいいのだ。」
道長は、ここで一番の問題となりそうなことを指摘した。
「以前は月世界のものが、連れ帰っていたそうなんですが、殺されて霊体となってしまい。」
「悪霊になったのか?」
「いえ、晴明殿が取り込んで、式神としました。」
「すると、晴明殿の式神の正体は」
「異界のものの魂を取り込んだもののようです。」
「それでは、異界のものの魂は式神にすればいいのか?」
「いえ、今の私たちにはそのような力はありません。」
吉平、吉昌の兄弟は悔しそうに下を向いた。
「他にそのような力を持つものがいるのか。」
「道満殿なら、父の力を盗んでいるかもしれません。あと一人いるとすれば……」
「誰なのだ?」
「真様です。」
「え!!」
思わず、保昌、教通、公任は同時に声を上げていた。
「孫の真か?」
道長も意外な顔をしていた。しかし教通には思い当たることがあったようだ。
「先日、妻が亡くなった際に悪霊を見たのは真でした。」
「うむ。あの子には霊視の力があったな。」
「父が、小式部さんの子の中で、一番霊力が高いと言っておりました。」
「父の霊が指導しているようなのです。」
「皆さん、ここに葛葉さんを呼べませんか?」
十兵衛は殺されて式神となったど〇きつねを呼んでもらうことにした。
「最近、勝手に札から外に出ているみたいで、呼んでくるかは分かりませんが、とりあえず呼んでみましょう。」
吉平が符を取り出して呪を唱えると……。
「はーい、呼んだ? あっ、十兵衛君じゃない。ここって……、あっ息子ズ」
「まとめていうな!」
「どうしたの?あっ、十兵衛君がいるということは……。」
葛葉は同期を始めたようであった。式神を初めて目にした道長、頼通と四納言は驚いている。
「このものが、異界のものの魂を集めていたのか?」
「ええそうよ。でも今はこの体だし無理なの。」
「それでは異界のものの魂はどうなるのじゃ。」
「危険なものは晴明さんが式神にしてたんだけど……。」
「今、問題となっているのは『酒呑童子』なんだ。」
「そっか、大物ね。確かに悪霊に利用されたら大変かも。」
「異世界に返すことはできないのか?」
「ん~。月世界と連絡とってみる。」
「それができると、この問題は解決できるかな。」
「あっ、そうだった。あのね。十兵衛さんにジュピターからの伝言。」
「ジュピターさん?」
「ホストクラブ『GENJI』跡という石碑が無くなっていること忘れないでねって」
「あの小式部たちが破壊したホストクラブか?」
「無くなっているということは……紫式部?」
「紫?あの子に何かあるのか。すぐに助けに行かねば」
とオロオロしている道長を除いて、周りの人々はどういうことなのか理解していなかったが、保昌が思い出したようであった。
「紫式部を守護していたのは、ほかならぬ『ヒカル』と、その名をとった後世のグループ、あのホストクラブの痕跡が消えるということは……。」
「とりあえず、紫さんのところへ向かいましょう。」
頼信、頼義親子が、外に待たせていた家来を引き連れて紫式部宅へ向かった。
「しかし、あれは話の登場人物ですよね。」
「娘が聞いた業平殿の話では、あまりに多くの人たちに時代を越えて読まれて、霊としての核を持ったとのことだ。」
「なるほど、思いが力を与えるということだな。わしは後の世でどのように思われるんじゃろうな。」
「それを言うなら、私もです。」
道長と頼通は、時には人に恨まれることもあった自分たちのことを思った。
「これだけは教えておきます。道長殿は『一家立三后』、頼通殿は宇治に作ろうとしている別宅が後の世に残ります。本来は消せないはずなんです。」
十兵衛は、ここまでは語っていいだろうと判断して二人に伝えた。
「四后は無理だったか。あとは頼通、教通の娘に期待じゃな。」
「まだ、あの場所手に入れたばかりで、どう使おうかと思ってました。」
十兵衛は自分の知る史実を伝えるのはやめようと思った。
「しかし、痕跡が消えるというのはどういうことだ。」
保昌は「小しきぶ」の一説を思い出していた。
「光源氏が死ぬんだ。」
「それで霊となるのか。」
「石山寺に急ごう。十兵衛殿、吉平殿、吉昌殿もついてきて欲しい。」
「石山?」
「そこに答えがあります。」
「頼信さんたちにも伝えておいてください。」
「私は、行かなくていいの。」
「葛葉さんは、大事なことがありますよね。」
「わかったわ。」
【ごきょうくん】
おじいさんとのやくそくだよ。
自分の役割を忘れないことじゃな。
バブルと共に消えたあのグループw




