改変感知装置
おじいさんのありがた~い おはなし。
「待たせたわね。長老を連れてきたわ。」
鞍馬山からヴィーナスが長老天狗を連れて戻ってきた。そしてぶーのカツラの下の角に触れ、マジックハンマー(特)でぶーを叩いた。
「何をするんで………。ああ、ああ、ああ、そうだ。」
「ぶーさん、思い出しました?」
「はい、そうですね。この間打ち合わせと、小式部さん………。何で忘れていたんだ。」
「ぶーさん。歴史が書き換えられているみたいなの。」
「表の銅像はどうしたの?」
「あれは600年前に建てられた銅像なんですが………。小式部さん、晴明さんがありませんね。どうしたんだろう。」
ぶーも改変される前の歴史と。新たに更新された歴史の二つの同異に気づき始めた。
「しかし、鬼族は増えました。鬼退治の被害は出てますが」
「その鬼たちの死後の魂はどこに行ったの?」
「その魂は月に返すべきなのよね。」
十兵衛は、鬼たちが生かされている本当の理由に思い当たった。
「この地を彷徨う月のものの魂は、地球の悪霊に取り込まれて災厄をもたらす。特に恨みが深い魂は、悪霊に取り込まれやすい。」
「その通りです。私もこの改変が最近起こったことに気づきました。」
長老天狗がいう。
「大規模な歴史改変が行われているみたいです。いまこの世界の時間軸が不安定になっています。クマラもそれを心配して各時代に飛んでいますが、既に元の歴史がどのようなものであったのかさえ分からなくなっているようなのです。」
「そのための『大日本史』じゃよ。」
いきなり三人の手下を連れた老人が部屋に入ってきた。
「この書は改変の影響を受けないように、特別な入れ物に入れてある。わしもこれを見て確認しておるのじゃ。」
御老公はイヌ仮面の男が持つ道中行李から、『大日本史』を取り出した。
「その入れ物って見せてもらえませんか。」
マーキュリーは入れ物を受け取ると、肩に掛けた異次元ポシェットから分析器を取り出した。そして表示される様々なデータを見ている。
「これなら、同じようなものが作れるかもしれません。稲荷山に行きましょう。」
「時間改変の影響を受けないのか。」
「それだけでは足りないわ。ムーン、月から応援を呼んで」
「わかったわ。」
「天狗さんたちも力を貸してもらえるかしら。」
「分かった。ちょっと待ってくれ、仲間を呼ぶから」
長老天狗が呼んだ、カラス天狗たちによって、十兵衛と、ど〇きつね一行は稲荷山アジトに運ばれた。きつねたちは初めて飛ぶ空の風景に歓声をあげたため、都では、天から奇妙な声がするとちょっとした騒ぎになった。声を上げる度、自分で飛べるヴィーナスがマジックハンマー(並)で殴っていた。
アジトには三人の美少女ど〇きつね戦士が待っていた。
「愛と沈黙の美少女ど〇きつね戦士 ど〇サターン。土星に代わって……。」
「愛と天空の美少女ど〇きつね戦士 ど〇ウラヌス。天王星に代わって……。」
「愛と深海の美少女ど〇きつね戦士 ど〇ネプチューン。海王星に代わって……。」
「あの~、あなたたち『愛と』はいらなくない?」
早速ムーンがツッコミを入れると、ネプチューンが不満そうに言い返した。
「なんか変ですけど、あなたたちに合わせましたのよ。」
「で、オレ達に何の用だい。」
「………。」
美少年の姿になったウラヌスが男前に答える。サターンは黙っている。今日の分のセリフは終わったようだった。
マーキュリーは稲荷山アジトに到着すると研究室に入ったきりしばらく出て来なかった。 そして、一行がおやつを食べ終えたころ出てきた。
「できたわ。これでなんとかなるかも、御老公は?」
「あっ、置いてきた。」
ムーンが、今更のようにいうと、茶を飲みながら老人が
「ここにおりますぞ。」
「え?さっき天狗さんに運んでもらわなかったよね。」
「わしらは、この旅の頭巾がありますからな。」
そういえば、御老公もイヌ、サル、キジの仮面を被った男たちも頭巾を頭にかぶっていた。
「その『大日本史』を貸してもらえますか。」
「これは何十冊もありますぞ。」
「そうね。この600年分でいいわ。」
「マーキュリー、どうするの?」
「この本の内容を読み込ませて、改変が起こったら警告するの。」
「警告?」
「よい変化の場合と、悪い方向に変化した場合に分かるように煙の出し方を変えたわ。」
「煙?」
「これよ。これをウラヌス達に何台か作ってほしいの。」
マーキュリーは大きく口を空けた豚さんのデザインされたものを取り出した。
「これって……。」
「蚊取り線香?」
【ごきょうくん】
おじいさんとのやくそくだよ。
旅の頭巾には不思議な力があるんだぞ。
見つけたらだいじにするんじゃぞ。
黄門様の頭巾の秘密




