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葬儀

おじいさんのありがた~い おはなし。

 葬儀は密やかに行われた。知らせを聞いた道長は見舞いの品を送り。頼通はお忍びで現れた。教通と公任が喪主となり、小式部もあれこれと手配している。

 教通の異母兄弟、頼宗、長家も弔問に現れ、僧籍に入った顕信も経をあげに現れた。

 能信は検非違使から釈放させた従者たちを引き連れて現れた。

「この度は、ご愁傷さまですね。でも奥方様は男子を残せて幸いでしたね。」

 能信はガラの悪そうな従者とニヤニヤと笑い合っている。

「おや、その従者たちはいつ出られたので。」

 保昌が間に入ると、従者たちは素知らぬ顔をしている。

「ああ武官殿か。証拠もないのに届け出られても困るんですがね。検非違使も暇じゃないんですよ。」

「そうですか。そんな悪名高い従者を引き連れていたら能信殿の品位が下がりますよ。」

「なんだと、父上に気に入られているからっていい気になるなよ。」

「その父上の品位を汚していることに気づかないんですか。」

「何を!」

 殴りかかろうとする能信を、源頼信が止めに入る。

「能信殿、その従者を厳しく管理することを条件に釈放したのですぞ。」

「だから、武官ごときが口出しするんじゃない。」

「能信!いい加減にしろ。」

 長兄、頼通が騒ぎに気付いて止めに入る。


 能信は騒ぎの責任を問われて、道長から謹慎を申しつけられた。

 しかし、謹慎ももう何度も経験している能信にはあまり効き目はなかった。

「だいたい、あの教通ばかり、いい嫁が来て、出世しておかしいじゃないか。あんなへなちょこ野郎に何ができるっていうんだ。少しは兄を尊敬しろっていうんだ。」

 屋敷に戻ると能信は、従者たちと酒を飲んで文句を言い合っている。

「なに道長様が亡くなれば、能信殿の思い通りになりますよ。」

「頼通とか教通なんて力ありませんし、道長殿も四男でしたよね。」

「お前ら、頼りにしてるぜ……。」

 能信は酔って眠ってしまったようだった。


「狙いは小式部の方だったんですがな。」

「先日失敗したしな。妙な助けが入ったしのう。」

「でも父上、この滝夜叉のリストに残っているのは、もうわずかですよ。」

「道長、頼通、教通、小式部、保昌の5人か。道長はそろそろ寿命だろ。」

「しかし、われわれの戦力は増えてません。」

「頼光も晴明も取り込めなかったしのう。まさかあの四天王まで逃すとはどうなっているんだ。」

「源氏一門は厄介ですよ。八幡様がついていますし。」

「まあ、頼通、教通兄弟の子孫を根絶やしにすれば、藤原の力は落ちますよ。」

「まあ、地味じゃがいまはそれしかないかのう。」

 能信の従者を操っている蘇我入鹿、蝦夷、伴善男はそれぞれ藤原家の勢力を落とす道を探っていた。女子を入内させ皇子を産ませ外祖父となる藤原家のシステムの破壊がじわじわと進んでいた。

「それで、陸奥の方はどうなっておるのじゃ。」

「阿弖流為が源氏からはなれないもので、どうにもなりません。しかし、頼信の配下であった平忠常という男を押さえました。それで、関東で将門の残党を取り込んで反乱を起こさせます。」

「それで頼信、頼光親子が京から離れるということか?」

「その間は源氏の邪魔は入りません。」

「で、道鏡は何をしているんだ。」

「未亡人追いかけ回ってますよ。」

「霊体になっても性欲が無くならんとはさすがじゃな。」

「世間の悪評が元となっているようですね。」

 


 柳生十兵衛が平安世界に舞い戻って、藤原保昌邸に向かう途中で、話している町の人の声に聞き捨てならない情報があった。

「小式部内侍が亡くなった?」

 戻ってくる時間が狂ったのか、事情を詳しく聞こうと、話している男を捕まえて訊ねると、どうやら、教通の妻が呪い殺されたらしい。公任の娘は、その名は知られていないため、公任の養娘の小式部内侍が亡くなったと町中の噂になっていた。

 急いで保昌邸に着くと、案内を求めた。しかし、保昌一家は留守ということで、二人の幼い女の子を見ている乳母だけが残っていた。どうやら小式部内侍には問題がないようであった。

 そこで、十兵衛は金さんから渡された「小しきぶ」という絵草子をもって、帰りを待つことにした。



【ごきょうくん】

おじいさんとのやくそくだよ。

お葬式はお行儀よくするんだぞ。


やはり奴らが暗躍

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