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詩《うた》をきかせて  作者: 生永祥
16/54

★第16話 ハリネズミ

震える身体と

心を持ち合わせ

頼れるものなど

何にもないように


背中を向けている

弱さを隠しては

虚勢を身につけて

憂いを滲ませて


あの鋭さとか

荒さだとか

幻だとしても

この胸に潜むずるさなんか


表には出ている

見えている


その細く硬い針で

貫いてしまいたい

あの心の奥底に

風穴がくくらい




呆れる世界のことわりなんかには

意味など無くても

気にはなるようで


生唾なまつば吐いてみる

嘘などついてみる

虚無感染み付いて

涙が溢れそう


あの鋭さには弱みなんか

見せないだとしても

この胸をうずく弱音だとか

本当は出ている

知っている


その細く硬い針で

貫くことが出来ず

あの心の柔らかな

芯に触れ気がついた




あのまんまるの目

潤ませては

鳴き声をあげても

この胸をえぐひがみなんて

世界にはいくつも溢れる


その細く硬い針で

貫いてしまいたい

あの心の奥底に

風穴が開くくらい


その細く硬い針で

貫くことが出来ず

あの心の柔らかな

芯に触れ気がついた




――『ハリネズミ・天野柚木也』

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