21.この問題は難解でした
「さて、明日のテストの為に少し予習しておきましょう」
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翌日もすっきりとした目覚めの朝を迎えられた。
ミラさんが用意してくれたモーニングティーを頂き支度を始める。
本日はシンプルなワンピーススタイル。
座学テストのみなので終わったら、ベルン様の都合がつけば町の案内をしてもらう予定だ。
今度は邪魔されないといいなと思う。
「さて、テストに集中しませんと」
指先で軽く頬を打ち思想の切り替えを促せば気合が入る。
迎えの馬車に乗り込み学術院へむけて走り出す。
今日の護衛はアリスターだ。
「お嬢様の護衛も久しぶりに感じますな」
「ええ、お屋敷での生活はいかが?」
「毎日遣り甲斐がありましてな、昨日はロン様と一緒に体を動かしておりました」
「そうでしたの」
屋敷が壊れていないかしら。
ロン先生が結界を張っているだろうから心配はないだろうけど。
とはいえ彼の表情を見れば楽しくて仕方がないのは一目瞭然だ。
他愛ない会話を交わしている間に学術院へと到着し馬車を降りる。
「お嬢様いってらっしゃいませ」
「ありがとう、アリスター。皆によろしく伝えておいて」
「心得ておりますとも。お早いお帰りお待ちしております」
昨日とは違い学術院周辺には人が疎らだ。
先生や在校生、寮生が学内を移動しているのだろう。
学内の受付へいくとテストを受ける教室へ案内してくれた。
受験は私だけのようで逆に緊張してしまうが集中しやすい環境だ。
本日も昨日の監督生が担当されているようで軽いご挨拶をしテストを開始する。
(この問題は昨日の応用ですか――こちらの問題は引っ掛け問題ですね)
ペンが紙をひっかく音だけが心地よく聞こえた。
日が高い位置に到達した頃にはテスト終了をベルが告げると用紙を提出して教室を出る。
廊下ではベルン様が待機してくれていた。
「ベルン様、ごきげんよう」
「メル様、こんにちはテストお疲れ様でした」
「もしかしてお待たせしてしまいましたか?」
「いえいえ、俺も学術院の用事があって今来たところですよ」
自然とエスコートしてくれるベルン様の横を歩いていると周りの視線を少なからず感じた。
ベルン様が婚約した噂は広まっているのだろう。
ベルン様の人気は計り知れない。
「昼食は食堂か街どちらで頂きますか?」
「冒険したいので街に行きたいです」
「では、街へまいりましょう」
街歩きが好きなのかしら?いつもよりも浮き立っている雰囲気がある。
ベルン様が用意してくださった馬車に乗り街へと下る。
向かい合って座ると少し頬が熱くなるのを感じながらも心地よい時間が流れた。
移動中ベルン様は断りを入れ本を取り出した。
私の視線が本に向かっている事に気付いたのか説明してくれる。
「こちらは個人で発刊されている詩集です」
「個人でですか?」
「エーデルシュタイン帝国は紙の生産が進んでいるので個人でも多少の財力があれば発刊することが出来るのです」
成程、だからエーデルシュタイン帝国では本が出回つ為に学力の水準が高いのか。
所持している本はご友人が発刊したらしいのだが読んでいるベルン様は微妙な顔をして文字を追っている。
「あの、難解な本なのですか?」
「え? ああ、いや、難解と言えば難解なのですが」
そういうとベルン様は詩集の一部を見せてくれる。
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君に祈りを捧げる
切ないって言えない
凪いだページに刻む
甘酸っぱい日常
真っ白な透明な僕は
ただ 伝えたいんだ
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「えっと」
「いいんだ、無理に感想を述べなくても」
どのページも恋愛系の詩集のようだった。
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