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物臭男のこと

作者: 小城

 今は昔、都に物臭なる男ありけり。なべて物臭にして、職にはつきたれども特に優れたることもせず。女房共に交わりてかしづきたる。日毎に痩せたるが何事にやあらず。もとより痩せなむといふ。その男も思ひ悩みなむにや、女房共の機嫌伺ひて、のち他の者共と仲違いせむとて我が我がと仲立ちし侍る。またある女房国へ帰りなむとせば「いかに如何に。」とて心惑はし落ち着かず。守より何事か到来せば女房共の機嫌悪しくならざるにやとこれまた仲立ちし侍る。げによりてその男、女房共の一手一手に心揺らがせ穏やかなるときなく。女房共今度宮へ詣でむと聞けば「我は如何に。」と物寂しく。何事にも手つかずなりて世を終わりなむとぞ伝へ侍る。

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