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九、夢オチ?
「千晶ちゃん!起きて!千晶ちゃん!」
朝になり、唯来姉が障子を開けて私を揺り起こした。
「ん〜?もうちょっと寝かせてよぉ。昨日戦って疲れたんだか…えっ?」
私はガバッと布団から飛び起き、辺りを見回した。そこは間違いなく、泊まっている旅館の一室であり、唯来姉と京さんが一足先に布団を片付けていた。
「あれっ?唯来姉…、京さんも…何ともないの?」
2人はお互いの顔を見合わせて、けらけらと笑った。
「千晶ちゃんっ…ちょっ…ハハハッ。」
「ひーっ…お腹痛い。夢で何と戦ってたのさ。」
あれは夢だったのだろうか。それにしてはやけにリアルだったな…。
私は首を傾げた。
「…そっ…か。夢だよね!そりゃそうだ。あんな魔法みたいなこと起こる訳ないわ。」
若干、夢だと認識することに違和感を覚えたが、自分を納得させる様に私もつられて笑った。
その後、話を聞いた輝たちにめちゃくちゃ馬鹿にされたのは、言うまでもない。