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十五、不思議な地図
「そんでとりあえず、手がかりと仲間探しとった。そしたらこの前、嬢チャンとその兎を見つけたわけや。」
恭士さんはそう言いながら、折りたたんである和紙の方をちゃぶ台の上に広げた。破けてボロボロになってはいたが、一目で日本列島の地図だと分かった。そしてその地図の端には、動物を表す十二の文字が記されていた。
それは、日本人なら誰もが見たことのある特別な組み合わせの動物たち。
「これって…。」
「そや。人が生まれると同時にそれが決まり、十干から派生して、風水なんかにも用いられとる生き物たち。」
文字たちが思い思いに動きはじめ、地図の上を移動する。
「十二支や。」