表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
通りすがりの陰陽師1  作者: チャーハン・神代
1/104

〜千年前、京都〜

「…おそらくこれが、私の最後の仕事となろう。晴信はるのぶ、後のことはお主に任せたぞ。」


 炎に包まれる京の都。その中央に位置する大きな屋敷の中、一人の老人が穏やかな笑みを湛え、隣に立つ青年に語りかけた。青年は、ほんの一瞬寂しげな表情を浮かべたが、真っ直ぐな眼で老人へと向き直る。


「…はいっ。必ず…果たしてみせます。」


 老人は満足げに微笑むと、五芒星が描かれた大きな和紙の上で、怪しげな言葉を唱え始めた。


金色こんじきからすうさぎ勾玉まがたま…」



 老人の言葉に呼応するかのように、地面が大きく揺れ、幾つもの稲妻が天を貫き始める。青年はそれと同時に表へ飛び出すと、ポンッと音を立てて人ならざるものへと変化し、森へ向かって走り出した。


「炎をまといて天へ羽ばたき…」


  目指す先は、封印の祠。


「蒼き三日月、白雨はくうを降らす…」


「…っ!」


 彼がほこらにたどり着くと、思いがけない先客がそこに立っていた。先客はゆっくりと振り返ると、にっこりと微笑み、こう言った。


「ご苦労。」


 体中にはしる激痛。斬られたのか刺されたのか、よく分からない、痛み。彼は地面に倒れ込み、涙を流しながら、ある人物の名を呟いた。


「…清明…様…。」


 彼の意識はそこで途切れた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ