表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/66

PROLOG

 夢を見るんだ


 その夢の中で俺はたった一人で立ち尽くしているんだ


 周りは何処までも続く銀色の闇の空間で


 誰もいない音もないその空間の中で俺は一人ぼっちなんだ


 はじめは何も感じないんだけど


 そのうち徐々に恐ろしくなってきて


 俺は出口を探すように歩こうとする


 けれども俺の身体は何かに絡め取られているように身動き一つも出来なくて


 そこに立ち尽くすしか俺に出来ることはないんだ


 ずっとずっと長い時間をそうやって過ごしていると


 そのうち何もかもがどうでもよくなってきて


 なぜ俺はここにいるんだろう


 なぜ俺はこんな状態のまま生かされているんだろう


 そんなふうに思いはじめるんだ


 不思議なんだけど


 そんな状況でも感じるんだよ


 自分の鼓動を


 自分の吐く息の震えを


 そしてそれに伴って生じる吐き気を


 そうして最後には思うんだ


 消えてしまえばいいのに


 俺の存在のすべてが消えてしまえばいいのにって


 でもね


 思い出すんだ


 消えてしまえばいいのにって最後に思うのと同時に思い出すんだ


 君の可愛らしい笑い声


 君の優しい微笑み


 君の温かい体温


 君の柔らかい手


 君のすべてが俺を絶望から救いあげる


 ねえ、君は知っているかい?

 

 君は俺の輝く夜明けなんだよ


 銀色の闇を照らしてくれる夜明けなんだ


 いっそ君を攫ってしまえたらいいのに


 もし俺が何者でもなかったら


 もし君が何者でもなかったら


 俺は君をすぐにでも攫ってしまうのに


 それが叶わないのなら


 こんな銀色の闇の世界なんて


 すべて壊れてしまえばいい


 粉々に砕け散って跡形もなく無くなってしまえばいい


 俺も一緒にね




 






はじめまして?


少し長編になる予定です。気長にお付き合い下さい。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ