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臆病な死神 〜不幸な少年の成り上がり〜【一時凍結中】  作者: クロ
第1章 始まりの目覚め
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勝負開始!!

ー先皇剣立男子高校競技場ー




指定された服装に着替え、クラス全員が競技場に集まった。

僕は、チラッと霧雨雷雨の方を見た。

教室を出る前、

(「いつ目覚めるんだ?」)

(あの時のセリフ、一体どういう事だ?)

彼が何を言っているのかまだ理解出来ていなかった。

彼は何を求めているか、何をしたいのか…

(後で聞こうかな?)

と、僕はそう思い先生の話に耳を向けた。

「えー、今から君たちにはここで戦ってもらいます!」

戦うと、先生が言葉を口にした時、クラス全員の表情が変わった。

緊張する者もいれば、喜んでいる者もいた。

僕は緊張する者側だ。

このステータスでどこまで行けるか気になりはするけど、自信が持てず緊張していた。

その時、背筋がゾッとした。

誰かに見られてる気がした。

しかも、それはただ見られてるというより、威圧しているのだ。

僕は、誰に見られているか気になり探した。

そこで目が合ったのは、僕を馬鹿にした3人組…ではなく、まさかの霧雨雷雨だった。

僕は、驚愕しながら考えた。

(何で霧雨雷雨に見られてるんだ?しかも何で威圧されてるんだ?僕、なんかしたのか?)

試行錯誤していると、先生がこのバトルのルールを説明しだした。

「この競技場では、まず電脳練習戦闘世界バーチャル・ワールドにダイブしてもらいます。理由は簡単!ここでは―――」

次のセリフにほとんどの生徒が驚愕した。


「殺し合いをしてもらいます。」


その言葉に悪意など一切なく先生はそう告げた。

「でも、殺し合いをしたら死人が出てしまうのは当然です。ですので、死んでも大丈夫なように、電脳世界で戦ってもらうんです。」

そう先生が説明していると、1人の生徒が手を挙げた。

「せ、先生質問があります」

「はい何でしょう?」

「な、何故、殺し合いをしなければならないんですか?」

「それはですね、君たちには全力で戦ってほしいんですよ。」

返ってきた答えは、以外にもまともだった。

「殺す気で戦えば、君たちは全力を出すでしょ?だから、電脳世界に入ってもらい思う存分に力を発揮し、戦ってもらうんですよ。それに、魔物相手だと負ければ死ぬのです。なので、実戦という意味でもあるのです」

そう先生は言い、準備を始めた。

「コートはA、B、C、と3つありますので、順番に戦ってもらいます」

そう言い、先生は戦う人の名前を呼んでいく。

「えー、Aコートは、――対――です!」

Aコートの戦う人が決まったらしい。

次に

「Bコートは、平原由対原田大地です!」

と、由が呼ばれた。

対戦相手は、僕を馬鹿にしてきた男だった。

「絶対に勝つ!」

と、由は本気モードだった。

「えっと、が、頑張れ!」

僕は、応援する。

次に

「Cコートは、黒炎寺龍対霧雨雷雨です!」

と、言われ僕は絶望した。

他の人も、あぁ、アイツ負けたな、みたいな顔をしてきた。

由も

「え、えっと、頑張れ!」

となげやりの応援をしてきた。

「いや無理でしょ!絶対に無理でしょ!!」

僕は全力で戦う事を否定した。

初日の戦う相手が、神器使いとか絶対無理だ!

負ける未来しかない!

と思い、先生に講義しに行こうと思ったら、霧雨雷雨が僕の前に来て、

「よろしく」

と、一言だけ告げてCコートに向かった。

何で彼はこんなにもやる気なの?

意味わかんない……

そう僕は泣きながらCコートに向かった。

そして、準備ができ、僕達は電脳世界にダイブした。



ー電脳世界ー



電脳世界にダイブしたが、あまり風景は変わっていなかった。

変わったといえば、人がいなくなった事だ。

誰もいない中、僕は霧雨雷雨と2人で辺を見渡していた。

「準備が出来たね?」

そこで、いきなり先生の声が聞こえた。

「うわ!?え?先生?何処ですか?」

僕は先生を探すように辺を見渡したが、先生の姿はなかった。

そこで先生が、

「そっちの世界には私は居ないよ。現実世界の方で君たちと会話してるからね」

僕はなるほど、と思い納得した。

そして

「では、今から勝負を開始する!」

先生の掛け声で僕は、霧雨雷雨に剣を向け、構えた。

しかし、霧雨雷雨は刀に手を当てる所か、何も構えていなかった。

「では、勝負……開始!!!」

そして、バトルが始まった。

僕は、掛け声と同時に彼の近くまで接近し、剣を振り下ろした。

「ハァッ!!!」


しかし、僕の剣は彼に当たる事はなかった。


「遅い…」


「!?」


そう、彼はもう自分の後ろに立っていたからだ。

「ッ!!」

すぐ体勢を立て直すが、次見た時は彼の姿はもうなかった。


「なっ!?」


辺を見渡すが、彼を見つけられない。

(何処だ?どこにいるだ!?)

焦りながら、探すが見つからない。

そして、


「後ろだ…」

彼の声が聞こえた。


すぐにその場から離れ、先程立っていた場所に彼がいた。

(速すぎる!?)

彼の驚異的な速さに驚きながらも、次の行動を考えた。

しかしそこで、


「……まだ目覚めていないのか」


そう彼が呟いた。

「どういう意味だ!?」

僕は、焦っていたからかちょっと荒い声で彼に問いかけた。

「……今のお前には、関係ない話だ」

彼はそう言い、刀を抜いた。

「神器は使わないでおこう。今のお前には使っても面白くないからな」

「くっ!馬鹿にするな!!!」

僕は煽られて、その挑発に乗って、考え無しに飛び込んでしまった。


「……死ね」


そう言い、彼は驚異的な速さで僕の前に現れ、無常にもあっさり斬られて終わった。



ー先皇剣立男子高校競技場ー



勝負が終わり、僕と彼は現実世界に帰ってきた。

僕は、自分の愚かさを思い知り、口を噛み締めた。

(強すぎる…それより……僕は……)

自分が最後にとった行動を思い出し、恨んだ。

僕は、観覧席に座り、先程の戦いを思い返していた。

そこに、由が来て、

「龍くん……大丈夫?」

と、心配そうに話しかけてきた。

「……大丈夫だよ」

僕は、俯いたまま返事を返した。

「今はちょっと……1人にしてくれ…」

「……うん」

由は、何か言いたそうな顔で向こうに行った。

(ごめん…由……)

そう思いながら、僕はまた俯いた。


そこから数分が経った。

僕は他の人の戦いを見ながら、考える。

(やっぱり僕には…戦う力なんてないのかな…

最初から僕が出来ないことは知っていたけど)

そう落ち込みながら僕は、

(もうやめよっかな……)

そう思い、先生の元へ向かおうとした時


「おい」


そう声をかけられた。

僕は、振り返ると原田大地と他の2人がいた。

「……何?」

僕は、そう返事すると彼らは笑いながら

「見てたぜ!あっさり負けて落ち込むお前を!」

「あぁ!間抜けな負け方をしていた所をな!」

そう嫌味を言ってきたが、僕は返そうと思わなかった。

代わりに、

「僕に負けた癖に、龍くんに当たるな!」

と、由が帰って来て、反論した。

「確かに俺はアンタに負けたよ。て言うかさぁ、何でお前強いのにそんな弱い奴と一緒にいるんだよ」

「そんなの人の勝手でしょ!僕は龍くんと友達だから一緒にいるんだ!」

「友達だからねぇ〜じゃあ俺と友達になろうぜ!」

そう言うと、

「龍くんを馬鹿にしたお前達とは友達になんかならない!」

と、由は叫んだ。

「チッまぁいいや、そんな事より」

と、大地が僕を指指しながら、

「お前、俺と勝負しようぜ」

と、彼は言い放った。

傍から見たら、ただの弱い者虐めになるが誰も止めようとしない。

なぜなら、巻き込まれるのが、嫌だからだ。

それでも、由は

「何言ってるのよ!龍くんはまだ休憩中でしょうが!」

「ハッそんな事関係ねぇよ。おい早く準備しろよ」

「ちょ!」

そう言い、僕は彼に押された。

だから僕は、

「……分かった」

と答えた。

「ちょ!龍くん!駄目だよ!こんな奴の挑発に乗ったら!」

「いいよ。別に…結局戦う事は変わりないんだから」

「それでも……」

由は何か言いたそうだったが、僕は先にCコートに入った。

「簡単に死ぬなよ?」

と、笑いながら彼はダイブの準備をする。

僕はそれを無視し、ダイブの準備をした―――



見て下さりありがとうございます!

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